JVA、'09年上半期のビデオソフト売上を発表。BDは6.6%

-前年同期比で1割減。BDは4倍近い伸びを記録


統計調査委員会の木村康詩委員長

9月8日発表


 社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は8日、2009年上半期(1~6月)のビデオソフト売上に関する統計調査を発表した。上半期のビデオソフト総売上は1,277億3,100万円で、前年同期比90.3%と約1割減という結果となった。

 売上金額のうち、メディア別の構成比はDVDビデオが93.1%、ビデオカセットが0.1%、Blu-ray(以下BD)が6.6%、UMDが0.2%。

 今期の統計から、HD DVDを調査の対象外とし、BDビデオおよびビデオソフト全体の前期比、前年同期比の算出には、当該期のHD DVDの実績を除いた数値で計算している。


■ DVDは「日本のTVドラマ」が好調

 DVDビデオの売上金額は前年比85.6%の1,189億4,200万円で、約15%の落ち込みとなった。流通チャネル別にみると、売上構成比は販売用が62.1%、レンタル店用が37.8%、業務用が0.1%。

 販売用の売上額は前年同期比82.2%の739億900万円、レンタル店用については同92.4%の449億2,900万円、業務用が同22.6%の1億400万円で、それぞれの流通チャネルにおいて、前年同期を下回る結果となった。

 販売用DVDの売上金額をジャンル別に見ると、1位は構成比30.4%を占める「日本のアニメーション(一般向け)」で、売上額は前年同期比91.2%の224億4,700万円。2位は構成比19.9%の「音楽(邦楽)」で、売上額は同91.5%の147億2,700万円と、シェア1位、2位のジャンルが、前年同期を割り込んだ。

 販売用で好調だったジャンルは「日本のTVドラマ」で、前年同期比113.6%(71億5,200万円)の2桁伸長となり、構成比も9.7%でシェア第3位に上昇した。第4位は構成比8.3%の「邦画(TVドラマを除く)」で、前年同期比73%(60億9,500万円)。5位は構成比7.4%の「洋画(TVドラマ除く)」で、前年同期比は半減の47.3%(54億7,400万円)まで落ち込んだ。

 販売用DVDの数量では、1位は構成比24.1%の「日本のアニメーション(一般向け)」となった。2位は構成比20.1%の「洋画(TVドラマ除く)」で、売上金額の落ち込みを考えると、「単価の低下が目立つ」としている。なお、金額を数量で割った同ジャンルの平均単価は1,189円。金額3位の「日本のTVドラマ」は、数量では構成比4%の7位で、「洋画」とは反対に単価の高さ(平均単価7,816円)が目立った。

 DVDビデオのレンタル用売上額をジャンル別で見ると、「洋画(TVドラマ除く)」が前年同期比78.2%、「日本のアニメーション(一般向け)」が同88.1%、「アジアのTVドラマ」が同86.4%と前年同期を下回り、「海外のTVドラマ」が同101.8%、「邦画(TVドラマを除く)」が同104.2%、「日本のTVドラマ」が同126%と前年同期を上回った。構成比はシェア23.3%で「洋画」、次いで19%の「日本のアニメ」、15.9%の「海外TVドラマ」と続いている。


■ BDは前年同期比で4倍近い伸び。ソフト全体で金額が6.6%、数量が4.5%

JVA 管理部次長兼広報課長の上田直子氏

 BDの売上金額は84億4,300万円で、前年同期比386.8%と4倍近い伸びを記録した。同統計の報告社数も前年同期の17社から、今期は30社に増加。統計調査の結果報告を行なったJVAの上田氏は「BDの取り扱いが各社増えてきている」と説明した。今期のBD新作数は同335.3%の580本となっている。

 数量は前年同期比312%の174万4,105枚。ソフト全体に占める割合は金額ベースで6.6%、数量ベースで4.5%。流通チャネル別にみると、売上金額の構成比は販売用が91.8%(77億5,200万円)、レンタル店用が8.1%(6億8,500万円)。

 BDのジャンル別売上では、販売用は「日本のアニメーション(一般向け)」が構成比56.6%で1位。2位は「洋画(TVドラマ除く)」で同23.8%。この2つにジャンルで、全体の8割以上を占める結果となった。レンタル用においては、洋画が同44.8%で1位。2位は日本のアニメーションで同32.7%となっている。

 UMDの売上金額は前年同期比173.6%の2億5,000万円、ビデオカセットの売上金額は同64.4%の9,600万円。出荷金額を出荷数量で割った平均単価では、DVDビデオの販売用は前年同期比96.4%の3,223円で若干下回った。BDの販売用は同119.5%の4,957円で、約2割の伸びを見せている。UMDは1,372円(同95.6%)、ビデオカセットは6,273円(同155.8%)。


■ BD好調も「全体の売上を押し上げるまでには至っていない」

 統計委員会の木村委員長は、今期のビデオソフト売上が前年同期比で1割減となった結果を踏まえ、「“残念ながら”という結果となった。原因として、DVDビデオ市場が成熟期に入ったことと、個人消費の冷え込みにより売上が伸びなかった」と説明。

 また、BDについては「前年同期比で386.8%と4倍近い伸長をみせているものの、金額では84億4,300万円と、まだビデオソフト全体の売上を押し上げるまでには至っていない」と分析した。

 木村委員長は下半期に向け、「劔岳」や「ハリーポッター」、「トランスフォーマー」、「ROOKIES(ルーキーズ)」などの作品を挙げ、「幸い呼び水になるような大きなタイトルも出てくるので、前向きな気持ちで下半期を乗り越えたい」と述べた。


(2009年 9月 8日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]