シャープ、“4色革命”の「AQUOSクアトロン」を7月発売

-3D対応LV3シリーズやBDなど。'11年には4色を100%に


7月1日より順次発売

標準価格:オープンプライス


 シャープは、自社開発の4原色パネル「Quattron(クアトロン)」を採用した液晶テレビ「AQUOS」の3シリーズ10モデルを7月1日より順次発売する。3D対応のフラッグシップモデル「AQUOS LV3」と、2Dで直下型LEDを採用した「LX3」、エッジライトLED採用の薄型「XF3」の3シリーズを用意する。価格はいずれもオープンプライス。

 あわせて3D対応のBlu-rayレコーダ「AQUOSブルーレイ」や、ラックシアターシステム「AQUOSオーディオ」の新製品も発売される。

【AQUOS LV3/LX3】【AQUOS XF3】

型番サイズ3D特徴発売日店頭予想価格
LC-60LV360型Quattron(4原色)
直下型LED
スキャン倍速
Wチューナ
USB HDD録画
7月30日60万円前後
LC-52LV352型45万円前後
LC-46LV346型37万円前後
LC-40LV340型28万円前後
LC-60LX360型-Quattron(4原色)
直下型LED
スキャン倍速
Wチューナ
USB HDD録画
7月20日55万円前後
LC-52LX352型40万円前後
LC-46LX346型32万円前後
LC-40LX340型23万円前後
LC-52XF352型Quattron(4原色)
エッジ型LED
薄型デザイン
7月1日37万円前後
LC-46XF346型29万円前後

【AQUOSブルーレイ】

型番3DHDD発売日店頭予想価格
BD-HDW7002TB7月30日30万円前後
BD-HDW701TB20万円前後

【AQUOSオーディオ】

型番想定サイズ発売日店頭予想価格
AN-AR63052~60型7月30日13万円前後
AN-AR53046~52型10万円前後
AN-AR43040~40型9万円前後
付属3DメガネUSB録画に対応するLC-46LX3

 

LC-52LV3。2D-3D変換に対応
 新AQUOSは、いずれも4月に発表した4原色のUV2Aパネルを採用した液晶テレビで、解像度は1,920×1,080ドットのフルHD。4色パネルの愛称は「Quattron(クアトロン)」で、イタリア語の“4”と“電子(エレクトロン)”を組み合わせた造語となる。開口率の高さによる “明るさ”と、色再現範囲の広さの2点が大きな特徴となる。

 最上位LV3シリーズは、46~60型までの4モデルを用意し、3D表示に対応する。バックライトは直下型のLEDで、部分駆動技術は搭載しないが、スキャン倍速駆動により、残像感を大幅に低減する。

 3D視聴時には付属のアクティブシャッターメガネを採用。開口率の高いクアトロンを採用したため、3D表示時でも“明るい”という点が大きな特徴となる。加えて2D表示でも黄色やシアン領域の表示範囲が拡大されているため、既存のHDTVを大きく超える広い色域表現を実現できる。

会場の模様LV3シリーズXF3シリーズ

 

LC-60LV3明るさをアピール
 また、4つのサブピクセルから構成され、高画素化が図られた新パネルの特徴を生かし、よりなめらかな斜め線の表現を可能にした。加えて、映像分析して精細感を補正するピクセルコントロール技術により、鮮やかかつ精細感ある映像再現を可能としたという。

 地上/BS/110度CSデジタルチューナも搭載。USB端子も2系統装備しており別売のUSB HDDを追加することでデジタル放送録画にも対応する。

 LX3シリーズも40~60型までの4モデルをラインナップ。3Dに対応しないが、その他の主な仕様は共通。USB HDD録画にも対応する。XF3シリーズはエッジライトLEDを採用し、薄型化したボディデザインが特徴で、52型と42型の2モデルを用意。USB HDD録画には対応しない。

 また、Blu-ray Discレコーダも3D対応モデルとして2TB HDD搭載の「BD-HDW700」と「BD-HDW70」を追加。7月30日より発売する。AQUOSオーディオも3Dパススルー対応の新シアターラックが発売される。

 


■ クアトロンで映像革命。ワーナーと協力し、3D/4色をアピール

松本雅史副社長

 シャープ代表取締役副社長執行役員 AVシステム事業統轄の松本雅史氏は、高開口率を誇る液晶技術「UV2A」や、4原色などの同社が誇る液晶技術を紹介。「4原色を採用したAQUOSを『AQUOSクアトロン』と命名し、欧米では導入開始してきたが、7月から日本に導入。『クアトロンで映像革命を起こす』」とアピールした。

 RGB+Yの4色パネルの採用により、色再現性の拡大と、光利用効率の向上が図られたことによる、“明るく省エネ”という特徴を紹介。また、3D化のための技術として、FRED(Frame Rate Enhanced Driving)や、スキャンニングLEDバックライトなどを「オンリーワン技術」として紹介し、「これらの技術により、明るく、クロストークの少ない3D映像を実現する」と訴えた。

 今回発売の3シリーズについては、3D対応高画質/音質の「LV3」、高画質/高音質の「LX3」、薄型/スタイリッシュのXF3として紹介。LVシリーズの発売とともに、AQUOSブルーレイ、AQUOSオーディオも投入することを発表した。

 また、3D対応のAQUOSクアトロンを国内だけでなく海外に展開することも紹介。年内に米国、欧州、中国、新興国などで展開するという。周辺機器やメディア連携も強化。3D対応のレコーダやオーディオシステム、ヘッドフォン、デジカメとの連携を強化する方針。IrSS技術により、デジカメからワイヤレスで3D画像をAQUOSに伝送するなどの機能を紹介した。


AQUOSクアトロンをグローバル展開周辺機器連携を強化ワーナーと協力し、クアトロンをアピール

 パッケージメディアについては、ワーナー エンターテインメントジャパンと協力。AQUOSクアトロンの発売に合わせて、共同でデビューキャンペーンを7月1日から開始する。

ワーナーのジム・ウースリッチ氏からビデオメッセージ

 キャンペーン第1弾として、7月1日~8月31日までの間に、LX/XFシリーズを購入した人から、先着5万名にワーナー発売のBDタイトル4作品のなかから、1作品をプレゼントする。対象となるBDタイトルは、「シャーロック・ホームズ」、「かいじゅうたちのいるところ」(いずれもBD/DVDセット)、「ダークナイト」、「風と共に去りぬ」。

 第2弾は7月下旬から12月末まで展開。3D対応のLV3シリーズや、3D対応AQUOSブルーレイと、ワーナーが4月23日から劇場公開している3D映画「タイタンの戦い」と共同プロモーションを行なう。CMや店頭デモなどでもワーナーのタイトルを積極的に活用する方針。

 ワーナー・ホーム・ビデオ デジタル・ディストリビューションプレジデントのジム・ウースリッチ氏からのメッセージも紹介。同氏は「日本のナンバーワンテレビブランドであるシャープと共同で、AQUOSクアトロンを通して、ヒット作を提供できることをうれしく思う。『タイタンの戦い』の2D/3D版などいままでにないすばらしい画質を楽しんでほしい」と語った。

 クアトロンの今後の展開について、松本副社長は「2010年度に40型以上のAQUOSの30%をクアトロンに、2011年度は40型以上は全てクアトロンを採用していく」と宣言。3Dについては、2010年度が5~10%程度、2011年度は国内で50%程度を目指すという。

2011年度に40型以上のAQUOSを全てクアトロンに2011年度に国内の3D比率を50%に

 

AVシステム事業本部 中村本部長
 同社執行役員 AVシステム事業本部長の中村恒夫氏は、AQUOSクアトロンやAQUOSブルーレイの新機能を紹介。クアトロン技術の詳細を説明しながら「3Dも従来比で1.8倍明るい」と訴えた。

 さらに、USB HDD録画(LV3/LX3シリーズ)や無線LANアダプタ対応、XF3シリーズのデザインへのこだわりなどを説明するとともに、レコーダやシアターラック、ヘッドフォンなど、周辺機器を含めて“3D”を盛り上げていく方針を示した。

 「ソニーより若干高いのでは?」との指摘については、「テレビの表示方法を3原色から4原色に大きく変えた。ここで実現できる、色の違い、精細度の違いなどが、他社より競争力のある部分と考え、価格設定している。他社さんと戦える価格だと思っている」(AVシステム事業本部 液晶デジタルシステム 第1事業部長 喜多村和洋氏)と説明。なお、他社のBDプレーヤー/レコーダとの互換性については、「基本的には問題なく使える。ただし、AQUOS同士であればファミリンクIIに対応しており、より使いやすくなっている。進歩しているという点を訴えたい」(喜多村氏)とした。

レコーダのネットワーク対応も訴求USB HDDやUSB無線LANアダプタなどの周辺機器対応を強化

(2010年 5月 31日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]