デノン、SACD/プリメインの中級機をモデルチェンジ

-iPodデジタル入力対応SACDプレーヤーなど「1500SE」


DCD-1500SE

5月中旬発売

標準価格:各94,500円


 デノンコンシューマーマーケティングは、ミドルクラスのSACD/CDプレーヤー「DCD-1500SE」とプリメインアンプ「PMA-1500SE」を5月中旬より発売する。価格はともに94,500円。カラーはいずれもプレミアムシルバー(SP)。



■ DCD-1500SE

 SACDと音楽CDの再生に対応したプレーヤー。SACDはステレオまでで、マルチチャンネル音声はダウンミックスされる。上位機種DSD-SXと同等の「Advanced AL 32 Processor」をこのクラスで初搭載。独自のアルゴリズムによるデータ補間とアップサンプリングなどで高音質化している。

 ドライブ部は、高速回転時の振動を抑えるため、モーターをターンテーブル間近に配置。モーターシャフト長を短く設計した高寿命のブラシレスモーターを搭載する。ローダーには、異種素材を組み合わせたハイブリッド構造「S.V.H.」(Suppress Vibration Hybrid)を採用している。また、ドライブ部は従来機種に比べシャーシへの取り付け位置を下げ、低重心化。防振性能を向上させている。

 DACは32bit/192kHz対応で、チャンネルごとに差動出力で伝送している。DACをマスタークロックとして利用する機能も内蔵する。クロックの生成には発振回路モジュールを使用している。

 iPodやUSBメモリ内の楽曲を再生できるUSB端子を装備。iPod(第5世代以降)からデジタル信号のままで入力し、DCD-1500SEのAdvanced AL 32 ProcessorやDACを経由することで高音質再生を可能とした。ディスプレイにファイル名などの表示も可能。ただし、ファイル名の日本語表示には対応しない。接続したiPodの充電も行なえる。

 デジタル系とアナログ系の電源ブロックを独立させ、トランスの巻線から分離。互いの干渉を抑えている。信号経路はシンプル&ストレート化を徹底し、信号劣化を防いでいる。サーボ系のデジタル信号処理はメカユニットの真下に配置して経路を短くしたことでSNなどの特性が向上したという。アナログ系の電源ブロックはアナログ信号基板の直近に配置し、低インピーダンス化している。

本体内部背面
 再生周波数帯域は2Hz~100kHz(SACD)/2Hz~20kHz(CD)、SN比は117dB(SACD/CD)、ダイナミックレンジは113dB(SACD)/100dB(CD)。ディスプレイやデジタル出力をOFFする「Pure Directモード」も搭載する。

 出力端子はアナログ音声(RCA)と光、同軸デジタルを各1系統装備。消費電力は30W(待機時0.2W)で、スタンバイ時の消費電力を0.1Wにするエコモードも採用している。外形寸法は434×331×135mm(幅×奥行き×高さ)、重量は8kg。後述のPMA-1500SEなどSEシリーズを操作可能なリモコン「RC-1143」が付属する。



■ PMA-1500SE

 出力段には、高いスピーカードライブ能力と微小信号の両立を図ったUHC(Ultra High Current)-MOSシングルプッシュプル回路を搭載するプリメインアンプ。従来モデルに比べ、低重心化とよりダイレクトな接地構造を追求。また、上級機であるPMA-2000SEと同じ大型ボリュームを採用したことも特徴。出力は定格70W×2ch(8Ω)、最大140W×2ch(4Ω)。

PMA-1500SE

 振動ノイズを抑えるため、パワーアンプ回路基板の取り付け位置を下げるなどして低重心化。パワーアンプブロックはL/R対称のツインモノ構成で、回路間の干渉やノイズの流入を防いでいる。

 従来モデルに比べ1.5倍の電流容量を持つショットキーバリアダイオードと高音質カスタムブロック電解コンデンサで電源回路を構成。電源回路とパワーアンプの基板には従来比2倍の厚さの銅箔パターンを採用し、低インピーダンス化を図っている。2つのトランスを互い違いの向きに配置して漏洩磁束を低減する「L.C.マウント・ツイン・トランス」も採用ししている。

 PMA-2000SEと同じ大型のモータードライブボリュームを搭載。高いオーディオ特性を持つという抵抗体と、接触面積が大きく安定した抵抗値を得られるブラシにより、UHC-MOSシングルプッシュプル回路の再生能力をフルに発揮するとしている。

 ボリューム回路、パワーアンプ回路それぞれを見直したことで、実使用時の再生周波数の上限を100kHzまで確保。SACDなど高品位信号のワイドレンジ再生を実現している。フォノイコライザはMM/MC対応で、電源もフォノイコライザ用に安定化を図っている。そのほか、信号経路のシンプル&ストレート化も徹底。増幅段ではグラウンド回路に流入するノイズを抑え、電位の明確化を図っている。

 スピーカー端子はバナナプラグ対応/金メッキで、バイワイヤリング対応。消費電力は295Wで、待機時0.2W。スタンバイ時の消費電力を0.1Wにするエコモードも採用している。外形寸法は434×410×134mm(幅×奥行き×高さ)、重量は15.5kg。SEシリーズの操作が可能なリモコン「RC-1143」が付属する。

本体内部背面


(2010年 4月 1日)

[AV Watch編集部 中林暁]