ソフトバンク、「943SH」などケータイ'09年冬~'10年春モデル

-無線LAN拡充。4型液晶やWワンセグ、春にAndroid投入


孫正義社長

11月10日発表

 ソフトバンクモバイル株式会社は10日、携帯電話の2009年冬から2010年春にかけて発売を予定している新商品22機種を発表した。新製品のうち、ワンセグを搭載するのは10モデル。ワンセグは備えていないが、Windows Mobile 6.5を採用したスマートフォンも2機種ラインナップしている。 

型番発売日メーカーメインディスプレイWi-Fi特徴外形寸法
(縦×横×厚さ)
重量
940SH11月中旬以降シャープ3.4型液晶
480×854ドット
・1,210万画素
 デジカメ
・レコーダ連携
・Bluetooth
・動画10MB対応
約111×51
×16mm
約130g
941SH11月下旬以降シャープ4型液晶
480×1,024ドット
・ハーフXGA
 高精細画面
・レコーダ連携
・Bluetooth
・動画10MB対応
約119×53
×16.6mm
約130g
943SH'10年3月以降シャープ3.4型液晶
480×854ドット
・ダブルワンセグ
・レコーダ連携
・Bluetooth
・動画10MB対応
約112×51
×18.6mm
測定中
941P'10年2月以降パナソニック3.3型液晶
480×854ドット
・タッチパッド
・Bluetooth
・動画10MB対応
約111×50
×18.4mm
約135g
940N12月中旬以降NEC3.2型液晶
480×854ドット
・Bluetooth
・動画10MB対応
約109×50
×13.9mm
約114g
942SH'10年2月以降シャープ3.4型液晶
480×854ドット
・レコーダ連携
・Bluetooth
・動画10MB対応
約110×50
×17.2mm
測定中
942SH KT'10年3月以降シャープ3.4型液晶
480×854ドット
・942SHの
 キティケータイ版
・レコーダ連携
・Bluetooth
・動画10MB対応
約110×50
×17.2mm
測定中
940P12月下旬以降パナソニック3.1型液晶
480×854ドット
・スピードセレクタ
・Bluetooth
・動画10MB対応
約112×50
×18.8mm
約149g
841P'10年2月以降パナソニック3型液晶
240×427ドット
・スタンダード機能
 を低価格で
測定中測定中
940SC11月下旬以降サムスン3.5型有機EL
480×800ドット
・有機EL
・背面スタンド
・動画10MB対応
約115.9×57
×13.5mm
約143g
スマートフォン
(ワンセグ非対応)
X01SC12月中旬以降サムスン2.4型有機EL
240×320ドット
・有機EL
・Windows Mobile
 6.5対応
・QWERTYキー搭載
・Bluetooth
約111.9×59.7
×12.6mm
約103.9g
X02T12月中旬以降東芝4.1型液晶
480×800ドット
・1GHz CPU搭載
・Windows Mobile
 6.5対応
・Bluetooth
約130×70
×9.9mm
約129g

 ワンセグ対応モデルはミュージックプレーヤー機能も備えており、HSDPAにも対応。従来3~5MBだったダウンロード動画配信の容量を最大10MBまで拡大した、「ハイスペック動画機能」には、「841P」以外のモデルが全て対応している。

 AV機能を充実させているのはAQUOSケータイ「943SH」で、ワンセグチューナを2基搭載。2番組同時視聴や、同時録画、裏番組録画などが可能。また、「943SH」、「941SH」など、シャープ製の900番台の端末はAQUOSのBlu-rayレコーダの対応機と接続し、録画番組を携帯電話のmicro SD/SDHCカードに書き出せる。

AQUOSケータイ「943SH」AQUOSのBlu-rayレコーダから、録画番組を転送っできる

 対応するレコーダはBD-HDW50、HDW45、HDW43、HDW40、HDW35、HDW32。書き出す動画の解像度は640×360ドットと320×180ドットから選択できる。 

 また、2010年春にAndroidを搭載した端末をリリースする事も発表。詳細は未発表だが、1GHzのスナップドラゴンCPUを搭載。3.7型有機ELを搭載する「最も高機能なAndroidケータイになる」(孫社長)と予告した。

 スマートフォンの「X01SC」はサムスン製で、QWERTYキーボードを搭載しながら、薄さ59.7mm、重さ103.9gのコンパクト筐体を実現。東芝製「X02T」は1GHz CPU(クアルコムスナップドラゴン)を搭載。Webの閲覧や動画、静止画、音楽などの重いデータも快適に扱えるという。



 新モデルに共通する特徴として、最大54Mbpsの無線LANをサポートした機種が増加した。同社は5月に同様のサービスを「ケータイ無線LAN」として発表していたが、サービスの本格開始を機に名称を「ケータイWi-Fi」と改めた。3Gよりも高速な通信を活かし、「Yahoo! 動画」や「ニコニコ動画 モバイル」といった、動画配信サービスが快適に楽しめ、「YouTube」や「Gyao!」にも対応。専用のポータルサイト「ケータイ Wi-Fiチャンネル」を新設し、そこから手軽に各サービスにアクセスできるという。対応機種は940SH、931N、941SH、940N、941P、943SH。

ケータイWi-Fiの主なサービス一覧ケータイ試写会では、当選すると公開前の映画本編が鑑賞できるYouTubeやGyao! にも対応する

 既に携帯電話向けにストリーミング配信サービスを実施している「ニコニコ動画 モバイル」(プレミアム会員:月額525円/通常会員:無料)は、「ケータイWi-Fi」対応機種向けに、より高品質な動画の配信を対応端末が発売される11月中旬から開始する。従来はアップロードされている動画を、「ニコニコ動画 モバイル」用として、秒間1~2コマのフレームレートで、ビットレートも80kbps程度のファイルに変換していたが、「ケータイWi-Fi」向け動画は秒10フレーム、ビットレートも340kbps程度に向上。「流れるコメントが、より滑らかに表示できる」という。非対応端末では従来仕様の「ニコニコ動画 モバイル」を引き続き提供。Wi-Fi対応のファイルは順次変換/拡充させていくという。

ケータイWi-Fiのトップページにアクセスしたところ。ここから各種動画配信サービスなどにアクセスできるサービスによって仕様は異なるが、大容量、高画質な動画ファイルがストリーミング再生、もしくはダウンロード再生できるニコニコ動画 モバイルのケータイWi-Fi向けコンテンツを再生しているところ。以前は紙芝居のようにカクついていたが、文字もかなり滑らかにスクロールするようになった

 「Yahoo! 動画」(無料)も、従来携帯での視聴では192kbpsの映像が配信されていたが、「ケータイWi-Fi」では786kbpsのより高画質な動画を提供。音楽、ドラマ、アイドル関係の動画を1万本用意しており、「ケータイWi-Fi」のサービス開始時点で786kbpsの動画は約5,000タイトル用意する予定。

 「ケータイ試写会」は、劇場公開前の映画を全編視聴できるサービス。観たい映画を選び「応募ボタン」を押すと抽選の結果が表示され、当選すると映画が楽しめるというもの。利用料は無料で、第1弾としてアニメ「東のエデン 劇場版I/The King of Eden」(11月28日公開)、「オーシャンズ」('10年1月22日公開)を配信予定。

 ほかにも、ビー・ビー・ケーブル「てのひら動画」で提供中の映画やアニメなどが、VOD視聴できる「電子レンタルビデオ」サービス(月額315円からのポイント制)、よしもと芸人達のお笑いトークを365日ライブ配信する「よしもとオンライン」(無料)など、様々な動画系サービスが用意される。

 動画以外にも、産経新聞をまるごと読むことができるサービスや、雑誌の有料配信を行なっている「MAGASTORE」のサービスにも対応。無線LANを使うことで、新聞や雑誌の全ページも素早く受信できるという。

産経新聞をまるごと無料配信するサービスもiPhone向けにも同様のアプリケーションが用意されているが、941SHの高精細な画面でよりくっきり文字を読むことができる雑誌もまるごと配信される。こちらは有料サービス

 「ケータイ Wi-Fi」利用時のパケット通信料は無料だが、利用するためにはの「Wi-Fiバリューパック」に加入しなければならない。パックの内容にはケータイWi-Fi使用料の月額490円と、一律4,410円の専用パケット定額プランが含まれている。さらに、加入すると、屋外に設置されたソフトバンクのWi-Fiスポットも利用可能。なお、2010年12月末までに加入した場合、月額490円のWi-Fi料金は無料となり、2010年12月末以降もずっと無料になる。12月末以降に加入する場合は月額490円が必要。

 また、サービス開始の2009年11月中旬以降~2010年1月31日までに加入すると、本体価格が4,800円値引きされる「Come On! Wi-Fiキャンペーン」なども実施される。

孫正義社長
 孫正義社長は3Gよりも高速な無線LANを用いることで、PC向けサイトのブラウジングや動画配信サービスがより快適に、高品位になる魅力を語り、「将来、Wi-Fiが付いていない携帯は携帯ではないと言われる時代が来るだろう。我々は日本のインターネットスピードが高価で低速な時に、安価かつ高速なブロードバンドを普及させたいと思いYahoo! BBをスタートさせたブロードバンドカンパニーだ。だからこそ携帯にも真っ先に、他社よりも多くの機種にWi-Fiを搭載する。“ソフトバンクが戦陣を切った”と後々言われるようになるだろう」と、無線LANが携帯電話の必須機能となる未来像を語る。

 さらに、「普段我々は鼻で息をしているが、これを3Gだとすると、Wi-Fiは激しい運動の後に、口を開けて一気に空気を吸い込むようなもの。Wi-Fiが(携帯電話に)付いていないと、“息苦しい”時代が来るだろう」と、独自の表現で通信速度の差を表現し、会場の笑いを誘った。

 しかし、無線LAN機能が利用できる場所は3Gに比べて限られている。孫社長はこれについて「携帯を使っている時間の内、約半分の時間は(無線LANが使える)家で使っているというデータがある。ほかにも会社、そして最近は一部の電車の中でも利用できるようになってきた。将来的に8割くらいの場面で、Wi-Fiが利用できるようになるだろう」と語る。

 加えて、Wi-Fiスポットの拡充にも触れ「現在BBモバイルポイントのサービスを提供している場所ではケータイWi-Fiも利用できるようにする。そして今後もスポットは順次拡大していく」とした。


■ ホワイト家に新たな仲間が参加

 発表会には、同社CMでお馴染み、白戸(ホワイト)家の面々も参加。デジカメの100枚連写機能を備えた「940SH」の魅力を紹介する場面で登場した上戸彩さんは、ゴルフのスイングを披露。それを940SHで撮影してもらい、スイングフォームのチェックを行なった。

同社CMでもお馴染み、上戸彩さんも発表会に参加ゴルフのスイングモデルを担当。高速連写で撮影孫社長と、撮影した静止画の連続表示でスイングフォームをチェック

 さらに、新CMの情報も公開。白戸家の新しい家族として、“タラちゃん”が加入するという。報道陣の多くが可愛い男の子を想像する中、発表されたのはなんとクエンティン・タランティーノ監督。タランティーノ監督は“タラおじさん”として白戸家にやってくるそうで、会場では新CMの撮影風景も上映。袴姿のタラおじさんが、何故かテンションの高いアクションを披露していた。

 ステージには上戸さんに加え、お兄ちゃん役のダンテ・カーヴァーさんも登場。上戸さんによると、タランティーノ監督のセリフや動きはほぼアドリブだそうで、撮影現場は笑いが絶えない状態だったという。そんな監督と、他の出演者の通訳を買って出たのはダンテ・カーヴァーさん。CMに出演した当初は日本語がよくわからず、マネージャーに通訳してもらっていたというダンテ・カーヴァーさんも、今では自分が通訳できるほどに日本語が上達。上戸さんに「あのお兄ちゃんが……と、感動しました」と褒められたが、続いて孫社長に「君、英語話せたんだ」と言われ、場内は笑いに包まれた。

ダンテ・カーヴァーさんも登場新しい家族のタラおじさんは、なんとタランティーノ監督
孫社長と共に新しいお父さんグッズも公開。スピーカーを内蔵している


(2009年 11月 10日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]