ソニー、“ほぼBRAVIA内蔵”のボード型PC「VAIO L」
-X-Realityを搭載。裸眼3Dやnasne連携も
VAIO L(SLV24119) |
ソニーは、液晶テレビ「BRAVIA」相当の機能を備えたボード型PC「VAIO Lシリーズ」を6月9日より順次発売する。グラスレス3D対応の最上位モデル「SLV24119」と、Core i7プロセッサ搭載「SVL24118」、Core i5の「SVL24117」をラインナップし、価格はオープンプライス。店頭予想価格は18万円~25万円前後。
BRAVIAの高画質回路「X-Reality」を搭載するほか、USB HDDへの録画機能も搭載。パソコンを起動せずに単体のテレビとしても利用可能。TV機能は「スグつくTV」と命名されており、BRAVIAとほぼ同じGUIの「NUX」を採用している。SVL24118/24117はブラックとホワイトの2色を用意する。また、CTOモデルも用意し、SSDの選択や、CPUやメモリの強化が可能。
SVL24119 | SVL24118 | SVL24117 |
型番 | グラスレス 3D | CPU | スグつくTV | 発売日 | 店頭予想 価格 |
SVL24119 | ○ | Core i7-3610QM (2.3GHz) | ○ | 6月30日 | 25万円前後 |
SVL24118 | - | 6月9日 | 20万円前後 | ||
SVL24117 | Core i5-3210M (2.5GHz) | 18万円前後 |
■ BRAVIAの高画質/高音質機能を搭載したパソコン
液晶パネルは1,920×1,080ドットのフルHD「VAIOディスプレイプラス」で、バックライトLED。SVL24119のみ「グラスレス3D」機能を搭載。3Dメガネを装着せずに、3D映像を楽しめる。さらにカメラを使った顔認識技術により、視聴者の位置を判別して、3D表示を最適化する機能も搭載している。
VAIO Lの利用イメージ |
新VAIO Lの最大の特徴はTV機能とパソコン機能の融合。これまでのVAIO Lシリーズでは、パソコンのOS上でテレビ視聴/録画アプリケーション「Gigapocket」によりTV機能を実現していた。しかし、新VAIO Lでは、パソコンとテレビの入力系統を完全に別管理として、テレビ/ディスプレイの入力として、PC、HDMI、スグつくTVを選択する形とした
X-Reality |
また、スグつくTVでのTV視聴時に、BRAVIAの映像エンジン「X-Reality」を採用。BRAVIA相当の超解像や高画質化処理を盛り込み、高精細化やノイズ低減などを図っている。ユーザーインターフェイスもAV機器感覚で使える「NUX」を採用。これにより、付属リモコンやスマートフォンアプリ「Media Remote」などからテレビと同じ感覚で操作できる。
スグつくTV用のチューナは地上デジタル1系統で、USB HDDへの録画にも対応。MPEG-2 TS形式でUSB HDDに録画できる。ただし、録画した番組はPC機能からはアクセスできず、録画番組が再生できるのはスグつくTV利用時のみとなる。パソコン起動時にスグつくTVのテレビ放送を子画面表示することは可能(HDMI inとPCの同時表示は不可)。
また、スグつくTV用のほかに、地上/BS/110度CSデジタルチューナを2系統装備。パソコン起動時に「Giga Pocket Digital」による2番組同時録画や長時間録画に対応する。Giga Pocket Digitalでは「おまかせ・まる録」やウォークマンやPlayStation Vitaへの番組書き出しにも対応する。
EPG情報をもとに、最適な画質/音質モードを選択する「シーンセレクト」も搭載。スグつくTVではDLNA再生にも対応しており、DTCP/DLNA対応のBDレコーダ内のデジタル放送番組などをネットワーク経由で再生できる。地デジのデータ放送や双方向通信にも対応。HDMI CECにも対応する。'11年モデルのBRAVIAをとの比較した際に削除されている機能は、HTMLブラウザとIPTV(BMLブラウザ)機能、アプリキャストなど。B-CASカードは地デジ、3波用の2つで、いずれもミニカードとなる。
音質にもこだわり、大容量スピーカーを搭載。6W×2ch+8Wの2.1chスピーカーで、独自のデジタルアンプ「S-Master」を搭載。バーチャルサラウンド機能の「S-Force Front Surround 3D」も搭載する。
■ 液晶はマルチタッチ対応。VAIO TV with nasneも
PC機能利用時には、ディスプレイ部を10点マルチタッチ対応のタッチスクリーンとして利用可能。CPUとメモリは上位2モデルが、Core i7 3610QM(2.3GHz)、8GB、下位モデルのSLV24117がCore i5 3210M(2.50GHz)、4GB。HDDは全モデル2TB。BDXL対応のスロットイン型Blu-rayドライブやIEEE 802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 4.0なども搭載する。Officce Home and Business 2010も付属する。OSはWindows 7 Home Premium(64bit)。
HDMI入力は1系統。Adobe Photoshop Elements 10なども付属するほか、3D対応のSLV24119には、3D対応のFamily Paint 3Dなどが含まれる。
また、TV番組視聴/録画アプリケーション「VAIO TV with nasne」も提供。SCEのネットワークレコーダ「nasne」(別売)とホームネットワーク経由で接続し、nasneの操作や録画した番組を視聴できる。写真やビデオの整理・編集・保存がカンタンにできる「PlayMemories Home for VAIO」なども付属する。
(2012年 6月 4日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]