ヤマハ、iPhone/iPad用MIDIインターフェース

-MIDI機器をアプリで制御。TENORI-ONアプリも


iPhone/iPod touch/iPad用のMIDIインターフェース「i-MX1」

 ヤマハは、iPhone/iPod touch/iPad用のMIDIインターフェース「i-MX1」を7月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6,000円前後。さらに、同インターフェイスに対応したiOS用アプリを6月20日に公開する。アプリの価格は下表の通り。


アプリケーション名対応機種価格発売日
FadersiPad/iPhone 3GS/iPhone 4/
 第3、4世代iPod touch
無料6月20日
Faders & XY PadiPad450円6月20日
Keyboard Arp & Drum PadiPad450円6月20日
Voice Editor Essential
ヤマハシンセサイザー専用
(MOTIF XF、MOTIF XS、
 MOTIF-RACK XS、MOX、S90XS/70XS)
iPad450円6月20日
Multi Editor Essential
(MOTIF XF、MOTIF XS、
 MOTIF-RACK XS、MOX、S90XS/70XS)
iPad450円6月20日
Performance Editor Essential
ヤマハシンセサイザー専用
(MOTIF XF、MOTIF XS、MOX、S90XS/70XS)
iPad450円6月20日
Set List OrganizeriPad450円6月20日
TNR-iiPad/iPhone 4/第4世代iPod touch2,300円6月20日




■MIDIインターフェース「i-MX1」

 MIDI端子を搭載した楽器と、iPhone/iPod touch/iPadを接続できるMIDIインターフェース。シンセサイザー、電子ドラム、電子ピアノなどのMIDI対応楽器とiPadなどを組合せ、「今までの楽器の機能を拡張する新しい楽しみ方を提案する」という。

 具体的には、i-MX1を介して接続することで、Core MIDI対応アプリケーションからMIDI対応楽器を演奏したり、電子ピアノや電子ドラムから対応アプリケーションへの入力や演奏が可能。後述するようなアプリを使うことで、電子楽器の機能を拡張する事もできる。

 対応機種はiPhone 4、iPhone 3GS、iPad 2、iPad、第3~4世代iPod touch。対応OSはiOS 4.2以降。接続端子はDockコネクタで、MIDI IN、MIDI OUTを各1系装備。専用ケーブルを介して接続する。外形寸法は45.8×30×11mm(縦×横×厚さ)。重量は11g。



■MIDI楽器向けiOSアプリ

Faders

 「Faders」は4つのフェーダーを備え、動かすことでボリュームやモジュレーションなどの音色変化が楽しめる。それぞれのフェーダーに2つのMIDIコントロールチェンジ信号を設定し、50個までテンプレートに登録可能。


Faders & XY Pad

 「Faders & XY Pad」は、8つのフェーダーとXYパッドを備え、ユニークな音色変化ができるアプリ。8本のフェーダーにそれぞれ3つのMIDIコントロールチェンジ信号を設定し、50個までテンプレートに登録可能。XYパッドモードでは、画面上のボールを動かすことで複数のフェーダーを同時に動かすこともできる。各フェーダーの動きはXY画面上のケーブルをつなぎかえるだけで自由に設定可能。


Keyboard Arp & Drum Pad

 「Keyboard Arp & Drum Pad」は、アルペジエーター機能やドラムパッド入力を持たないMIDI楽器でも、アルペジエーターやドラムパッドを使って演奏できるiPadアプリ。

 アルペジエーターを使ってドラム、キーボード、ギターなどさまざまな楽器のフレーズを演奏できるほか、ドラムパッドを使い、鍵盤では演奏しにくいドラムフレーズの演奏をしたり、1つのパッドに複数のノートをアサインすることでコード演奏も可能。アルペジエーター部分とドラムパッド部分はMIDI信号を異なるチャンネルに送れるので、アルペジエーターでドラムビートを鳴らしながらパッドでコード演奏をすることもできる。


Voice Editor Essential

 「Voice Editor Essential」は、iPadからヤマハシンセサイザーの音色エディットを行なうアプリケーション。よく使われるEQとエフェクト、アルペジエーターに加え、リアルタイムでエンベロープやフィルタをコントロールするためのフェーダーと、XY Padも装備。タップテンポ機能を使い、アルペジエーターのテンポを設定することも可能。設定内容はiPadで保存後、RECEIVE、TRANSMITボタンを使うことでシンセサイザーに反映できる。機器は「MOTIF XF」、「MOTIF XS」、「MOTIF-RACK XS」、「MOX」、「S90XS/70XS」に対応。


Multi Editor Essential

 「Multi Editor Essential」は、iPadの画面上でヤマハシンセサイザーのソングとパターンをミキシングできるアプリ。各パートのボリューム、パン、コーラス、リバーブを調整したり、エフェクト、EQエディットの画面でそれぞれの詳細なパラメーターを設定できる。シーケンサーの再生・停止などのトランスポートコントロールも可能。対応機器は「MOTIF XF」、「MOTIF XS」、「MOTIF-RACK XS」、「MOX」、「S90XS/70XS」。


Performance Editor Essential

 「Performance Editor Essential」は、iPadからヤマハシンセサイザーのパフォーマンスエディット(ライブ演奏用の音色の組み合わせ)ができるアプリ。よく使われるマスターEQとエフェクト、アルペジエーターの設定、構成するボイスの組み合わせや各ボイスの鍵域を設定でき、リアルタイムでEGやCutoffをコントロールするためのXY Padも装備する。タップテンポ機能により、アルペジエーターのテンポを設定することも可能。対応機器は「MOTIF XF」、「MOTIF XS」、「MOX」、「S90XS/70XS」。


Set List Organizer

 「Set List Organizer」は、ライブ演奏時に必要なセットリスト(演奏曲順のメモ)を編集・表示できるアプリ。iPadからシンセサイザーなどへ、ライブで演奏する曲毎のプログラムチェンジ(音色を切り替えるMIDI信号)を送ったり、それぞれの曲での詳細なメモ表示も可能。


TNR-i

 「TNR-i」は、「TENORI-ON」(TNR-W、TNR-O)をiPad/iPhone 4/第4世代iPod touchで再現したアプリ。TENORI-ONと同様に、音楽知識がなくても、音を置いていく感覚で直感的に音楽を作ることができ、16×16のマトリクスボタンで音楽を視覚的に楽しむ事もできる。

 16×16のボタン配列は、横方向が時間、縦方向が音程になっており、そこに音を置いていくことで、リズム、メロディーを組み合わせて音楽を作ることができる。音が出ると同時にボタンが光り、その光が動くことで、視覚的なパフォーマンスを演出する。

 アプリケーション単体で使うだけでなく、iOSの「Game Center」機能を使い、「TNR-i」ユーザー同士で最大4人までネットワーク経由の同時演奏セッションも可能。さらに、「TENORI-ON」(TNR-W、TNR-O)をバージョン2.1にアップデートし、MIDIで接続することで、TNR-iとTENORI-ON(TNR-W、TNR-O)でセッションする事もできる。



(2011年 6月 20日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]