ドルビー、映画館用の新オーディオ「Dolby Atmos」

-「音に方向を与える」。専用のJBLスピーカーも


「Dolby Atmos」を導入した映画館のイメージ

 ドルビーラボラトリーズは23日(米国時間)、映画館用の新オーディオプラットフォーム「Dolby Atmos (ドルビーアトモス)を発表した。米国、ヨーロッパ、中国、日本の一部の映画館に導入された後、2013年により多くの映画館へ導入される予定だという。

 ドルビーアトモスは、一般的に利用されているチャンネルベースのミキシング方式と、汎用性の高いオブジェクトベースのダイナミックなオーディオミキシングを組み合わせた方式を採用。観客を取り囲む動的なオブジェクトとして、音に方向を与える新しいサウンドを実現するという。アダプティブレンダリングを採用し、再生環境のスピーカーの配置などに制限されず、制作者が意図した通りの音を忠実に再現。

 制作者にとって、より柔軟なコントロールが可能で、映画館内の任意の場所に、個々のサウンドまたはオブジェクトを配置、移動させることができる。オーディオの再生には記述的メタデータを使用し、5.1chまたは7.1chのミックスを忠実に自動生成する。ミキサーは、各シーンをリアルタイムでモニターしながら調整でき、常に意図した通りのサウンドが得られているか検証できるとしている。同時に最大128(チャネルまたはオブジェクト)までのロスレス音声入力データの転送が可能で、5.1chから64chまでのディスクリート出力をレンダリングできる。

 ドルビーアトモスの開発にあたり、JBLブランドのスピーカーで知られるHarman Professionalと協力。Harman Professionalは、ドルビーアトモスの性能を最大限に引き出すという専用パワードスピーカーを設計した。

Dolby AtmosのロゴDolby Atmos用のモニタリングツールパンナーの画面


(2012年 4月 24日)

[AV Watch編集部 中林暁]