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3ステップ設定で10ch録画。全自動レコーダを目指すDIGA

全自動DIGA一新。ユーザーにあわせた録画やPC対応

 パナソニックは、最大10/6チャンネルのデジタル放送全番組録画が可能なBlu-ray Discレコーダ「全自動DIGA DMR-BRX7020/BRX4020/BRX2020」を5月20日より発売する。価格はオープンプライスで、7TB HDD+10ch全自動録画対応の最上位機種「DMR-BRX7020」が22万円前後、4TB HDD+6chの「DMR-BRX4020」が16万円前後、2TB HDD+6chの「DMR-BRX2020」が10万円前後

DIGA「DMR-BRX7020」

 パナソニックが提案する、複数のチャンネルを録画し続ける全番組録画機能「チャンネル録画」対応の全自動DIGA(ディーガ)の新モデル。'15年の全自動DIGA「DMR-BRX6000/BRX4000/BRX2000」からの強化点は、設定を大幅に省略し、3ステップ(従来は16ステップ)で利用できるようにしたほか、使いやすさの改善や、ユーザーにあわせた録画時間設定のおすすめ、リモート視聴のパソコン対応などの強化が図られる。

新全自動DIGA
DMR-BRX4020
DMR-BRX2020

全自動推進のため、設定もシンプルに。利用状況を学習

 10/6chの“全録”が可能なレコーダだが、パナソニックでは、'15年から「全自動DIGA」の愛称で展開。好きな番組が自動で蓄積されていて、「見つけるだけ」、「全て見る必要がない」という点を打ち出して、新しいレコーダの利用スタイルを提案している。

 結果、'15年モデルでは「録画予約の手間が不要」と好評で、録画や消去に対する問い合わせも減少。市場シェアも拡大したという。

 一方、不満点として以下の課題が挙げられていたという。

・便利だが設定や操作が難しい
・すべて録るのがもったいない
・そんなにとっても「見る時間がない」
・(前面に)表示管が無いので時間が確認できない

 そのため'16年モデルでは、「もっと何もしなくてイイ」をキーワードに、設定のシンプル化や、使いやすさにこだわり改善。従来16ステップだった初期設定を3ステップに省力化したほか、「昼の番組を省く」など、利用者の実際の視聴時間帯やジャンルごとに録画時間をおすすめする「おすすめ設定診断」、パソコンからのリモート視聴などに対応した。

3ステップで設定完了

 さらに、利用中のテレビがVIERA(2007年以降モデル。郵便番号/チャンネル設定済み)でHDMI接続し、有線LANでインターネット接続している場合は、1ステップでDIGAの設定が完了する。

 3モデルの主な違いは、録画チャンネル数とHDD容量。BRX7020が10チャンネル、BRX4020/2020が6チャンネル分のチューナを搭載し、全録の「チャンネル録画」が行なえる。チューナは地上/BS/110度CSデジタル対応で、最大5chまでのBS/110度CSをチャンネル録画選択できる。

DMR-BRX7020
DMR-BRX4020
DMR-BRX2020

 HDD容量はBRX7020が7TB、BRX4020が4TB、BRX2020が2TB。BRX7020では10chを最大28日間、BRX4020は6chを最大36日間、BRX2020は6chを最大16日間録画できる。USB HDDも追加可能で、チャンネル録画にも利用できる。BRX7020は通常録画用とチャンネル録画用の2つのHDDを同時接続可能、BRX4020/2020は同時利用1台までとなる。

 チャンネル録画は、DR~15倍録までの録画モードに対応。BRX7020は、10ch全てでDR~15倍録の設定が行なえる。BRX4020/BRX2020は、最大6chのうち、4chは2~15倍録まで、残り2chはDR~15倍録の設定が可能となっている。録画モードはチャンネルごとに設定可能で、チャンネル録画のch数を減らすと、録画日数を増やすことができる。

 新たに、ユーザーの利用状況を判別し、チャンネル録画のおすすめ設定を教えてくれる「おすすめ設定診断」を搭載。一カ月の利用状況から、録画時間帯やジャンルごとの利用状況を把握、利用者に最適な録画時間帯や、ジャンルごとの録画設定をおすすめする。

再生パターンの診断結果

 例えば、「昼の番組やバラエティは見ない」という人であれば、昼間の時間帯の録画を止めるよう推奨。利用頻度の低いバラエティについては、録画画質を15倍などのより長時間なモードに変えるよう推奨する。おすすめの設定を選択することで、ユーザーの利用状況にあったムダのない録画が行なえるようになる。

おすすめの時間帯を教えてくれる
ジャンル別に録画モード設定可能に

 チャンネル録画設定は、ユーザーが柔軟にカスタマイズ可能で、WOWOWやスカパーは24時間、民放はゴールデンタイムのみとしたり、ジャンルごとの録画モード変更や、チャンネルごとの録画HDD設定変更などに対応する。

 チャンネル録画した番組は、[保存]をしなければ、HDD容量がいっぱいになると自動消去されるため、「何もしなくても」最新の番組が蓄積されていく。新たにチャンネル録画番組の[毎回保存]に対応。連続ドラマなどの指定番組を1回の設定で、毎回保存できるようになる。

 番組表から番組を選んで録画予約を行なう通常録画にも対応。チャンネル録画/通常録画のいずれもオートチャプタに対応し、録画番組のシーンの区切りごとにチャプタを設定し、再生時の頭出しなどに利用できる。

新着番組が進化。Windowsからのリモート視聴も

 チャンネル録画した番組は、「新着番組」、「チャンネル録画一覧」から選択/再生可能。「チャンネル録画番組一覧」は録画した番組を番組表風に表示し、番組を選んで再生できる。「新着番組」は電源ON時に最初に表示される画面で、新たにユーザーの視聴履歴を学習し、よく見ている番組を優先的に表示するように改めた。ドラマなどのシリーズ番組を並びやすいレイアウトにして表示し、より効率的に番組をチェックできるようになるという。

一新された「新着番組」

 また、事前にお気に入りの番組ジャンルや好きなタレントの名前などのキーワードを登録しておけば、条件にあった番組や出演シーン、関連シーンをリストから確認できる。シーンからの再生には、ネットワークサービスの「DIMORA(ディモーラ)」への機器登録が必要。再生中に再生メニューの「シーン一覧」から任意のシーンを呼び出しし、シーンスキップが可能。

リモコン

 リモコンは、BRX7020/4020がボイス操作対応で、マイクボタンを押して番組名やタレント名から見たい番組を検索可能。BRX2020は赤外線リモコンとなる。

 また、効率的な番組視聴のために、スマートフォン/タブレットだけでなく、新たにWindowsパソコンにも対応した。

 DTCP-IP/DLNAサーバー機能を搭載し、録画番組や放送番組を家庭内でスマートフォンやタブレットに配信できる「お部屋ジャンプリンク」に対応。2番組の同時配信が行なえ、DTCP-IP対応の同VIERAやプライベート・ビエラ、スマートフォンなどから番組視聴可能。アプリは従来から、iOS/Android用に「Media Access」を提供しているが、新たにパソコンにも対応。7月にWindows用の視聴アプリ「DiXiM Play for DIGA Windows」を提供開始する。

 月額定額のサブスクリプション方式となる予定だが、価格は未定。デジオンが提供している「DiXiM Play」はDIGAのリモート視聴には利用できず、リモート視聴を行なう場合は、DIGA専用のDiXiM Playが必要となる。対応OSはWindows 8.1/10で、Windows Phoneには非対応。

DiXiM Play for DIGA Windows

 外出先からのリモート視聴「外からどこでもスマホ視聴」に対応。Media AccessとDiXiM Play for DIGAを、あらかじめ家庭内でDIGAと機器認証しておくことで、外出先からDIGAの録画/放送番組が視聴できる。

 150kbpsまでビットレートを抑えた[150kbps(パケット節約)]など画質モードの選択も可能。また、Media Accessでは、新たにバックグラウンド再生に対応し、メール返信時や他のアプリを使いたい時も、再生停止せずに利用できる。

ハイレゾNAS化やAmazonビデオ対応も

 ネットワーク機能も強化。YouTubeやNetflix、Huluに加え、新たにAmazonビデオに対応した。リモコンにはNetflixボタンを備えている。

 ファイル共有機能や4K動画保存機能も搭載。パナソニックのビデオカメラやアクションカメラなどで撮影した4K/30pまでのMP4動画ファイルをUSBやSDカード、Windows経由でDIGAのHDDで共有できる。DLNAサーバーにより、ホームネットワーク内のDLNAクライアントからDIGA内の動画/写真/音楽コンテンツの再生が可能。NASとしても動作可能で、Windowsのファイル共有機能を使って、パソコンからDIGAにドラッグ&ドロップでファイルコピーが行なえる。

 ハイレゾサーバーとしても動作。FLACやDSDファイルのDLNAサーバーとしても利用可能。DSDは5.6MHz/2.8MHz対応で、電源OFF時でもオーディオサーバーとして動作。e-onkyo music購入楽曲の自動ダウンロード機能も搭載する。

 SeeQVault対応USB HDDにも対応し、デジタル放送番組や4K動画ファイル、音楽のバックアップに利用できる。'15年秋モデル以降のDIGAからの番組引っ越しにも利用できる。

 HDMI出力を装備し、4K(24p/30p)アップコンバート出力が可能。出力端子はHDMI×1で、BRX7020とBRX4020は、光デジタル音声出力×1、コンポジット映像入力、アナログ音声入力、i.LINK入力×1を備えている。

 BRX7020はUSB 3.0×2、USB 2.0×1、BRX4020/2020はUSB 3.0×1、USB 2.0×1を装備。SDカードスロットや備え、録画番組以外の写真や音楽などもDIGAに取り込みできる。

DMR-BRX7020の背面
DMR-BRX2020の背面

 消費電力はBRX7020が51W、BRX4020が37W、BRX2020が約35W(待機時:クイックスタート[切]で0.15W、[入]で14W(BRX7020)/8W(BRX4020/2020)。外形寸法はBRX7020が430×309×68mm(幅×奥行き×高さ)、BRX4020/2020が430×199×59mm(同)。重量はBRX7020が約4.9kg、BRX4020が約3.0kg、BRX2020が約2.9kg。

(臼田勤哉)