旭硝子、スマートフォンやテレビ用ガラス「Dragontrail」

-従来のカバー材の約6倍の強度を実現


Dragontrailガラスの強度試験
(3点曲げ試験:ガラス板厚1.1mm)

 旭硝子(AGC)は、スマートフォンやテレビ、タブレットPCなど向けの化学強化用ガラス「Dragontrail(ドラゴントレイル)」を開発。全世界で販売開始する。

 スマートフォンやタブレットなどでは、機器の表面がタッチパネルになっている製品が多く、画面に触れて操作するほか、持ち歩いた際の落下やポケットやカバンの中の圧迫などの外部からの衝撃や、擦れから保護する必要がある。しかし、一般的にカバー材として用いられているソーダライムガラスでは強度が足りず、樹脂では耐傷性や質感が課題となっているという。

 AGCは、市場実績のある化学強化ガラスをもとにDragonTrailを開発。ソーダライムガラスの6倍の強度に加え、樹脂では得られない優れた耐傷性と高い質感を実現したという。供給可能板厚は0.5~5mm以上までで、サイズも要望に応じて対応できるという。また、鉛やヒ素、アンチモンなどを一切使用しておらず、環境にも優しいとしている。

 AGCでは、TFT用ガラス基板などの製造で培った電子用特殊ガラス製造技術を駆使し、生産効率が高いフロート法で製造することで、モバイル端末向けのカバーガラスとして安定供給が可能としている。また、今後増加が見込まれるテレビ用カバーガラスの需要にも積極的に応えていくとしており、2012年には電子機器用化学強化カバーガラス市場で売上高300億円以上を目指す方針。

耐衝撃試験(アクリル樹脂との比較)タッチパネル液晶ディスプレイの構造。Dragontrailはカバー在向けに展開

(2011年 1月 24日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]