東芝、6ch/15日分を録画/配信する「レグザサーバー」

-5TBで20万円。全録+タブレット配信+BD+3D再生


DBR-M190

 東芝は、6チャンネル15日間分の番組を録画するタイムシフトマシン機能を備えたレコーダ/ホームサーバー「REGZAブルーレイ」の上位モデル「レグザサーバー」2モデルを12月中旬より発売する。

 タイムシフト用HDD 4TBと通常録画用HDD 1TBの合計5TBを備えた上位モデル「DBR-M190」と、2TB/500GB HDD(合計2.5TB)の「DBR-M180」の2モデルを用意し、価格はともにオープンプライス。店頭予想価格はM190は20万円前後、M180が15万円前後。


型番タイムシフトHDD録画用HDD店頭予想価格
DBR-M1904TB1TB20万円前後
DBR-M1802TB500GB15万円前後
DBR-M190DBR-M180
DBR-M190DBR-M180

■ 6ch/15日分を録画し続ける「タイムシフトマシン」

 CELL REGZAシリーズやREGZA ZG2シリーズなどのテレビに搭載していた、多チャンネル録画機能「タイムシフトマシン」を単体レコーダとし、さらに録画番組のDTCP-IP配信サーバー機能を搭載したレコーダ/サーバーシステム。タイムシフト用に6チャンネル分の地上デジタルチューナと4TB(M190)/2TB(M180)のHDDを搭載し、低画質モードの場合、M190で約15日分、M180では約8日分の番組を録画(一時保管)できることが特徴。

過去番組表

 録画形式はMPEG-2 TSストリームのほか、MPEG-4 AVC/H.264への長時間録画モードでの録画にも対応。MPEG-2 TS(DR)のほか、AVCの高画質(約8Mbps)、中画質(約6Mbps)、低画質(約4Mbps)が選択可能となっている。

 なお、タイムシフトマシンは24時間録画だけでなく、「19時から23時だけ」といった変更や、タイムシフトを行なうのは「3チャンネルだけ」などの設定も可能。なお、時間設定は全チャンネル一括となっており、個別のチャンネルごとの時間/画質モード設定はできない。またタイムシフトの時間設定変更を行なう際はHDDの初期化が必要となる。

 録画した番組は「過去番組表」から選択し再生でき、放送途中の番組も、「始めにジャンプ」ボタンを押すことで、番組の最初から再生可能になる。また、10秒前に戻る「ワンタッチリプレイ」にも対応する。タイムシフトマシンの録画領域が少なくなると、古い番組から自動で削除。保存する場合は、通常録画領域へダビング/ムーブを行なう必要がある。

 なお、タイムシフト用HDDから通常HDDへのダビング時は、REGZA ZG2シリーズまでは、「録画番組を再生できない」などの制限があったが、DBR-M190/M180ではタイムシフト/通常録画番組のいずれも再生できるようになった。DTCP配信中のダビングなども可能になる見込みだが、最終仕様についてはまだ未確定とのこと。

タイムシフトの録画モードを選択DR録画のほか、高画質(約8Mbps)、中画質(約6Mbps)、低画質(約4Mbps)が用意される

 通常録画用のチューナも地上/BS/110度CSデジタルを各2系統装備。タイムシフトマシンと組み合わせることで、最大8番組の同時録画が可能となる。番組表は起動速度を向上した「高速レグザ番組表」。

 また、通常録画でもMPEG-4 AVC/H.264変換しての長時間録画に対応(記録モードやビットレートは未定)。さらに、2番組同時に自動で録画番組にチャプタを付与する「Wマジックチャプター」にも対応する。

レグザメニュー画面連ドラ設定チャプター一覧

【タイムシフトと通常録画の違い】

-タイムシフト通常録画
長時間録画
Wマジックチャプター-
BDへのダビング-
(通常録画用HDDに
ダビング後可能に)
ミニB-CASカードと、赤B-CASの2枚で8ch録画

 また、別売のUSB HDDへの録画も可能で、4台のUSB HDDを同時に接続できる。なお、接続したUSB HDDは通常録画用となり、タイムシフトマシン録画には利用できない。登録可能な台数は最大8台まで。USB HDDへの2番組同時録画も可能となっている。

 なお、タイムシフト6ch+通常2chの合計8chの同時録画が可能だが、B-CASカードはタイムシフト用のミニカード1枚と、通常録画用のカード(青)1枚の合計2枚となっている。これまでの製品は、1枚のカードで2チューナ(多くても3チューナ)までとなっており、同じタイムシフトマシンを搭載したREGZA ZG2シリーズでは合計5枚のB-CASカードを搭載していた。

 しかし、8月にB-CAS規定で同時にデータ処理できる速度が明確化され、6チューナでも問題なく1枚で処理できることがわかったため、8チューナで2枚までB-CASカードを減らすことができたとのこと。


スロットイン型のBDドライブを搭載する

 Blu-ray 3D再生に対応したBDドライブも装備し、通常HDDとUSB HDDに録画した番組をBD-REにダビングできる。BDXLにも対応する。スカパー! HD録画や、REGZAで録画した番組をHDDにダビングし、BD化する「レグザリンク・ダビング」にも対応する。

 なお、REGZAブルーレイとの比較では、USB HDDからの直接BD作成やタイムシフトマシンに対応するなどレグザサーバーの機能は充実しているものの、おまかせ自動録画や編集ナビなどの一部機能は省かれている。



■ 録画/放送番組をタブレットに配信「レグザリンク・シェア」

レグザリンク・シェアのデモ

 また、DTCP-IPサーバーとして動作し、録画した番組を家庭内の対応機器に配信できるほか、番組の持ち出しも対応する。これらの連携機能を総称し、「レグザリンクシェア」と命名している。

 対応タブレットはレグザタブレットAT700/AT3S0で、スマートフォンはREGZA Phone IS11T。レグザAppsコネクトのAndroid向け新アプリ「RZプレーヤー」、「RZライブ」、「RZポーター」などで、サーバーとタブレットの連動動作を実現する。なお、RZプレーヤー/ライブ/ポーターの3アプリは、いずれも東芝製品専用アプリとして提供される。これは著作権保護のためハードウェアの機能を利用したり、適正な利用を保証するためという。


タブレットのAT700+RZプレーヤーで、サーバー内のビデオを再生。Twitterのタイムラインも表示できる

 DTCP-IPクライアントとしてタブレットなどを利用する「録画番組配信」には、タブレット向けに視聴用アプリ「RZプレーヤー」を11月下旬に配信開始。RZプレーヤーでは、録画した番組をタブレットで受信して視聴できる。画質は、1,280×720ドット/12.6Mbps、1,280×720ドット/4.2Mbps、960×540ドット/12.6Mbps、960×540ドット/4.2Mbps、720×480ドット/4.7Mbps、640×360ドット/1.6Mbpsから選択できる。

 また、録画番組とTwitterのタイムラインを同一画面に表示し、テレビを見ながら感想などをツイートできる。また、RZタグラーで作成したタグリスト(ユーザーが公開した録画番組の頭出し情報)を活用し、音楽など他のユーザーのおすすめシーンを頭出しし、効率よく視聴できる。RZプレーヤーでもタグリストを作成できる。


RZプレーヤーの概要ビットレートや解像度も変更できる
RZライブ

 さらに、放送中の番組をタブレットで視聴可能にする「現在番組の配信」と、「録画番組の持ち出し」にも、2012年3月下旬のバージョンアップで対応予定。現在番組の配信用のAndroidアプリ「RZライブ」を11月下旬に、録画番組持出し用のアプリ「RZポーター」を2012年1月下旬に公開予定としている。

 RZライブによる現在番組配信では、タブレット上でテレビのストリーミングを見ながら、Twitterのタイムラインを表示や感想のツイートなども可能。また、タブレット上で現在放送中の番組を表示し、チャンネル切り替えすることも可能となっている。解像度はタブレットの場合[高画質](1,280×720ドット)、低画質(640×360ドット)を選択できる。


RZライブの概要RZライブのデモ

 RZポーターによる録画番組の持ち出しは、タブレットに無線LAN経由で番組を転送し、番組を持ち出し可能にするもの。ダビング10番組の場合は、1回のダビング回数を使って転送できるが、サーバー側に戻すことはできない。コピー禁止番組の場合は、サーバー側のコンテンツが消去され、タブレット側のみで視聴可能となる。

 スマートフォンはREGZA Phone IS11Tが対応機種で、「録画番組配信」のみ対応。Androidアプリ「DiXiM Player」により、番組視聴が可能となる。

 録画番組配信については、同社のサポート外となり、すべての機能が使えるわけではないものの他社のDTCP-IP対応クライアントでも基本機能は利用できると思われる。

【レグザリンク・シェアの概要】

機能名概要利用アプリ
(公開時期)
対応時期
録画番組の配信録画した番組をタブレットなどに配信RZプレーヤー
(11月下旬)
12月
現在番組の配信放送中の番組をタブレットなどに配信RZライブ
(11月下旬)
2012年3月
録画番組の持ち出し録画した番組を
タブレットなどに無線LAN転送
RZポーター
('12年1月下旬)
2012年3月

 DBR-M190/M180の両モデルともEthernetを装備し、M190はIEEE 802.11b/g/nの無線LANも内蔵している。ブロードバンド機能は、YouTubeやTSUTAYA TV、アクトビラ ビデオ・フル、Yahoo! JAPAN、T's TV、ひかりTVなどに対応する。


■ レグザエンジンCEVOを搭載。新超解像技術も

DBR-M190の天面

 メインLSIは「レグザエンジンCEVO」を搭載し、高速起動や高速レグザ番組表、レスポンスの高速化などを実現した。

 BDドライブのダビングのほか、Blu-ray 3DやBDビデオの再生に対応。超解像技術「レゾリューションプラス6」も搭載し、複数フレーム超解像や色解像超解像などによる画質向上を図っている。

 さらに、4Kパネルを採用した「55X3」やREGZA ZP3/Z3との組わせで、それぞれに最適な超解像処理を行なう「レグザコンビネーション高画質」を搭載。両機をHDMIした場合に、DBR-M190/M180では、複数フレーム超解像と色超解像を適用、REGZA側で再構成型超解像と非圧縮12bit相当の4:4:4処理を適用する。


1080p画質モードを「オート」でREGZA 55X3と接続すると、適応する高画質処理を自動調整オート、ノーマル、モニターが選択できる

 出力端子はHDMI×1、コンポジット×1、光デジタル音声×1、アナログ音声×1。消費電力と年間消費電力量は未定。外形寸法はDBR-M190が430×336×80mm(幅×奥行×高さ)、DBR-M180が430×332×80mm(同)。重量は未定。

DBR-M190の背面サーバー機能を搭載したREGZAブルーレイシリーズリモコン
DBR-M190の背面DBR-M180の背面付属リモコン

(2011年 10月 3日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]