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キヤノン、4K液晶マスターモニターに小型・軽量な24型モデル

 キヤノンは、可搬性を高め、撮影現場などでの使いやすさも考慮した4K液晶マスターモニタの24型モデル「DP-V2410」を10月に発売する。価格は未定。

4K液晶マスターモニタの24型モデル「DP-V2410」

 発売中の30型4Kモニタ「DP-V3010」に対し、面積比で約67%(スタンド含まず)、重量比で約50%(24kg→12kg)と、小型・軽量化した24型の4Kモニタ。「30型では1人で運ぶのが困難」、「撮影現場で手軽に設置・確認したい」というニーズに応えるモデルとして開発された。

 アスペクト比は17:9、解像度は4,096×2,160ドット。IPS液晶の10bitパネルを採用している。バックライトはRGB LEDの直下型。ITU-R BT.709、EBU、SMPTE-Cや、デジタルシネマ規格DCI-P3、次世代放送規格のITU-R BT.2020、AMPASが提唱するカラーマネジメント規格ACESの伝送規格ACESproxyにも対応する。

 独自開発のディスプレイ用映像エンジンを用いる事で、きめ細かな調整ができ、画面内の色・輝度ムラを低減。高精度な均一性を実現したという。

 HDR(ハイダイナミックレンジ)表示にも対応。被写体本来の色彩や輝度を保持したカメラデータ(LOGデータ)や、ST 2084の入力に対応しており、HDR映像のモニタリングも可能。日没時の風景など、明部と暗部が混在するシーンで、従来は黒つぶれ、白とびしていた映像も、ディテールを残して表示ができるという。

側面
画面の下部に操作ボタン

 CINEMA EOSシステムとの連携も強化。30型モデルでは必要だった外部ディベイヤー機器を本体に内蔵しており、C500やC300 MarkIIで撮影した4K RAWデータを、3G-SDIケーブルで直接モニタに入力・表示できる。4K/30p以下の映像であれば、3G-SDIケーブル1本、50pや60p映像では2本のケーブルで接続可能。機動力がアップしたという。

 各種設定を行なう操作ボタンは画面の下部に配置。シンプルなデザインを採用する事で、埃がたまりにくく、汚れも拭き取りやすいという。背面上部には持ち運び用のハンドルも装備。スタンドの位置を2段階で調節でき、DC電源駆動にも対応する。

持ち運び用のハンドルも装備
背面端子部

 入力は3G/HD-SDI×1、HDMI(HDCP 2.2対応)×1、出力は3G/HD-SDI(パススルー)×1、ヘッドフォン×1。USBやEthernet端子も備えている。スタンドを含む外形寸法は、594×187×399mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約12kg。

30型も機能アップデート

 11月には、30型「DP-V3010」の無償ファームウェアアップデートも実施。HDR表示、ITU-R BT.2020の色域の映像確認機能の向上、ACES Proxy(ACES System ver 1.0)やCanon Log2への対応、各種機能の追加・性能向上などが行なわれる。

(山崎健太郎)