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DVDリッピングソフト配布で初の著作権法違反による検挙。リンク行為も幇助に

 神奈川県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課と戸部警察署は、DVDビデオのCSS暗号化を回避して複製するリッピングソフト「DVD Shrink 日本語版」を、Webサイトにアップロードしていた者を著作権法違反で検挙した。リッピングソフトの提供行為は、これまで不正競争防止法違反で検挙されることはあったが、'12年に改正された著作権法に対する違反で検挙されたのは初となる。日本映像ソフト協会(JVA)が明らかにした。

 このほか、検挙された者が運営しているサイトにアップロードされていた「DVD Shrink 日本語版」にリンクを張っていた出版社の従業員1名と、編集プロダクションの従業員2名も著作権法違反の幇助で検挙。この出版社は、販売していた出版物の付録のディスクにDVD Shrink 日本語版へのリンクを収録していたが、このリンク先がJVA会員社の警告でアップロードを取り下げたため、新たにアップロードしている先(今回検挙)を見つけ、'15年1月初めに自社のWebサイトからリンクを張っていた。リッピングソフトへのリンク行為が著作権法違反の幇助で検挙されたのも初となる。

 JVAは、2015年春から「アンチリッピングキャンペーン」を展開。「今回の検挙はアンチリッピングに大いに貢献する」としており、神奈川県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課と戸部警察署に対し、8月24日に感謝状を贈ることも発表した。

 神奈川県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課と戸部警察署は、'14年5月から'15年にかけて、DVD/Blu-rayのリッピングソフトをインターネットオークションなどで提供していた不正競争防止法違反事件と著作権法違反事件を多数検挙し、JVAのアンチリッピングキャンペーンも後援。JVAは「インターネット上で行われる不正行為の浄化の推進にも大きな力となった」としている。

JVAが展開している「アンチリッピングキャンペーン」の動画

(中林暁)