【IFA2009】ビクター、32型液晶など「SLIM」を訴求

-倍速D-ILAプロジェクタや199ユーロの1080pカメラも


会期:9月4日~9月9日(現地時間)

会場:メッセ・ベルリン見本市会場


 JVC Europeは、ケンウッドと共同でブース展開。超薄型の32型液晶ディスプレイの提案や、倍速対応の新D-ILAプロジェクタ、約199ユーロの低価格1080pビデオカメラなどを紹介している。

 


■ 薄型液晶で設置自由度をアピール

LT-32WX50

 ブースの中心で展開しているのは、超薄型液晶ディスプレイの「LT-32WX50」。最大の特徴は、6.5mmという薄さと、5.9kgという軽さで、さまざまな場所に設置できるマルチメディアディスプレイとして訴求していく方針。

 1,920×1,080ドットのフルHD解像度の液晶ディスプレイで、四方に白色LEDを搭載したエッジライト方式により超薄型を実現。100/120Hz駆動の「Clear Motion Drive III」も搭載している。ただし、チューナは内蔵しておらず、薄さを生かした設置自由度をアピールし、業務やデジタル広告などでの展開を想定しているという。価格は3,000ユーロ前後。

 「リビングの中心」というテレビではなく、「環境に溶け込む」をコンセプトにして、インテリアや設備との調和を図った設置提案が行なわれていおり、一枚のガラスのような板にディスプレイとして情報を表示したり、棚のスライドドアとしてディスプレイを設置するなど、設置の自由度を最大限にアピールしている。

LT-32WX50の厚みは6.5cmガラスの中にディスプレイがあるイメージでデザイン薄さを生かして環境に溶け込むデザインを意識したという
設置イメージ
スライド式の棚のカバー部がディスプレイにディスプレイ非表示時は鏡のようにみえる42型の薄型ディスプレイも参考展示

 さらに、42型の薄型ディスプレイや、26型のバッテリ内蔵のモバイル薄型ディスプレイとしての提案も行なっている。今回の展示コンセプトは「SLIM & SOPHISTICATED」で、薄さや心地よさを製品で訴えていくという。

26型のバッテリ内蔵薄型モバイルディスプレイ持ち運び用のハンドルを装備
3D映像のデモも実施

 また、ディスプレイ関連では3D関連展示も実施。独自アルゴリズムによる2Dから3Dへのコンバートなどの技術も紹介。IFAではソニーやパナソニックなどが民生用の展開を積極的にアピールしているが、ビクターではデジタルサイネージやCAD制作など、業務向け市場の展開を想定しているという。

 また、Adobe RGB対応の42型「LT-42WX70」などの液晶ディスプレイラインナップも展示。さらに、AVCHD再生も可能なカードリーダやHDMI出力を搭載したメディアプレーヤー「CU-VS100」も発表している。SD/SDHCに記録したMPEG-4 AVC/H.264やMPEG-2 TS、JPEG、MP3、WAVなどの再生が可能となる。

LT-42WX70CU-VS100

 


■ 倍速対応/コントラスト5万:1の新D-ILAプロジェクタも

DLA-HD950

 また、D-ILAプロジェクタの新モデルとして、「DLA-HD950」と「DLA-HD550」の2製品も発表。発売は10月を予定しており、価格はHD950が7,000ユーロ、HD550が5,000ユーロ前後の見込み。

 フルHD D-ILAパネルや光学2倍ズームレンズなど、2008年発表のDLA-HD750/HD350と基本的なスペックや筺体デザインは共通だが、同社D-ILAプロジェクタとしては初めて倍速駆動技術「Clear Motion Drive」を搭載。動画応答性能を向上させている。

 DLA-HD950とHD550の違いは、コントラスト比などで、HD950は5万:1、HD550は3万:1となる。加えて、HD950のみISF(Imaging Science Foundation)の認証やTHX認証を取得している。ビデオプロセッサはともにHQV Reon-VXを搭載しており、10bit 4-4-4処理に対応。2系統のHDMI入力端子やS映像入力、PC入力などを装備する。

 会場では、スタック設置した2台のDLA-HD950を2台使った3D映像の表示デモも実施している。

 また、コントラストを7万:1に高めた上位モデルのDLA-HD990も発売予定。新開発のワイヤーグリッドの採用などにより画質を向上し、HD950/550よりやや遅れて市場投入予定としている。

HD950の入力端子部HD950を2台スタックして3D投射している

 


■ 199ユーロの1080pビデオカメラ「PICSIO」

PICSIO「GC-FM1」

 また、ビデオカメラの新カテゴリ製品「PICSIO」も発表。第1弾となる「GC-FM1」は10月より発売開始し、価格は199ユーロ前後の見込み。

 1080pのMPEG-4 AVC/H.264(MOV)形式の記録が可能な小型のビデオカメラで、米国などで人気を集める「Flip Video」などに近いコンセプトの製品となる。撮像素子に800万画素のCMOSを採用し、4倍のデジタルズーム機能も搭載。最大3,264×2,448ドットの静止画記録も可能となっている。

 動画記録モードは1080p(1,440×1,080/30fps)/720p(1,280×720/60fps)/VGA(640×480/60fps)/QVGA(320×240/60fps)を用意。電子式の手ぶれ補正機能も備えている。ボディカラーはBlack Ice、Blue Steel、Purple Passionの3色を用意している。

 記録メディアはSD/SDHCカード(別売)。PCとの連携用ソフトウェアも備えており、撮影した映像を簡単にYouTubeなどのアップロードする機能も装備している。2型の液晶モニターも装備する。HDMI出力端子やAV出力、USB端子も装備する。バッテリを内蔵しており、連続撮影時間は約70分。外形寸法は、97×53×16.3mm(縦×横×厚み)、重量は約100g。


2型液晶で確認しながら撮影できるHDMI出力も装備するBlackIceなどカラーバリエーションを用意

(2009年 9月 5日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]