ヤマハ、プレーヤーズシンセ「S90 XS」/「S70 XS」

-オーディオレコーディング機能やDAW連携機能を装備


「S90 XS」(上)、「S70 XS」(下)

8月発売

標準価格:294,000円(S90 XS)
         273,000円(S70 XS)


 ヤマハ株式会社は、ライブパフォーマンス用シンセサイザの新製品2モデルを8月より発売する。価格は88鍵盤の「S90 XS」が294,000円、76鍵盤の「S70 XS」が273,000円。

発表会風景デモ演奏を行なったキーボーディストのYANCY氏

 同社は8日、キーボーディストのYANCY氏を演奏者として招き、同モデルの発表会を行なった。「S90 XS」、「S70 XS」は前モデルの「S90 ES」のコンセプトをそのままに、ヤマハのメインストリームのシンセサイザ「MOTIF XS」のサウンドエンジンを採用したもの。456MB(16bitリニア換算)のウェーブROMを搭載し、1,024ノーマルボイス+64ドラムキットのプリセットとGM対応の128ノーマルボイス+1ドラムキットを持つ。このうち約1/3にあたる142MBをピアノ音色に割いており、まさにピアノシンセサイザともいえるキーボードとなっている。

 新たな特徴として、オーディオレコーディング機能を搭載。本体に192MBのフラッシュメモリを内蔵しているほか、リアに備えるUSB端子に市販のUSBメモリを取り付けることで、オーディオ(16bit/44.1kHz、ステレオのWAVファイル)のレコーディングが可能。メモリに収録されているWAVファイルの再生もできる。

 また、マイク入力端子(コンボジャック)および、マイクプリアンプが搭載されており、キーボードの演奏とともにボーカルなどもミックスしてレコーディングが可能となっている。

 一方、パネル上のボタンやノブ、スライダーの配置を演奏中でも直感的に操作できるようにユーザーインターフェイスも大きく改良されている。

LED内蔵ボタンの採用したパフォーマンスコントロールボタンで使い勝手を向上

 特に目立つのがパネル左側に用意されたパフォーマンスコントロールボタン。これは内部にLEDを搭載した自照式のボタンとなっており、パフォーマンスのパート選択やオン/オフ、アルペジオのオン/オフなどの設定ができるとともに、状態が一目で分かるようになっている。

 さらにコンピュータと連携するためのDAWリモート機能を搭載。Cubase 5、Cubase 4.5、SONAR 8、Logic Pro 8、Digital Performer 6など主要DAWに対応し、簡単な設定ですぐに使えるようになっている。

 また、主要VSTインストゥルメントに対応するコントロールテンプレートを最大50種類本体に保存できるため、各種ソフトシンセをS90 XS、S70 XSからコントロールすることも可能。このコントロールテンプレートを作成できるソフト「S90 XS/S70 XSリモートエディター」や、Cubase用の音色エディットソフト「S90 XS/S70 XSエディターVST」は同社ホームページからダウンロードして利用できる。

 なお、S90 XS、S70 XSには「Cubase AI 4」がバンドルされているので、DAWを持っていない人でもすぐにコンピュータとの連携が可能となっている。対応OSはWindows XP/Vista、Mac OS X 10.4/10.5。

 リアにPHONEのOUTPUT端子を装備。そのほか、ASSIGNABLE OUTPUT(PHONE)、ヘッドフォン端子(PHONE)、MIDI入出力、FOOT SWITCH端子なども備える。外形寸法と重量はS90 SXが1,472×385×173mm(幅×奥行き×高さ)/22.4kg、S70 SXが1,320×385×173mm(同)/20.4kg。ともに電源コードなどが付属する。

リアにはUSB端子やマイク端子などを装備しているCubase上で音色をエディットできる「S90 XS/S70XS Editor VST」

(2009年 7月 8日)

[Reported by 藤本健]