サイバーリンク、3D動画再生に対応した「PowerDVD 10」
-DVDを2D-3D変換。Blu-ray 3Dにもアップデート対応予定
サイバーリンクは、Blu-rayにも対応する動画再生ソフト「PowerDVD 10」のダウンロード版を3月24日より発売する。Blu-ray 3D対応予定の「Ultra」など3バージョンを用意し、価格は下表の通り。対応OSはWindows XP/Vista/7。なお、同社サイトとベクターの販売ページでは、「Ultra」が10%オフとなる先行販売も3月15日より実施する。
パッケージ版の発売は未定で、改めて同社から発表される。
バージョン | Blu-ray再生 | 3D動画再生 | 通常版価格 | アップグレード版価格 |
PowerDVD 10 Ultra | ○ | DVDの2D→3D変換 Blu-ray 3D対応予定 | 11,800円 | 8,800円 |
PowerDVD 10 Deluxe | - | DVDの2D→3D変換 | 9,800円 | 6,800円 |
PowerDVD 10 Standard | - | - | 4,900円 | - |
■ 上位バージョンは3D動画再生に対応。Blu-ray 3Dも対応予定
「Ultra」と「Deluxe」の2つは、新機能として動画の3D再生に対応。2DのDVDを再生する際に、2Dから3Dにリアルタイムで変換しながら再生可能な「TrueTheater 3D」を搭載した。別途3D対応ディスプレイとビデオカード、3Dメガネを用意することで視聴できる。
主な新機能 |
「Ultra」においては、Blu-ray 3Dなどの3D方式に対応する「Mark II」にアップデートする予定。アップデート時期は未定だが、「3D対応のBlu-ray Discビデオタイトル発売に合わせて秋以降に無償公開予定」としている。このアップデートではフレームシーケンシャル方式でエンコードされた映像のほかに、放送などで使われるサイドバイサイドやトップアンドボトム、チェッカーボード(チェス盤のような格子状の映像を左右分、交互に見せる方式)にも対応予定。なお、Blu-ray 3D視聴時の要求スペックは後述する。
視聴方法についても、パナソニック/ソニーのテレビやNVIDIAの3D Visionなどで採用されているアクティブシャッターメガネのほかに、ポラライズド(パッシブ/偏光メガネ)や、アナグリフ(赤青メガネ)の各方式もサポート予定で、対応テレビ/ディスプレイを使って視聴できるようになるという。
そのほか、Mark IIへのアップデート時に、ビデオファイルの2D→3Dリアルタイム変換にもUltraとDeluxeにおいて対応予定としている。
様々な3Dフォーマットに対応予定 | 今後リリースされるMark IIでのアップデート内容 | Blu-ray 3D再生時の制限事項(発表時点のもの) |
なお、Blu-ray 3D再生を行なう場合は、高いハードウェアスペックが必要。ソフトウェアのみでデコードする場合は、IntelのCorei5/i7クラスのクアッドコアCPUを推奨している。
NVIDIAのGPUを使ったハードウェアアクセラレーションを利用するためには、GT21xまたはGF100のVP4以降のGPU(96基以上のピクセルシェーダコア)が必要で、要求GPUとしては、GeForce 240GT以上のVP4世代GPUを挙げている。また、IntelのH.264 MVCハードウェアアクセラレーション利用時は、Intel H55/H57チップセットと、GPU内蔵Core i5以上を採用したPCが必要となる。
NVIDIAの3D Visionなど、120Hz駆動ディスプレイとアクティブシャッター方式の3Dメガネを使用する場合、ディスプレイは、Dual Link HDCP対応であることが必須となる。
また、BDドライブは、AACS付きBD-ROM再生時に2倍速以上で読み込める製品が必要。なお、現在市販されている製品のスペックは2倍速以上が多いが、AACS付きディスクの再生時にはファームで速度が制限される製品もあるため、使用するドライブのファームにも注意が必要だ。
TrueTheater 3Dの設定(使用ディスプレイの変更) | 3Dの奥行きの深さも設定できる | 既発売のNVIDIA 3D Vision対応トランスミッタ/メガネなどが利用可能 |
■ 手ブレ補正やアップコンバートなどの高画質化機能
そのほかの改善点としては、CPU/GPUへの最適化を進めており、Intel/NVIDIA/ATIの最新グラフィックチップセットをサポート。PinP(子画面表示)などのスムーズな再生も可能としている。
また、HDMI音声のパススルーに対応し、Blu-ray再生時にDTS-HD Master AudioやドルビーTrueHDの音声をAVアンプなどにスルー出力できる。
新たに搭載した「TrueTheater Noise Reduction」により、ビデオファイルのノイズを軽減。ビデオカメラでの撮影時に起きた手ブレやノイズを緩和する「TrueTheater Stabilizer」も搭載する。従来バージョンと同様に、SD映像をHD画質にアップコンバートする「TrueTheater HD」を搭載しており、GPUアクセラレーションへの最適化も行なわれている。また、Ultra/Deluxeでは2D-3D変換後のDVD映像をアップコンバートすることもできる。
そのほか共通の高画質化/高音質化機能として、フレーム数を増やして滑らかな再生を行なう「TrueTheater Motion」や、映像の明るさを補正する「TrueTheater Lighting」、バーチャルサラウンド機能「TrueTheater Surround」も利用可能。
TrueTheaterの高画質化機能。左から「TrueTheater Noise Reduction」、「TrueTheater Stabilizer」、「TrueTheater HD」 |
再生フォーマットでは、新たに QuickTime、 MOV、 RM、 RMVB、 FLV、 MKV、3GPのファイルをサポート。字幕ファイルとしてSMI、 ASS、 SSA、 PSB、 SRT、SUBの各ファイルに対応する。
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Windows 7向けの機能として、PowerDVD 10の「ファンシービューモード」でWindowsのタッチ機能を使った操作に対応。そのほか、最新ネットブックで採用されている消費電力モード「Ambient Light」に対応している。
(2010年 3月 15日)
[AV Watch編集部 中林暁]