iTunesで不正活動をブロックする新システムを導入
-消費者庁の追加質問に回答。不正課金は0.1%未満
消費者庁は4月6日、「iTunes Storeから心当たりのない利用についての請求を受けた」という消費者からの問い合わせについて、運営するiTunes株式会社に送付した追加質問状について、iTunesからの回答を公開した。
2009年4月以降、iTunes Storeにおける心当たりのない利用料金請求についての相談が消費者庁に43件寄せられ、特に昨秋以降増加。中には高額な請求も含まれていた問題に関連し、消費者庁は2月17日に5項目の質問状をiTunesに手渡ししていた。
iTunesから3月2日付で回答があったが、消費者庁ではさらに詳細な情報が必要だとして、3月4日付で回答期限を3月12日とした、iTunesに追加質問状を送付していた。これに対して今回、iTunesから4月5日付で回答があった。
iTunesでは、過去6カ月の照会データを調査した結果、不正請求に関わる要請の数が急増しているレベルにはないという判断に至ったと説明。この調査対象期間を超えても、クレーム件数の平均は月あたり15~20件で、他の地域と比較しても著しく少ないとしている。
また、同社の調査チームでは、アカウントの不正使用および不正請求について調査を行なっており、これまでの分析の結果、60%は盗まれたクレジットカードで作成された新アカウントによるもの、40%は既存アカウントが不正使用または不正アクセスされたものと説明。不正行為の問題については、大手クレジットカード会社などと討議を重ねており、カード詐欺や既存アカウントの不正使用はiTunesに限って発生しているものではないとしている。
また、iTunesギフトカードの購入プロセスに導入されている、不正行為と思われる活動をブロックする新システムを、iTunes Store上にも導入予定としている。iTunesギフトカードでは、このシステムの導入で、不正行為のレベルが、顕著に、直ちに、継続的に減少することが確認できたと説明。システム導入のプロセスは3月31日より開始しており、現在は結果の分析およびルールの構成を行なっている段階だとしている。
クレジットカード会社に対する返金については、2009年10月~2010年3月の間に生じた、見に覚えの無い請求に関する申し立てについて、返金に関わる請求紛争はすべて受け付けており、詳細な内容については機密事項とした上で、不正課金が発生した取引の割合は取引金額全体の0.1%未満だとしている。
同社ではサポートの品質について、「お客様がいかに効果的に問題を解決できるかという基準で評価されると信じている」とし、「電話サポートは選択肢の一つでありますが、iTunesの利用者はインターネット接続環境にあることを前提とするなら、必ずしも最良の方法とはいいきれないのではないかと考えている」とサポート体制を説明している。
また消費者庁に対し、「質疑応答を通じ、iTunesは日本のお客様をサポートするために可能な措置をすべて講じていることを確認していただくことを強く希望します」との要望で、回答書を結んでいる。
(2010年 4月 6日)
[AV Watch編集部 古川 敦]