カシオ、世界初の水銀フリーを実現したデータプロジェクタ

-レーザー&LEDを使った新光源。薄さ43mmで3,000ルーメン


グリーン スリム プロジェクター

1月29日より順次発売

標準価格:155,400~333,900円

2010 International CESのプレス向けカンファレンスで発表された
 カシオ計算機は、「クリーン&グリーン」をコンセプトに、水銀フリーで高輝度の投映を可能にするレーザーとLEDのハイブリッド光源を開発。同光源を採用したデータプロジェクタ「グリーン スリム プロジェクター」7機種を1月29日から順次発売する。

 各モデルの機能差と発売時期、価格は下表の通り。7機種合計で年間生産台数20万台となっている。


機種名表示解像度輝度USB
ホスト機能
ワイヤレス
通信
発売時期価格
XJ-A2551,280×800ドット3,000ルーメン2月中旬333,900円
XJ-A2501月29日302,400円
XJ-A1551,024×768ドット2月中旬291,900円
XJ-A1501月29日260,400円
XJ-A1452,500ルーメン2月中旬218,400円
XJ-A1401月29日186,900円
XJ-A1302,000ルーメン1月29日155,400円

XJ-A155
 現在、2,000ルーメン以上の高輝度なデータプロジェクタには、光源として高圧水銀ランプが使われている。一方、環境に悪影響を及ぼす水銀を含まないLEDやレーザーなどの半導体光源は、次世代のプロジェクション光源として有望視されているが、緑色の高出力光源が量産化されておらず、現時点では低輝度の小型プロジェクタ用光源として使用されるに留まっている。

 そこでカシオでは、レーザーと蛍光体、LEDを組み合わせることで、水銀フリーながら高輝度を実現するという、独自のハイブリッド光源を開発。青色レーザー光を蛍光体で緑色に高効率変換することで、従来の半導体光源では困難だった緑色光の高出力化を実現している。

 この青色レーザー光を蛍光体で緑色に変換した光と、そのままの青色レーザー光、赤色LEDの光を、DLPチップを使ってスクリーンに投写。2,000ルーメン以上の高輝度化を可能にしている。

 DLPの解像度はWXGA(1,280×800ドット)のモデルと、XGA(1,024×768ドット)のモデルを用意。WXGAモデルは3,000ルーメン、XGAモデルは2,000ルーメン、2,500ルーメン、3,000ルーメンのラインナップを備えている。コントラスト比は1,800:1で共通。

  ハイブリッド光源は寿命も約2万時間と長く、高圧水銀ランプを搭載した従来機(XJ-S58等)と比べ、約10倍の長寿命を実現。メンテナンス性の向上とランニングコストの削減を実現しているほか、水銀ランプに比べて輝度劣化も緩やかだという。また、色純度も大きく向上しているという。

 筐体サイズは全機種共通で、297×210×43mm(幅×奥行き×高さ)と薄型。重量も2.3kgと軽く、「書類と一緒に持ち歩いてもかさばらない」(カシオ)としている。レンズはマニュアルフォーカスで、光学2倍。縦方向の歪みを自動補正する機能も備えている。投写画面サイズはXJ-A255/A250が18型~300型で、60型の投写距離は1.4~2.8m。XJ-A155/A150/A145/A140/A130は15型~300型で、60型の投写距離は1.7~3.4m。

 1080pまで対応するHDMI入力や、D-Sub 15ピン(コンポーネント兼用)入力、モノラルスピーカーなどを搭載。無線LAN機能に対応したモデルもあり、PCからのワイヤレスプレゼンテーションも可能。USB端子を備え、USBメモリに収録したデータや静止画、動画をPCレスで投写する事も可能。


(2010年 1月 7日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]