富士通テン、日光が当たっても視認できるディスプレイ

LSI「Vivid View Processor 3」

　富士通テンは、カーナビなどの車載用ディスプレイに、直射日光が当たった際の視認性を向上させるLSI「Vivid View Processor 3」(VVP3)を、富士通研究所と共同で開発した。富士通テンのカーナビ/オーディオブランド「ECLIPSE」の国内向け次期モデルから搭載していくという。

　車のダッシュボード前面に装着する車載用ディスプレイには、太陽光が直接当たるとその反射でディスプレイが白っぽく見え、視認性が低下するという問題がある。

直射日光補正の画像処理概要

　これを改善するため、富士通テンは入力画像を解析し、画像の場所ごとに階調差をつけて、どのような明るさの領域も明暗差を拡大できるようにする「局所補正」、暗い領域の階調を、つぶれが生じにくい明るい階調に移す「階調補正」、色の薄まりを抑制して鮮やかにする「彩度補正」技術を開発。これを組み合わせ、見えにくくなる暗部のコントラスト、および彩度を瞬時に自動補正する。

　さらに、照射センサを使って太陽光を検知。前述の補正の強度を、太陽光の照射量に応じて最適に補正する。また、短時間での太陽光の急激な照度量変化の繰り返しにも対応できるよう、応答速度も調整しているという。

　また、バックライトにLEDを採用。同社従来比で、消費電力を最大54%、平均24%低減すると共に、シーン毎に映像データを解析し、暗い映像の場合は輝度を少なく、明るい場合は多くする制御も行なっている。その際、輝度に応じて映像データの明るさレベルを補正する機能も備えている。

　LSIは低コストなLQFPパッケージ(144ピン/16×16mm)を採用しているため、容易にカーナビなどの製品搭載できるという。