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LINN、「オーディオを次のレベルへ昇華させる」デジタル伝送音楽システム「EXAKT」
(2013/10/28 16:58)
リンジャパンは、新しい“デジタル伝送ミュージックシステム”「EXAKT」(イグザクト)の概要を発表。11月2日~4日にかけて、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催される「2013東京インターナショナルオーディオショウ」にて披露する。
EXAKTの概要
既存のオーディオシステムは、ラインレベルを主としたアナログ伝送をベースにしているが、一方で、EXAKTシステムは、“スピーカーにスタジオマスターデータを届る”事をコンセプトとしており、「オーディオシステムを次なるレベルに昇華させるブレイクスルー」になるという。
ヘッドユニットとなる「EXAKT DSM」からオリジナルのデジタル伝送「EXAKT LINK」を用いて、EXAKTスピーカーにデータを伝送。スピーカー内の「EXAKT ENGINE」で、帯域分割などのデジタルプロセッシングを行なう。帯域分割された各帯域の信号はDACで変換しユニット直前にある専用パワーアンプに送られ、マルチアンプ駆動によりスピーカーを駆動するというのが全体の流れ。
ヘッドユニットの「EXAKT DSM」は、Ethernetに加え、HDMI、同軸デジタル、光デジタル、アナログライン(アンバランス/バランス)の入力を装備。これらをEXAKT LINKを用いて、スピーカーに搭載されたEXAKT ENGINEに伝送する事が、EXAKT DSMの大きな役割となる。アナログ入力された信号の場合は、EXAKT DSM内部の超高精度ADコンバータでデジタル変換し、デジタル入力信号と同じようにEXAKT LINKで伝送する。
独自のデジタル伝送「EXAKT LINK」は、精密なデジタル伝送精度を持っており、2007年発表時のDS単体再生を凌ぐ極小ジッタを実現。将来的には最大8チャンネルのハンドリングが可能という。
スピーカー内でデジタル音楽信号を受け取るEXAKT ENGINEは、デジタルクロスオーバーによる帯域分割を中心とした、各種デジタルプロセッシングを実施。アナログのネットワークで問題となる振幅歪や位相歪を完全に無くす事ができるとする。
割り当てられた帯域を再生するドライブユニットは、どれもフラットな再生ができるわけではなく、特性や個体差がある。そこで、工場出荷時に各ユニットの特性を測定し、ユニット毎の特性を補正したクロスオーバー・カーブを与えることで、「スピーカー1本1本が全帯域にわたって理想とする再生を行なうことが保障される」という。
さらに、ピークやディップといった部屋の定在波の問題に対応するため、部屋の広さや、ベストなポジションに置いたスピーカーの位置情報などを入力する事で、部屋の特性に最適化。ベストなポジションにスピーカーを置けない場合でも、ベストポジションの音に近付ける能力があるとする。このEXAKTスピーカーは、DSシリーズと同様に、LANに接続し、ソフトウェアアップデートも行なえる。
製品は3種類
「KLIMAX EXAKT DSM」と、スピーカーの「KLIMAX EXAKT 350」の組み合わせで、価格は840万円となる。
これとは別に、既存のスピーカーをEXAKT仕様にアップグレードさせるため、特性測定済みのユニット「3K ARRAY」と、EXAKTアンプモジュールへの交換を行ない、そのアップグレードサービスと、「KLIMAX EXAKT DSM」をセットで420万円で提供。対応するスピーカーは「KLIMAX 350」、「ARTIKULAT 350」、「KLIMAX 350A」、「ARTIKULAT 350A」。
さらに、「KOMRI」、「KLIMAX 350」、「ARTIKULAT 350」、「KELTIK」システムをマルチアンプ駆動で構築しているユーザー向けに、特性測定済み3K ARRAYと各クロスオーバーが書き込まれた「EXAKT TUNEBOX」(チャンネルデバイダ:L/R 2筐体)を提供し、「KLIMAX EXAKT DSM」を加えたセットも457万5,375円で用意する。