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FIIO“18年の音響研究が結実”最上位イヤフォン「FX17」。EST×8など片側13基

FX17

エミライは、FIIOの“18年間の音響研究が結実した”というフラッグシップIEMとして、片側13基(1DD+4BA+8EST)のハイブリッド構成を実現した「FX17」を7月18日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は269,500円前後。シリアルナンバーが刻印されたネームプレートが付属する。

片側に1基のダイナミックドライバー、4基のバランスドアーマチュア、そして8基の静電型ドライバーを搭載。5wayクロスオーバーは、ドライバー間のエネルギー配分をバランスよく調整し、各ユニットが最適な状態で動作するように精密に調整。これにより、より壮大なサウンドステージとより自然なサウンドが実現したという。

静電型ドライバーは、50kHzまで容易に到達する優れた高域特性を備え、広大なサウンドステージの表現が可能。その一方、能率がおよそ99dB/mWと低く、音量を得にくい特性がある。

そこでFX17は、8基の静電型ドライバーを採用。これにより、6kHz以上の高音域から超高音域を処理するための静電型ドライバーが、他のドライバーに匹敵する音圧レベルを実現した。イヤフォン全体の周波数特性は8Hz~40kHz、インピーダンスは16Ω(@1kHz)、感度は104dB/mW(@1kHz)。

スーパーカーに見られるタービン構造にインスピレーションを得て「S.Turbo Acoustic Structure Patent」を開発。タービン形状の構造を通して音を巧みに導くことで、低音を強化し、力強く深みのあるサウンドを実現するというもの。

同時に、ダイナミックドライバーから発生する中高音域の余分な情報を巧みにフィルタリングし、低音域と中高音域の間のスムーズなクロスオーバーを実現。よりパワフルで豊かなサウンドになるという。

ドライバーを正確に制御する為に、電子+物理のデュアルシステム5ウェイクロスオーバー設計を採用。滑らかな周波数応答曲線だけでなく、より幅広い適応性のためのフラットなインピーダンス曲線も実現した。

中高音域を担当するBAは、2セットのKnowles製BAドライバー複合ユニットを使用。複合ユニットは2つの部品に分かれており、それぞれ中音域と中高音域を担当。これにより、中音域の密度が高まり、より透明感のあるサウンドを獲得。静電ドライバーとのスムーズなクロスオーバーを実現している。

さらにフラッグシップレベルのボーカルパフォーマンスを達成するために、Knowlesと協力して「中音域強化バランスド・アーマチュアユニット」を共同開発。BAのキャビティ部分にアコースティックベントを追加し、中音域用BAがより多くの音響エネルギーを蓄え、ドライバーの利点をさらに引き出した。

ダイナミック型は、リチウムマグネシウム合金振動板を採用。軽量でかつ剛性が高く、密度も高いため、ベリリウムに次ぐ理想的な素材だという。

高速振動のある高周波信号では、リチウムマグネシウム合金振動板は高い内部減衰特性により優れた機械的特性を発揮。固有振動数共振と歪みを大幅に低減する。

ハウジングには、高密度で高強度のチタンを採用。一個のブロックから精密に削り出され、一つ一つ手作業で研磨されている。ユーザーからのフィードバックとさまざまな最適化スキームに基づいて、ノズルと装着面の間の角度をY軸に対して10度上げ、ノズルの長さを変化させないようにすることで、イヤフォンがより正確な角度で外耳道にフィットするようにした。

ケーブルは、金、銀、銅という3種類の伝送素材を採用。1,000度以上の高温で鍛造され、二次精錬によって単結晶へと結晶化する事で不純物を除去、伝送ロスを低減している。

イヤフォンとケーブルの接続には、バネ拡張構造MMCXプラグを採用。入力プラグは交換式で、3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス、デジタル接続用USB-Cコネクタが付属。USB-Cコネクタには、最大384kHz/32bitのPCMデータと、バランス出力をサポートするDSPオーディオデコードチップが内蔵されている。

8バンドの高精度PEQ調整をサポートし、周波数応答曲線をシミュレート、または修正するだけでなく、FIIOの自社開発アルゴリズムとFIIO Control APP、またはWebインターフェイスを介してEQ曲線をエクスポート、共有、保存もできる。

様々な種類のイヤーピースを22組付属。好みのサウンドとフィット感が選べる。

FX15の価格を改定

FX17の発売に伴い、FX15の価格を変更。より手に取りやすい価格になるよう、7月11日から約26%の値下げも実施する。