ソニー、Cell搭載の3D映像制作向けイメージプロセッサ

-2台のカメラで3D撮影する際の映像のずれを調整


MPE-200

3月15日発売

標準価格:262万5,000円


 ソニーは、Cellを搭載し、3D映像の撮影と制作の効率化を図るマルチイメージプロセッサ「MPE-200」を3月15日より発売する。価格は262万5,000円。同プロセッサを制御するためのWindows用ソフトウェア「MPES-3D01」も同日に発売し、価格は156万4,500円。対応OSはWindows Vista/7。

 「MPE-200」は、3D映像を2台のカメラで撮影する際に生じる映像の“ずれ”を調整するマルチイメージプロセッサ。「MPES-3D01」により一台のPCから、複数台の「MPE-200」をコントロールすることができる。

 通常、3D映像の撮影には、2台のカメラとカメラを固定するカメラリグを利用し、左目用と右目用の映像をそれぞれ同時に撮影する。MPE-200では、メディアプロセッサのCell Broadband Engineを搭載し、2台のカメラで3D映像を撮影する際に生じる、カメラ間の色味のずれや、光軸、位置、回転方向などのわずかなずれを、高速演算で解析して表示できるため、簡単に補正が行えるという。

 また、輻輳角による視差のずれの補正にも対応。左右の映像に起こる、視線を合わせる位置(3D映像の深度)のずれを補正できるという。台系歪みの補正にも対応している。

 このため、従来は映像を目視で確認しながら行なっていた2台のカメラ間の調整が容易になり、カメラの設定時間を短縮できるという。また、左右の画像のわずかなずれは、画像処理で微調整もできるため、ずれの少ない見やすい3D映像を撮影でき、撮影後の補正もサポートするという。また、サイドバイサイドやトップアンドボトムなど、さまざまな伝送方式に変換し、左右の映像を一つの信号として出力できる。

 プロセッサは、Cell(動作クロック3.2GHz)を1基内蔵するほか、GPUにRSX、GPUメモリを256MB内蔵。メモリはシステム用が1GB(XDR)、サブメモリも1GB(DDR-333)を、HDDは160GBを搭載している。

 外部接続端子は、入力がHD-SDI(BNC×4)とREF IN(BNC×1)、出力がHD-SDI(BNC×4)。EthernetやUSB×2、RS-232Cなどの端子も装備する。外形寸法は440×490×88mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約11.5kg。


(2010年 3月 10日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]