キヤノン、NABで発表した4Kカメラやモニターを披露
キヤノンは22日、4K映像記録に対応したカメラや映像ソリューションを集めた「CINEMA EOS SYSTEM CANON 4K EXPERIENCE」を開催。映像制作関係者らを中心に、キヤノンの新しいCINEMA EOS SYSTEMと4K制作環境について紹介した。
4月に米国で開催した「NAB」の展示内容を中心に、4K撮影対応のビデオカメラ「EOS C500」や、デジタル一眼レフカメラ「EOS-1DC(10月発売予定)」などを紹介。また、NABで出展した30型4Kディスプレイも参考展示した。
30型4Kディスプレイでは、EOS-1DCで撮影した映像などを表示。デバイスは液晶だが、その他の仕様については公表しておらず、解像度が横3,840ドットになるのか、4,160ドットかも明らかにしていない。NAB前の開発表明時には、「2012年内の製品化を目指す」としていたが、発売時期も未定としており、NABや今回のような展示で利用者の意見を聞きながら、サイズや用途などの検討を進めていくという。
開発中の30型/4K液晶ディスプレイ |
EOS C500 | EOS-1DC |
EOS C500や1DCについてのセミナーも開催。C500の4K(4,096×2,160ドット/3,840×2,160ドット)60pでの撮影機能やそれを実現するキヤノンの技術を紹介した。C500は既発売のC300と同様に、本体だけでフルHDのMPEG-2/4:2:2/50MbpsでCFのカードに映像記録可能だが、外部レコーダを利用することで4K RAW記録が可能になる。
外部レコーダは3G-SDIで接続する必要があり、C500では、R/G/Bのオリジナルのベイヤーデータを、各チャンネルの2Kに割り当てて、各チャンネルのRGB+Aシリアルデータを生成して、3G-SDI経由で伝送する。AJAなどから対応した外部レコーダが発売され、各社の関連製品も展示された。
C300とC500の仕様比較 | 4K記録時には外部レコーダを利用 | ワークフロー |
3G-SDI伝送時の処理 | RAW出力形式 |
会場には4Kシアターも設置し、EOS-1DCで撮影した短編「The Ticket」と、C500で撮影「Man and Beast」を上映。4K映像の画質や整った制作環境などをアピールした。
EOS-1DCで撮影した短編「Ticket」 | C500で撮影「Man and Beast」 |
(2012年 5月 23日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]