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NHK&民放5社が今夏のおススメ4K番組披露。「4Kボタンをプッシュ!プッシュ!」

スペシャルゲストとして、発表会に登壇した女優の河合優実(かわいゆうみ)さん

A-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)は10日、放送事業者らのさまざまな取り組みを披露する記者発表会を開催。NHKとBS民放5社がタッグを組み、イチオシ番組を集中放送するキャンペーンや、NHK衛星放送の近況などが発表された。

なお、J:COM BSチャンネルに関しては、別記事でレポートしている。

NHK衛星再編から1年半。「朝ドラや大河ドラマ、相撲を4Kで観る人増えた」

2023年12月に再編された“NHKの衛星放送”について、NHKコンテンツ戦略局の下要氏から現状報告が行なわれた。

既報の通り、NHKは構造改革の一環として、3チャンネル体制だった衛星放送を2チャンネルへ削減。BS1とBSプレミアムが統合され「NHK BS」へ、そしてBS4Kが「NHK BSプレミアム4K」へ再編された。

下氏は「再編から1年半ほどが経ち、だいぶ定着してきた。再編の前後に『リモコンの4Kボタンを押して4Kをご覧ください』というPRを積極的に展開したこともあり、4Kチャンネルの存在が認知され、朝ドラや大河ドラマ、大相撲などを4Kで観る方が増えたと聞く」とコメント。

さらに「12月の再編時は『この番組はどこに移ったのか?』『4Kはどうやって見るのか?』という問い合わせが多かったが、2週間ほどでそれも落ち着いた。予想外の、嬉しい反響だった」と明かした。

司会の星カオル氏と、NHK コンテンツ戦略局 下要氏(右)

BSプレミアム4Kのプログラムも紹介。現在は『刑事コロンボ』や『シャーロック・ホームズの冒険』などの海外クラシックミステリー(平日16~17時台)のほか、『ウルトラマン』などの「空想特撮シリーズ」(金18時35分~)、『大草原の小さな家』(土日17時10分)などをラインナップ。「4Kでしか見られない“名作”を週間を通して楽しむことができる編成にしている」とアピールした。

今夏のおススメ番組としては、「長岡の大花火」(8月2日)、「青森ねぶた祭」(8月6日)を生中継するのに加え、Mrs. GREEN APPLEのデビュー10周年を記念した特番「Mrs. GREEN APPLE 10 YEARS SPECIAL」の“90分完全版”を8月23日に放送する予定だという。

7月11日18時35分から、4Kリマスター版「ウルトラマン」を初放送する
土曜21時に映画枠を新設

続いて、7月18日から31日まで行なわれるBS4K8K衛星放送の視聴促進キャンペーン「4Kボタンをプッシュ!で見ようよ!」に触れ、各局が用意したイチオシ番組を映像で紹介した。

各局イチオシ番組と放送日時は以下の通り。なお、7月11日からは、4K8Kの魅力やキャンペーンのイチオシ番組を紹介する15分PR番組が各局で順次オンエアされる。

  • NHK BSP4K
    「連続テレビ小説『あんぱん』」
    月~金7時30分~ 今田美桜、北村匠海ほか
  • NHK BS8K
    「8Kプレミアムコンサート」(5.1ch)
    7月18日(金)16時~、25日(金)16時~ Aka Duo、児玉隼人ほか
  • BS日テレ4K
    「わが家の最寄りは秘境駅 第2弾」
    7月24日(木)20時~ 六角精児
  • BS朝日4K
    「あなたの知らない京都旅~1200年の物語~」
    7月31日(木)20時~ 内藤剛志、本上まなみ
  • BS-TBS4K
    「麺鉄~メン食い鉄道絶景の旅~初夏の関西編」
    7月20日(日)21時~ 六角精児、市川紗椰
  • BSテレ東4K
    「ニッポンノイロ~職人たちのいる風景~」
    7月29日(火)19時~ シシド・カフカ、吉岡更紗
  • BSフジ4K
    「旅する百人一首~みやびな日本の情景~」
    7月27日(日)18時~ 檀れい
NHK BS8K「8Kプレミアムコンサート」(5.1ch)
BSフジ4K「旅する百人一首~みやびな日本の情景~」
BS-TBS4K「麺鉄~メン食い鉄道絶景の旅~初夏の関西編」

下氏は「今回は、NHKがキャンペーン幹事社として、民放5社と議論を重ねながら作り上げた。局の垣根を超えた4K8Kキャンペーンは今回で10回目。15分番組ナビゲーターには、連続テレビ小説『あんぱん』に出演中の河合優実さんに出演頂いた。ラインアップ全体を通じて、4K8K衛星放送のクオリティの高さが分かると思う。より多くの方に4Kボタンをプッシュ!プッシュ!してもらい、素晴らしい4Kの世界に没入していただきたい」と意気込みを語った。

A-PAB理事長 加増良弘氏

A-PAB理事長を務める加増良弘氏は、BSデジタル放送が今年12月で25年を迎えることについて「BSデジタル放送が開始した2000年12月は、IT革命という言葉がもてはやされ、サザンオールスターズの『TSUNAMI』が大ヒットを記録した年。その道のりは決して平坦ではなく、私の所属するBSテレビ東京を例にとると、経営的に元が取れるようになるまで8年、溜まりに溜まった借金を返すのに12年かかった」と述懐。

「ようやく1人前になった頃、2018年12月にBS4K8K放送が始まり、それもまもなく7年となる。A-PABはその前身の団体の時代からBSデジタルの発展に寄り添ってきた。技術規格のメンテナンスから周知広報にも力を入れてきた」。

「25年を迎える先はどうなっていくのか?私はBSデジタル新時代が始まったと考えている。4Kを見ることができるテレビは累計で2,300万台近くまで伸びている。BSを見ることができる世帯のおよそ半分が4Kを見ることができる計算になる。BS2Kも4Kも、そして8Kも、有料サービスも無料サービスも、それぞれの個性がしっかりと視聴者の皆さんに浸透し、大いに活用してもらえる時代に入ってゆくと感じている」と、BSデジタルの展望を語った。

発表会では、BSよしもとが開幕初日から“毎日”行なっている「万博中継」(発信Liveジモトノチカラ!内で放送)の取り組みも紹介された。
中継リポーターは「はじめましてはじめ」さん。万博開始から終了日まで毎日スケジュールを押さえることができるタレント、教員免許を持っていて情報のリサーチ力が若手の中では優れている、との理由から起用されたという。ただ、現場から「はじめましてはじめで行きます!」と連絡が来たとき、編成局長も務める金田氏は「誰やねん、それ!!」と答えたとか……
6月30日までに万博中継コーナーで紹介した施設一覧。毎回有名な芸人を迎えるなどして、番組の認知度も向上。万博関係者からも反応が良いという
BSよしもと 代表取締役専務 金田耕司氏
全国のローカルテレビ局が制作した、その街の生活情報が楽しめる『全国の“街ネタ”集めました。』がTVerで配信中。全国63のローカルテレビ局が参加している
ドラマやバラエティなど、キー局に比べてプレミアムなコンテンツを量産できないローカルテレビ局。一方で“そこにしかない日常・産品・風景・風俗・文化・生活を記録したコンテンツ”を制作できるのがローカル局の強み。1度の放送だけでなく、国内・海外へ発信することで、地域情報コンテンツの再価値化を目指す仕組みが「A-PAB LCB」。TVerで配信中の“街ネタ”には、LCBのシステムが使われているとのこと
LCBシステムの概要を説明した、北海道テレビ放送 社長室部長 阿久津友紀氏
4K版「あんぱん」について、河合さんは「見た瞬間から(地デジと)違いが分かるほど、圧倒的に美しい映像」とコメント。「人物だけでなく、ロケの高知県の景色なども全部4Kで観たい。映像表現の幅が拡がっている感じがしました」と感想を語った