ソニー、「Sony Tablet」の発表・体験会を開催

-「'12年にAndroidタブレットトップシェアを」


Sony Tablet SシリーズとPシリーズ

 ソニーは1日、Android OSを搭載した「Sony Tablet」の発表会を開催。製品の特徴を解説すると共に、マスコミ向けの体験会も開催した。

 「Sony Tablet」のラインナップは2シリーズで、9.4型ディスプレイを備えたSシリーズと、5.5型ディスプレイを2画面搭載した折りたたみ型のPシリーズを用意。Sシリーズは無線LANのみのモデルと、3G通信にも対応したモデルを用意。Pシリーズは無線LAN+3Gのみとなる。3GモデルはNTTドコモの回線を使用可能(2モデルともテザリングには非対応)。価格やラインナップの詳細は、別記事で掲載している。




■「2012年にAndroidタブレットシェアでナンバーワン目指す」

中央3人、左からソニーマーケティングの執行役員 松原昭博氏、コンスーマープロダクツ&サービスグループ VAIO & Mobile事業本部VP,副本部長の古海英之氏、NTTドコモ プロダクト部 第一商品企画の板倉仁嗣担当部長

 コンスーマープロダクツ&サービスグループ VAIO & Mobile事業本部VP,副本部長の古海英之氏は、製品が対応しているネットワークサービスについて説明。

 ソニーでは、IFAで発表された通り、ネットワークサービスのQriocityを再編。シングルアカウントで様々なサービスにアクセスできる「Sony Entertainment Network」という名称の新プラットフォームを今後構築していく。その中のサービスのひとつとして、映像配信サービス「Video Unlimited」(旧Video On Demand powered by Qriocity)を展開。今回のSony Tabletは、このサービスに対応する。


コンスーマープロダクツ&サービスグループ VAIO & Mobile事業本部VP,副本部長の古海英之氏
タブレットの対応サービス

 Sony Tablet向けには、SD解像度の映像を配信。映画やテレビ番組などがダウンロードできるという。製品発売時には限定コンテンツを揃えたプレオープンキャンペーンとして実施。今後、Sony Tabletで楽しめるコンテンツを増やしていくという。

 ゲーム機能では、「PlayStation Certified」プログラムに対応。初代プレイステーションのゲームなどが楽しめ、発売時には「みんなの GOLF 2」と「Pinball Heroes」をプリインストールしている。

 電子書籍を販売する「Reader Store」にも10月以降に対応予定。アプリをダウンロードし、登録することで、雑誌、ムック、写真集を含む電子書籍を手軽にダウンロードし、タブレットを電子書籍端末として使用できるという。Pシリーズでは2画面を活かし、文庫本を開いたように縦向きに持って楽しむ事ができる。

 Pシリーズ専用として、PetaMapのオリジナルアプリも10月~11月に提供予定。2画面を活用してのスポット情報の閲覧や、ルート検索を使ったナビなどが可能。Sシリーズ用オリジナルアプリとしては、「Life-X」を用意。様々なデバイスで撮影した写真を、Life-Xで一元管理し、タブレットをネット対応フォトフレームのように使い、閲覧できるのが特徴。αcafeの接続にも対応しており、他ユーザーが撮影した画像なども表示できる。


電子書籍を販売する「Reader Store」にも10月以降に対応予定カラーの電子書籍データにも対応するPシリーズ専用として、PetaMapのオリジナルアプリも10月~11月に提供予定
ソニーマーケティングの執行役員 松原昭博氏

 ソニーマーケティングの執行役員 松原昭博氏は、国内のタブレット市場について、「2011年度は200万台を見込んでいるが、一部の調査ではさらに伸びるとも言われており、この勢いは来年度以降も続く、たいへん有望なマーケットだと考えている」と説明。目標として「2012年にAndroidタブレットのマーケットシェアでナンバーワンを目指したい」と語った。

 松原氏は、現在、タブレットが受け入れられている層をデジタル機器が好きなAV・IT先進層と分析。そこから、「価格と品質重視派」に広まると一気に普及が加速すると予測する。しかし、AV・IT先進層と「価格と品質重視派」の間には、スムーズには繋がっていかない「ハイテクの落とし穴」があるという。


 これを乗り越えるために、松原氏は「PCのようにハードスペックを訴求するのではなく、タブレットで“何ができるか”、“いかに簡単にできるか”という認知を、広げていく事が大切」と説明。PCよりも気軽にWebやSNSなどをチェックできる使い勝手の良さや、パーソナルな製品であるスマートフォンに対し、タブレットでは写真や動画を複数人で楽しめ、共有できる製品でもある点を訴求するという。マーケティングコンセプトは「一人ひとりの楽しみを、この1台に。みんなのタブレット Sony Tablet」。

タブレットの市場動向ハイテクの落とし穴を乗り越える事が、普及に不可欠だというマーケティングコンセプトは「一人ひとりの楽しみを、この1台に。みんなのタブレット Sony Tablet」
NTTドコモ プロダクト部 第一商品企画の板倉仁嗣担当部長

 NTTドコモ プロダクト部 第一商品企画の板倉仁嗣担当部長は、現在タブレット端末の購入を躊躇している消費者の心理について、「何ができるかわからない、タブレット向けのソフトやサービスが少ないと感じている人が多い」と分析。「Sony Tabletでは、“みんなのタブレット”と言う訴求や、ソニーが手掛ける様々なサービスが用意されている。こうした点を踏まえ、新しいお客様を迎えられる、期待の製品だと考えている」という。

 さらに、3Gモデルではドコモのネットワークやサービスが利用できる点を紹介。「通信品質の高いドコモのネットワークを利用でき、ドコモマーケットにも対応。ドコモの他のタブレット商品と同様のサービスが利用できる。価格面も月々サポートの対象となり、料金プランは定額データプランなどの通常の割引サービスの対象となる」と、魅力をアピールした。




■DLNAを直感的に操作する「Throw」機能

左がPシリーズ、右がSシリーズ

 発表会終了後は、カフェに場所を移動し、DLNA機器との連携を直感的に実現できる「Throw」のデモなどが行なわれた。

 「ミュージックプレーヤー」などのアプリが「Throw」機能に対応しており、「Throw」ボタンをタップすると、同一LAN内にあるDLNA対応機器をアイコンで表示。例えば、選択した楽曲を指で触り、テレビのアイコンまで“Throw”すると、テレビから音が出るという流れ。

 ほかにも、電子書籍ビューワー機能や、PetaMapが2画面レイアウトで利用できる、Pシリーズ専用アプリも体験できた。


Sシリーズは赤外線リモコン機能も装備。アプリから、他社製品も含めてプリセットされたリモコンコードを呼び出し、設定する。エアコンなど、一部の製品を除き、様々なメーカーの機器を操作できるというリモコンアプリの画面。操作したい機器の選択画面で、機器のアイコンを選択する形となる
静止画や動画表示ソフトから「Throw」機能を呼び出すところ。画面右上の専用アイコンをタップする左下のような「Throw」画面に切り替わる。再生したいDLNA対応機器が、画面上部にアイコンとして現れ、選択できる
表示させたい機器のアイコンに向かって、コンテンツを指で投げ込むようにするするとDLNA経由で静止画や音楽、動画などが対応テレビで再生される
SシリーズとPシリーズはどちらも「PlayStation Certified」プログラムに対応。初代プレイステーションのゲームなどが楽しめ、発売時には「みんなの GOLF 2」と「Pinball Heroes」をプリインストールしている


(2011年 9月 1日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]