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KDDIのCATV STBが4K配信対応を強化。今後登場の4K/8K製品と新サービス
(2016/2/25 20:04)
次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)は、25日に「4K・8Kソリューションミーティング」を開催。会員の機器メーカーや放送/配信事業者らが最新製品やサービスを紹介した。この中で、キュー・テックによる輝度1万nits対応のHDR主観評価画像集や、朋栄のHDR/SDR色域変換装置など、最新の4K/HDR対応製品の参考展示も行なわれた。
「4K・8Kソリューションミーティング」は、4K/8K放送や次世代スマートテレビ向けのコンテンツ制作や、放送/配信/アーカイブに関連したNextv-F会員や関係者向けに開催したイベント。この中から、今後登場する最新のサービスや製品を中心に紹介する。なお、同日に行なわれたワークショップについては、別記事で紹介する。
ビデオパスがCATV向け4K対応を強化
KDDIは、CATV用STBに追加するユニットとして、Android TV搭載の「パワーアップユニット」を'15年12月から大分ケーブルコムなどのCATV事業者を通じて提供開始している。既存のKDDI製STB「Smart TV Box」に追加することでAndroid TV対応するほか、'15年に始まった「ビデオパス」の4Kコンテンツも視聴可能。auのIDがあれば、4K作品の視聴にも追加料金は不要。さらに、25日にアップデートされたことで、新たにNetflixの4K配信コンテンツも視聴可能になった。
このほか、'15年12月から始まったCATV向け4K放送サービス「ケーブル4K」が、4月からIP経由でも配信されることに合わせて、STBとパワーアップユニットでも視聴可能になる。現在、ビデオパスは、スマートフォン、タブレット、PCや、Smart TV Box上で提供されているが、最大でHDまでの画質となる。テレビ向けのビデオパス視聴アプリはHD/4Kどちらも提供されていないため、現状、ビデオパス4Kが利用できるのは、Smart TV Boxとパワーアップユニットを組み合わせた場合だけとなる。
【訂正】記事初出時、「ビデオパスの4K化を今春ごろ開始」としていましたが、正しくは'15年より提供されていました。お詫びして訂正いたします(2月26日)
4K/8K評価画像や最新カメラ/制作技術など展示
キュー・テックは、4K/HDR対応の主観評価用標準動画像集「QT-4000」シリーズを紹介。4Kディスプレイやコーデックの開発メーカーなどに向けて販売しているもので、BT.2020の色域とHDRをサポートしている。
QT-4000の新たなバージョンとして、今後の放送で採用が見込まれているHDR規格のHybrid Log-Gammaをサポートするものをリリース予定としているほか、4Kで輝度が1万nitsのものや、8Kの「QT-8000」の製品化も進めている。
1万nitsのQT-4000を、JVCのHDR対応ディスプレイ「LY-HDR36-4」を使って高輝度表示する参考展示も行なっていた。LY-HDR36-4は、D-ILAデバイスを使ったリアプロジェクション型のディスプレイで、最高輝度4,500cd/m2に対応している。
朋栄は、SDRからHDRへのダイナミックレンジ変換や、BT.709からBT.2020への色域変換に対応した「LMCC-8000」をNHKと共同で開発中。5月の製品化を目指している。HDRからSDRへの変換機能への対応についても検討中としている。
NHKメディアテクノロジーは、「4K簡易再生システム」として、Blackmagic Design製の4K録再機「HyperDeckStudio12G」を、Windowsタブレットでリモコン制御する安価なシステムを紹介。4Kコンテンツを2.5型SSDに保存し、HyperDeckStudio12GとHDMI接続した4Kテレビで再生。ワイヤレス接続したWindowsタブレット上でサムネイルを選択するだけで再生が行なえる。