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ピクセラ、USB TVチューナの録画番組をチューナ無しで再生可能に。TVのVR視聴アプリも

 ピクセラは24日、PC向けなど同社テレビチューナ製品の今後の展開を紹介。その中で、昨年12月から発売している、USB接続のWindows向け3波テレビチューナ「PIX-DT295」で録画した番組を、チューナを接続しなくても再生できるようにするアップデートを3月中旬に予定している事を明らかにした。

USB接続のWindows向け3波テレビチューナ「PIX-DT295」

 さらに、番組をスマートフォンやタブレットで視聴可能にするアプリ「ワイヤレスTV2」も2月末提供を目指して開発している事をアナウンス。新UIのフリップビューを採用しているほか、VRモードを備え、ハコスコ+スマートフォンと組み合わせる事で、映画館で見るような感覚でテレビ番組が楽しめる、新しい視聴スタイルも提案していく。

「PIX-DT295」の録画番組がチューナ無しでも再生可能に

 「PIX-DT295」は、USB 2.0接続する地上/BS/110度CSデジタルの3波テレビチューナ。対応OSはWindows 7/8/8.1/10。テレビの視聴だけでなく、ハードウェアトランスコーダ(ソシオネクスト製)を搭載し、ハイビジョン画質のまま、最長15倍の長時間録画も可能。再生・制御ソフトとして「StationTV X」を用意している。

「StationTV X」がバージョンアップし、チューナ無しでの録画番組再生が可能になる

 この「StationTV X」が3月中旬にアップデート予定。現在、録画した番組はチューナとPCに紐付けられており、再生時にはチューナを接続している必要がある。つまり、ノートPCと組み合わせた場合、屋外などで録画番組を再生する場合でも、チューナユニットを接続している必要があった。

 3月中旬のアップデートでは、これを改善。紐付け先をPCとHDDとする事で、ARIBの要件を満たしながら、チューナを接続していなくても録画番組を再生できるようになるという。これにより、ノートPCだけを持ちだして、宅外で録画番組を気軽に楽しめるようになるという。

チューナをPCから外した状態
チューナが接続されていなくても、録画番組が再生できている

VRで映画館のようにテレビが楽しめる「ワイヤレスTV2」

 前述の「PIX-DT295」を含め、近年発売されているピクセラのチューナ製品には、受信している番組や録画した番組をLAN内に再送信し、スマートフォンやタブレットのアプリから視聴できるようになっている。

 このアプリの新しいものとして、2月末の提供を目指して開発が進められているのが「ワイヤレスTV2」。iOS版とAndroid版が用意される。

 従来のアプリはiOS版とAndroid版が別々に開発されていたが、「ワイヤレスTV2」は機能やUIを統一し、iOS/Android版で同じ使い勝手を実現するアプリとして開発しているのが特徴。さらに新UIとして「フリップビュー」を搭載している。

iOS/Android版で同じ使い勝手を実現できるという「ワイヤレスTV2」

 ピクセラのワイヤレス視聴用アプリでは、放送局名や番組名などを記載した「フリックカード」が画面上に表示され、それを指で動かしながら、目的の番組を探して選局するというUIを既に採用している。

 「フリップビュー」はそれを進化させたもので、画面の左下に時間軸を調整できるバーを表示。例えば昼間の番組を選択している際に、バーを上下に操作する事で、フリックカードの内容を夜の番組のものへと変更でき、今後放送される番組から、興味のあるものを探すといった使い方ができる。

「フリップビュー」のイメージ。左下の時間軸バーを操作し、将来の番組のフリップカードを見る事ができる

 さらに、「VR視聴モード」を追加。GoogleのCardboardやハコスコなどのVRビューワーと、「ワイヤレスTV2」をインストールしたスマホを組み合わせて利用するもので、ユーザーの目の前にスマホを固定すると、そこにワイヤレスで受信しているテレビを、映画館のスクリーンのように表示できる。現在開発中のアプリでは、録画番組の表示はできず、放送中の番組のみの表示となるが、将来的には録画番組も表示できるようになる予定。

アプリの右上にあるメガネのようなマークが、VRモードへの切り替えアイコン
このように両目に向けて映像を表示するようになる
Cardboardにスマホを搭載。ホームシアターのような感覚でテレビが楽しめる

 スクリーンのようにテレビを表示するだけでなく、操作も可能。VRビューワーのボタンを押すと、画面にフリックカードと白いポインタが現れ、首を動かす事で、他のチャンネルのフリックカードに白いポインタを移動できる。その状態でボタンを押すと、ポインタを重ねたチャンネルを選局できるというUIになっている。

フリックカードに白くて丸い表示があるが、それが選択ポインタ

 ワイヤレスTV2の対応OSは、iOS 8.4以降、Android 4.4以降。組み合わせ可能なチューナ製品は、ワイヤレステレビチューナーのPIX-BR320/PIX-BR321/PIX-BR310L/PIX-BR310W/PIX-BR310L-DV(※iOS版のみ)。Windows向けチューナのPIX-DT460/PIX-DT295、Mac向けのPIX-DT195。

 会場では他にも、2月8日から公開した、Apple TV向けのワイヤレステレビ受信用アプリ「StationTV」も紹介。ホームネットワーク内で対応チューナとApple TVを接続することで、ライブ視聴や録画番組の再生に利用可能。現時点では視聴中番組の手動録画となる。Apple TVからの番組予約や、番組表、各種設定については、順次アップデートで提供予定。

その他

 説明会ではその他にも、今後商品化を予定しているモデルとして「パーソナルテレビ」を紹介。

参考展示された「パーソナルテレビ」

 仕様としては通常のデジタルテレビだが、ベゼルを取り外しでき、ベゼルにビーズやフィギュア、タイルなど、様々なものをユーザーが装飾できる。デコレーションパネルやスタンドはオプションで販売。ユーザー宅の室内デザインに合わせたテレビに装飾できるほか、BtoB展開では、和室の旅館に、和風の装飾を施したベゼルのテレビとして導入するといった展開も考えられるという。

DIYでベゼルを自由にデザインできる

 32型のサイネージ向けタッチパネルディスプレイも開発中。静電容量式のタッチパネルを備え、背面にQualcommのプロセッサ「APQ8084」を搭載。Androidソリューションと連携でき、例えば、前述のワイヤレスチューナ向けの受信アプリなど、ピクセラが開発しているスマホ/タブレット向けアプリを動作させる事もできるという。

32型のサイネージ向けタッチパネルディスプレイ

 これにより、VRコンテンツを表示し、タッチパネルで自由に操作するなど、サイネージとしてコンテンツ表示の自由度が高いディスプレイになるとしている。

画面を表示していないと鏡になるサイネージ向けディスプレイなども開発中

(山崎健太郎)