音展'10 レポート【秋葉原UDX編】
シャープの3Dプロジェクタや未発表USB DACなど
会場の秋葉原UDX編 |
オーディオ・ビジュアル関連の総合展示会「オーディオ&ホームシアター展 TOKYO」(音展)が21日、東京秋葉原で開幕した。会場は秋葉原UDXと、富士ソフトアキバプラザ。会期は11月21日~23日までの3日間。入場料は無料だが、Webで事前登録、もしくは当日会場での登録が必要。
音展は、パシフィコ横浜で開催されていた「A&Vフェスタ」が、2009年に名称変更とともに東京・秋葉原に場所を変え、ユーザー、メーカー、販売店、地域が一同に参画する形態へと進化させたイベント。主催は社団法人日本オーディオ協会(JAS)。ここでは秋葉原UDXブースの模様をレポートする。富士ソフトアキバプラザについては別記事でレポートしている。
■ シャープはフルHD 3D DLPプロジェクタを国内初披露
3Dプロジェクタで110インチのシアターを構築 |
シャープは、フルHD 3Dプロジェクタ「XV-Z17000」を国内で初出展している。DLP方式で1,920×1,080ドットのフルHD 3D投写が可能なプロジェクタ。UDXの会場内に110インチスクリーンのシアタールームを設け、大画面3Dの魅力をアピールする。日本での発売は未定だが、米国では2011年1月に、欧州でも3月に発売予定としている。
スクリーンには、スチュワートのマリブを採用。3Dコンテンツはワーナーの協力のもと、「ポーラー・エクスプレス」、「IMAX:Deep Sea」などが紹介されている。3D上映は1日10回、各回10名づつで整理券を配布しており、3Dの大画面映像を楽しめる。
3Dプロジェクタは「XV-Z17000」 | ポーラー・エクスプレスなどの3Dコンテンツを用意 |
60型のAQUOS クアトロン 3D「LC-60LV3」を使った3Dホームシアターも設置。シアタールームは、大和ハウスの愛着リフォームとのコラボレーションにより、間接照明や壁紙、床板など、リビングになじむホームシアターを提案している。
LC-60LV3をデモ。大和ハウスと協力し、リビングになじむホームシアターの姿を提案 | 3D写真の視聴デモやクアトロン技術のアピールなど |
そのほか、デジタルサイネージ用の60型液晶ディスプレイを縦位置で表示。AQUOSクアトロンの技術紹介などを行なっている。また、3.8型や10.6型の視差バリア式裸眼3Dディスプレイ、BDXL関連についてもアピールしている。
10.6型の視差バリア方式3Dディスプレイ | 3.8型の裸眼3Dディスプレイ | BDXLもアピール |
■ オンキヨーは未発表のUSB DACを展示
未発表の製品としては、オンキヨーがネットワークオーディオコーナーの一角に未発表のUSB DACを展示している。INTEC 205シリーズとほぼ同サイズボディのUSB DACという以外の詳細は不明で、製品前面の型番の部分を隠して展示。会場の説明パネルでは、USBやiPhone/iPodデジタルトランスポートに接続する単体DACとして、プリメインアンプ「A-933」と組み合わせて紹介している。
また、iPod用デジタルトランスポート「ND-S1」と同デザインのトランスポートも出展。詳細は不明だが、外観を見ると、前面のカラーがホワイトに変更されているほか、フット部が異なっている。
オンキヨーはネットワークオーディオ関連のデモで新トランスポートとDACを展示 | 205mm程度の小型ボディが特徴のUSB DAC。左はプリメインアンプの「A-933」 | USB DACの上には新型と思われるiPhone/iPodデジタルトランスポート |
第一通信工業は、USB入力対応のDAC新モデル「MD3300」と、USB対応のDDコンバータ「MJR-5」を出展している。いずれも近日発売予定で、価格はMD3300が27万円前後、MJR-5が6万円前後の見込み。
MD3300 | MJR-5 |
MJR-5は、USB入力と光/同軸デジタル入力を備えたUSB DDコンバータで、同社では「ジッタリダクションユニット」と案内。同軸デジタル入力は24bit/192kHz、光デジタルとUSB入力は24bit/96kHzまで対応する。出力は同軸デジタル2系統。
PCからのUSB入力を高品位にデジタル出力可能とするために、PCからのジッタ混入を防ぐアイソレータを搭載するなど、ジッタの低減にこだわったほか、L/Rをデジタルで別出力するL/R分離に対応する。外形寸法は215×132.5×45mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.5kg。
MD3300の背面 |
MD3300は、MJR-5相当のUSB DDCに加え、DACやヘッドフォンアンプを内蔵した製品。USB入力は高速GMRアイソレータにより、グランド分離して、低ノイズ化を図っている。
入力はUSBと光デジタルが各1系統、同軸デジタルが2系統で、同軸デジタルは24bit/192kHz、USBと光デジタルは24bit/96kHzに対応する。アナログ出力はアンバランス(RCA)とバランス(XLR)を各1系統。標準ジャックのヘッドフォンアンプも前面に備えている。外形寸法は330×331×78mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7kg。
■ ズームは1080pビデオ録画対応のPCMレコーダ
各社がPCMレコーダなどを展示しているほか、「生録体験会」も行なうなど、録音関連の機材も多数展示されている。
MD3300 |
ズームは、10月に発表した、フルHD動画撮影とリニアPCM録音が可能なポータブルビデオ/オーディオレコーダ「Q3HD」を展示。11月末に発売予定で、価格は29,400円。
XY方式のコンデンサマイクを搭載し、高音質なオーディオレコーダとして利用できるほことに加え、MPEG-4 AVC/H.264(MOV)形式で最大1,920×1,080ドット/30fpsの動画記録ができることが特徴。
録音フォーマットはリニアPCMまたはAACで、PCMは最大24bit/96kHz記録に対応。記録メディアはSD/SDHCカードで、最大32GBまで対応する。動画の記録モードは、フルHDの「HD1080p」(30fps)のほか、「HD720p」(60/30fps)、「WVGA」(60 /30fps)を用意。録音モードはPCMが16/24bit、44.1/48/96kHzから、AACは48~320kbpsから選択できる。
ポータブルのオーディオレコーダや小型のビデオカメラは多数発売されているが、「音質なオーディオが録音でき、かつビデオが録れる」製品は少ないことから今回の製品を企画したという。
撮像素子は1/3.2型の500万画素CMOSでレンズは固定焦点(F2.8)。4倍デジタルズームを搭載。2.4型/QVGA解像度のカラー液晶を搭載。モノラルスピーカーを内蔵しているほか、HDMI出力も装備。録画した映像をテレビなどにすぐに出力できる。
2.4型液晶を装備 | 1080/30pや720/60pなどの映像モードを選択 | HDMI出力対応 |
ズーム以外にもソニーやローランド、オリンパス、ヤマハ、コルグなどが、オーディオレコーダを展示している。
ローランドはPCMレコーダの新モデル「R-05」を展示 | バイノーラル録音用マイク「CS-10EM」(9,780円)による、立体的な録音も訴求 | ソニーはPCM-D50やICD-SX813などのレコーダを展示 |
ヤマハはW24などPOCKET TRAKシリーズを展示 | コルグは、DSDレコーダ「MN-2」や「MN-2000S」でDSD録音をアピール | ティアックは、「DR-660」などを展示 |
■ CAVジャパン、ハローキティなど大量のiPodスピーカーを参考出展
ハローキティのiPhone/iPodドックスピーカー。左の2製品が参考展示となる |
CAVジャパンは、「ハローキティ」デザインのiPodドックスピーカーを展示。KT1-WHなどの既存製品だけでなく、カラーバリエーションモデルも展示しており、来場者にアンケートを実施し、人気のあるカラーの製品化を図るという。
また、照明機器風のデザインや、忍者やブタなどのユニークなキャラクターのiPhone/iPodスピーカーも多数展示している
独創的なデザインの「A9-WH」。参考出品だが、想定価格は17,800円 | 忍者型の「AIP-NINJA-BK」。参考出品で想定価格は13,800円 | ブタ型の「Q7-WH」。参考出品で想定価格は13,800円 |
飛行機? 型の「X1-RD」。参考出品で想定価格は17,800円 | 左右独立ユニットが特徴の「BIP2」(想定価格17,800円)と「BIP」(同9,800円) | 照明型の「CR3」(想定価格15,800円)、「CR2(同16,800円)」。参考出品 |
ユニークなデザインの照明型「CR1」。想定価格は19,800円 | 真空管アンプ「T-88」を中心に、同社スピーカーの視聴も可能 |
■ 各社が新製品を多数展示
SR-100i-B |
ティアックは、iPodスピーカーの「SR-100i-B」や「SR-LUXi」や、beyerdynamic製の新ポータブルヘッドフォン「T 5 p」や「T 50 p」、ポータブルPCMレコーダなどを展示している。
未発表の新製品はないが、SR-100i-Bのバリエーションモデルとして、CDプレーヤー部を省いて小型化した「SR-80i」を12月に発売予定という。カラーバリエーションも用意し、実売価格は1万数千円になる見込み。
SR-LUXi | T 5 p | T 50 p |
そのほか、各社が最新製品を多数展示。新製品の音質比較などが可能となっている
ソニーは新モニターヘッドフォン「MDR-Z1000」 | モニターイヤフォンの最上位「MDR-EX1000」 | Z1000/EX1000の振動板に採用した「液晶ポリマーフィルム」も展示。材料が高いだけでなく、製造が難しい点も採用製品が高価になってしまう理由だという |
東芝はCELL REGZA「55X2」の3D画質をアピール | DIATONEは、高級カーオーディオシステムをデモ | ヤマハのネットワークオーディオ「NP-S2000」も展示 |
富士通テンはECLIPSEシリーズやカーオーディオを展示 | 紙スクリーンのピジョンは、紙素材の電動スクリーンを展示。100型で34,650円という低価格が特徴で、2011年にはアルミ製の巻き取りケース付きモデルも発売予定という |
(2010年 11月 22日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]