au、WiMAX/テザリング対応スマートフォンを4月発売

-Android 3.0搭載タブレット「MOTOROLA XOOM」も


ISW11HT(左)とTBi11M(右)

 auは28日、Android搭載スマートフォン/タブレットの春モデルを発表。国内初となるWiMAX対応のスマートフォン「htc EVO WiMAX ISW11HT」と、10.1型でAndroid 3.0を搭載したタブレット「MOTOROLA XOOM(ズーム) Wi-Fi TBi11M」を発表した。いずれも4月上旬以降に発売する。ISW11HTの店頭予想価格は、3万円台前半。

 なお、両機種ともにKDDIデザイニングスタジオ(東京・原宿)や、au NAGOYA(愛知・名古屋)において、3月1日より展示される。新端末の主な仕様は下表の通り。


製品名
型番
メーカーディスプレイAndroid
OS
その他特徴
htc EVO WiMAX
ISW11HT
HTC4.3型
800×480ドット
液晶
2.2Wi-Fiテザリング
USBテザリング
MOTOROLA XOOM Wi-Fi
TBi11M
モトローラ10.1型
1,280×800ドット
液晶
3.0Tegra 2搭載
フルHD動画再生


■ テザリング対応の「ISW11HT」

htc EVO WiMAX ISW11HT

 「htc EVO WiMAX ISW11HT」は、データ速度が下り最大40MbpsのWiMAX通信機能を備えたHTC製スマートフォン。携帯電話やノートPCなど、他の機器の無線LANルーターとして使え、最大8台まで接続可能な「Wi-Fiテザリング」機能を搭載する。なお、WiMAXの料金は、使用した月のみ525円が毎月の利用料に加算される。3G/無線LANも利用可能。ノートPCなどへの、USB経由でのテザリングにも対応する。

 ディスプレイは4.3型/800×480ドット液晶。Android 2.2を搭載する。720p(25fps)の動画再生が行なえ、HDMI出力も装備する。動画の記録フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264、MPEG-4、H.263から選べる。FMラジオも内蔵するが、ラジオのストリーミング配信サービス「LISMO WAVE」には対応しない。背面に「キックスタンド」を備え、フォトフレームのように横置きにすることも可能。

 1GHz CPUを搭載するクアルコムのチップセット「Snapdragon」を採用。メインカメラは800万画素、インカメラは130万画素。外部メモリはmicroSD/SDHCカード(最大32GB)。無線LANはIEEE 802.11b/g/n対応する。Bluetooth 2.1+EDRも備えている。対応プロファイルはHSP/HFP/A2DP/AVRCP/OPP/PBAP/FTP。外形寸法は約122×67×12.8~13.8㎜(縦×横×厚さ)、重量は約170g。連続待受時間は約340時間、連続通話は約290分。

 ISW11HTの発売に合わせて、WiMAXスマートフォン用端末の料金プラン「+WiMAX」を設定。WiMAXに接続した月は、パケット通信料(ISフラットの場合5,460円)に加えて月額525円の+WiMAX月額利用料が発生する。WiMAXに接続しなかった月は、+WiMAX分の月額利用料は発生しない。また、2011年8月までは+WiMAX月額利用料が無料になるキャンペーンを実施する。


テザリング機能を搭載側面背面
WiMAXなどはワンタッチでON/OFF可能背面に収納式のスタンドを備える動画撮影時。720pのMPEG-4 AVC/H.264動画などが撮影できる
主な仕様iPhone 3GS(右)と比較

 


■ Android 3.0/Tegra 2で快適操作の「TBi11M」

MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M

 「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」は、10.1型/1,280×800ドット液晶と、タブレット端末向けに最適化されたAndroid 3.0を搭載。Adobe Flash Playerにも後日対応予定としている。無線LANはIEEE 802.11b/g/nに対応するが、3G通信には非対応。Androidマーケットからのアプリダウンロードは行なえる。

 デュアルコアチップのNVIDA「Tegra 2」(1GHz)を搭載し、快適な動画再生やWebブラウジングを実現。MPEG-4 AVC/H.264のフルHD動画再生に対応し、HDMIからの出力も可能。カメラはメインが500万画素。インカメラが200万画素。本体メモリは32GBで、microSD/SDHCスロット(最大32GB)も備える。Bluetooth 2.1+EDRも装備し、対応プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/HID/HSP/OPP/PAN/PBAP/SPP。外形寸法は約167×249×12.9㎜(縦×横×厚さ)、重量は約700g。連続使用時間は約510分(YouTube再生時)。別売でスピーカー付きドックや、Bluetoothキーボードなどのアクセサリを用意する。


HDMIを備え、フルHD出力が可能背面
Android 3.0採用により、YouTube視聴時も、タブレット向けの表示が可能iPhone 3GS(右)と比較


■ Androidマーケットの有料アプリが、au料金と合算可能に

auかんたん決済で、アプリの購入代金が支払える
 3月31日より、「auかんたん決済」の対象として、Androidマーケットで購入した有料アプリの料金も適用。auのAndroid搭載スマートフォンユーザーは、アプリの購入代金を月々のau通話料金と合わせて決済できる。

 サービスの対象となる機種は、上記の新端末htc EVO WiMAX ISW11HTと、IS03、REGZA Phone IS04、IS05。なお、IS01やSIRIUS α IS06については「提供を検討中」としている。タブレットのMOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11Mは対象外。

 対象機種において、Androidマーケットでの購入時に、支払方法の選択画面で「auのアカウントに請求」を選択することで合算請求が可能。ただし、月間の利用限度額に上限が設定されており、年齢や契約期間、契約区分によって、限度額が5,000円~3万円に設定されている。

 


■ キーワードは「超! ×2」

 KDDIの田中孝司社長は、IS03やREGZA Phone IS04といったこれまでの機種が、ワンセグやFeliCaなどフィーチャーフォンの機能を兼ね備えていることから「“ガラスマ”(ガラパゴスケータイ + スマートフォン)の世界を切り拓いてきた」と説明。IS03の売上は50万台に達するという。また、新たに開始したSkypeについては、auスマートフォンユーザーの3割が利用しているという。

田中孝司社長
 今回の新機種「htc EVO WiMAX ISW11HT」については「超! ×2」というキーワードで説明。「超」の1つ目はWiMAX対応を指し、下り最大40Mbps/上り最大10Mbpsという高速通信を実現する「超! 速いスマートフォン」として訴求。WiMAXのエリアは、全国政令指定都市の実人口カバー率90%超だという。

 田中社長は、「回線が速くないと、スマートフォンのいい経験ができないと実感しているので、できるだけこのデバイスを日本で使えるようにしたかった」と語る。自身もYouTubeやニコニコ動画などのサイトをよく利用するという田中氏は、「昔は時間が余るとメールなどを見ていたが、最近はYouTubeをよく見る。“総統閣下シリーズ”が大好き」と述べ、笑いを誘った。

 「さらに……」との前置きで紹介されたのは、テザリング機能の採用。最大8台までの機器を接続可能なことや、テザリングをしても料金が上乗せされず、定額で利用できることから「相当なハイエンドユーザーまでカバーできる」とした。

 WiMAX採用により、3G通信の売上の減少が見込まれることについては「みなさんに、“ワクワク感”を伝えることを優先した。収入がちょっとくらい減ってもいいんじゃないか」と述べた。

 今後の同社スマートフォン端末の見通しについては、機種数は明らかにしなかったものの「来年度は半数以上がスマートフォンになる。今後もスマートフォンにシフトしていく、という考えは変わっていない」と説明。

 なお、グローバル端末であるISW11HTは、従来のau携帯電話とは3Gの対応周波数が異なる。こうした3Gの新しい周波数帯に対応したことで、「iPhoneやXperiaといった他のグローバル端末の採用予定はあるか」という質問が出ると、田中氏は「技術的に障壁は無いが、何を採用するかは回答を控える」とした。

 一方、タブレットについては、2011 International CESにおいてタブレット端末が85機種展示(CES推計)されたこともあり「昨年はスマートフォン元年と言われたが、今年はタブレットが来るぞ、と思っている」とした。「MOTOROLA XOOM」が2011年のCES Awordを受賞していることを受け、「超! 注目度No.1タブレット」として、Android 3.0や、フルHD動画対応などをアピールした。

2つの「超!」をアピールしたゲストとして招かれたHTCのフレッド・リュウ氏。「3G回線でも、我々は驚くべき体験をしてきたが、WiMAX対応により、動画視聴や、“常に接続していたい”といった、ユーザーの高い要求に応える」と述べたモトローラのスピロス・ニコラコポウロス氏も来場。Android 3.0やTegra 2採用などを挙げて「XOOMは、タブレットのあるべき姿」とした


(2011年 2月 28日)

[AV Watch編集部 中林暁]