ソニー、Sony Tabletでレコーダ内番組を視聴する新アプリ
-「RECOPLA」。番組管理も可能。Android 4.0で実現
Android 4.0.3にアップデートしたSony TabletのSシリーズ。画面左上にあるのが「RECOPLA」アプリのアイコン |
ソニーは、BDレコーダで録画した番組や、受信している番組を「Sony Tablet」で視聴したり、録画番組の管理も可能なアプリ「RECOPLA」(レコプラ)を4月下旬にGoogle Play(旧Android Market)で無償公開する。Sony TabletのS、Pシリーズ両方で使用できる。
連携に対応する機種は、BDレコーダの映像配信対応モデルがBDZ-AX2700T/AT970T/AT950W/SKP75/AT770T、録画コンテンツの管理機能のみに対応するのがBDZ-AX2000/AX1000/AT900/AT700/AT500。液晶テレビBRAVIAも、管理機能のみ対応でKDL-55HX80R/46HX80R/40HX80R/32EX30R/26EX30Rが対象モデルとなる。これらの機器では、連携用にファームウェアのアップデートが必要で、3月28日にファームを提供予定。
さらに、Sony Tablet側のアップデートも必要。このアップデータには、Android 4.0.3(アイスクリームサンドイッチ)も含まれる大型アップデートとなり、時期は4月下旬が予定されている。
■RECOPLA
BDレコーダと連携できる |
RECOPLAは、BDレコーダで受信している放送中の番組と、BDレコーダに録画した番組を、Sony Tablet上で視聴するためのアプリ。ベータ版という位置付けで、ノンサポートとなる。なお、OSがAndroid 3.1以降で、解像度1,280×800ドットの他社製タブレット端末でも、後述する管理・リモコン操作機能は使用可能。ただし、番組のストリーミング再生には対応しない。
【お詫びと訂正】
記事初出時、「Sony Tablet以外では使用できない」と記載しておりましたが、誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。(2012年3月22日)
720p解像度で、約3Mbpsの動画としてレコーダ側でリアルタイムに変換し、送信される。720pにした理由は「再生の安定性を重視した」ためだという。前述のように、この配信機能に対応しているのは現行のレコーダBDZ-AX2700T/AT970T/AT950W/SKP75/AT770Tのみとなる。なお、放送中の番組の転送表示は、5月下旬のRECOPLAアップデートにより機能追加される予定。
制限機能として、例えば3チューナを内蔵したBDレコーダの場合、配信にエンコーダを1系統使用するため、3番組同時録画などをしている場合は、配信機能は利用できない。2番組録画中に配信する事は可能。また、1台のレコーダから同時配信できるのは1台のタブレットのみ。
アプリのUIは、画面左に番組のカテゴリが表示され、「アニメ」や「ドラマ」などを指定すると、それに該当する番組が左側の録画タイトル一覧に表示されるというレイアウト。表示された番組は、日付やタイトル、容量などの項目でソートできる。さらに、タブレットから番組の削除も可能。
アプリでBDレコーダ内の録画番組をリスト表示しているところ | ジャンル別の表示に加え、日付やタイトル名、番組時間、サイズなどでソートする事も可能。サイズのソートは、HDDの空き容量を素早く増やしたい時に便利だという |
また、右端には、レコーダに接続しているUSB HDDも表示され、選択したHDDに録画されている番組を一覧表示し、管理する事が可能。ただし、USB HDD内の番組をDLNA配信する事はできない。BDレコーダは最大4台まで登録でき、登録したレコーダの型番で識別できる。
番組のEPG情報を対象とした、キーワード検索も可能。出演者の名前などから番組を検索することもできる。これらのUIや、動作の軽快さは「メールソフトをイメージして開発した」という。
番組を選択すると、タブレットで直接番組を表示するか、BDレコーダ側で再生させるかが選択できる。タブレットの表示では、早送り/早戻し、チャプタ送り/戻し操作や、シークバーを使ったジャンプも可能。なお、前述の対象BDレコーダの2010年モデルと、2010年のBRAVIAでは、管理機能の中の、タイトル名編集には非対応。また、キーワード検索の対象データが番組名のみとなり、リモコン機能は走行系のみに限定される。
BDレコーダの録画映像をタブレットで表示しているところ | 録画番組をタップすると、タブレットで直接再生するか、レコーダ側で再生するかが選べる | EPG情報に対して、キーワード検索が可能 |
BDレコーダでの再生を選択すると、テレビに選択した番組が表示される一方、タブレット側では自動的にリモコン機能が起動する。画面には番組情報とチャプタの一覧、さらに十字キーや早送り/巻戻しなどのキーを備えた、ソフトウェアリモコンを表示。これらをタップする事で、ネットワーク経由でBDレコーダを制御でき、タブレットをリモコンとして使用できる。
さらに、タブレットからの録画予約も可能。録画予約ボタンを押すと、「Gガイド.テレビ王国 CHAN-TORU」に移動。ログインする事で、テレビ王国の番組表から、レコーダへの録画予約が行なえる。
「BDレコーダ側で再生する」を選ぶと、タブレット側はリモコンモードになる | テレビ王国にジャンプし、録画予約をする事も可能 |
なお、これらの配信・管理機能は、BDレコーダが起動した状態でなければ利用できないが、RECOPLAにはネットワーク経由でレコーダの電源をONにする機能も備えている。
また、タブレットのOSをAndroid 4.0.3にアップデートすると、プリインストールされているアプリ「DLNA」を使って、BDレコーダから配信された放送中番組/録画番組を視聴することができるようになる。ただし、録画番組の並び替え/削除や、BDレコーダの電源ONなどはできない事から、ソニーではRECOPLAの使用を推奨している。
アプリ名 | RECOPLA | DLNAアプリ |
録画した番組の視聴 | ○ | ○ |
放送中番組の視聴 | ○ ※5月下旬~ | ○ |
Sony Tabletで見る際の レコーダ側電源の状態 | ON/OFF | ON |
録画番組の並べ替え/削除 | ○ | × |
■Android 4.0.3の追加機能
Android 4.0.3をインストールする事で、DLNAアプリの強化や「RECOPLA」対応以外にも、様々な機能が追加される。
Sony Tablet独自の強化機能として、「スモールアプリ」と呼ばれる機能を追加。画面下部の専用ボタンにタッチすると、ブラウザ、計算機、リモコンなどの、「スモールアプリ」対応アプリのアイコンが表示され、ここからアプリを起動すると、Windowsのプログラムウインドウのように、小画面ウインドウで各アプリが起動する。
これにより、YouTubeアプリで動画を全画面表示しながら、その手前にブラウザの小画面を表示させたり、背後にブラウザを表示させながら、リモコンアプリを小画面で開いてテレビを制御するといった使い方が可能。ウインドウのサイズや位置はカスタマイズでき、2画面を持つPシリーズでは、上の画面に映像、下の画面にブラウザを表示するといった事も可能。ソニーでは「スモールアプリ」に対応させるためのSDKの公開などを検討しており、対応アプリ拡充に向けたアプリコンテンストなども考えているという。
画面下部に表示されているのが「スモールアプリ」選択メニュー | スモールアプリとしてブラウザを表示させたところ。後ろでは「RECOPLA」が動いている |
また、Sシリーズでは本体に挿入したSDカード内のデータが、直接参照できるようになった。これにより、デジカメなどで撮影したSDカードを、すぐにタブレットで確認できるという。なお、SDカード内のファイルを内蔵メモリにコピーする場合は、引き続き「ファイル転送アプリ」を使用する。
Android標準の機能とソニー独自の機能を組み合わせたアップデートとしては、ロック画面で左フリックする事で、カメラを直接起動できるようになった。さらに、左右160度のパノラマ写真撮影にも対応。写真のレタッチ(トリミング/回転/赤目補正/美顔化/エフェクト追加など)機能も備え、スライドショー表示ではテンプレートの種類も追加される。
他にも、Android標準の機能強化として、システムフォントサイズ変更への対応や、データ通信量の確認機能の追加、Webページのオフライン保存、Webブラウザでスマートフォン向けサイトが表示されないようにエージェント設定を切り替える機能も追加。ホーム画面のフォルダ作成機能の追加、アプリランチャーのデザイン変更も行なわれる。
■Pシリーズに新モデル追加
Wi-Fiモデル「SGPT213JP/H」 |
また、2画面を採用し、折りたたみが可能なPシリーズに、新モデルが追加される。従来は3Gモデルのみをラインナップしていたが、Wi-Fiモデル「SGPT213JP/H」が加わる。4月21日発売予定で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後。
5.5型、1,024×480ドットのタッチパネル式液晶を2画面搭載し、CPUはTegra 2 1GHzデュアルコアタイプを採用。内蔵メモリは4GB。Androidのバージョンは3.2だが、後日4.0にアップデートできる。
従来の3Gモデルから、3G通信機能を省いた仕様で、その他の主な機能は共通。ただし、3Gモデルは付属するmicroSDカードの容量が2GBだが、Wi-Fiモデルでは16GBになっている。
また、カラーがグレーとなり、重量も3Gモデルの約372gから、約356gへ軽量化。また、3G通信のスタンバイ時消費電力の削減などが効いた結果、Wi-Fi使用時の連続使用時間が3Gモデルの約6.1時間から、約6.6時間に。スタンバイ可能時間は、約120時間から、約260時間に大幅アップしている。
着せ替えパネルに新カラーの「SGPC1/N・L・P」が追加された |
これに合わせ、着せ替え可能なパネルに、新カラー「SGPC1/N・L・P」を追加。それぞれGold(N)、Blue(L)、Pink(P)となっており、価格はオープンプライス。店頭予想価格は5,000円前後。既発売の着せ替えパネルはWhiteとBlackが用意されており、実売は6,000円前後と若干高価になっているが、これは傷の自己修復機能がついているためで、新色3種類にこの機能はついていない。
(2012年 3月 22日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]