スペック、バージョンアップしたプリメイン「RSA-V1 DT」

-ローパス吟味で音質改善したデジタルアンプ。約50万円


「RSA-V1 DT」(DESIGNER TUNED)

 スペックは、ステレオプリメインアンプ「RSA-V1」のバージョンアップモデル「RSA-V1 DT」(DESIGNER TUNED)を8月1日に発売する。価格は504,000円。

 2010年11月に発売した「RSA-V1」(472,500円)をベースに、「押し出し感の強い低域、自然で滑らかな高域、さらに SN感の良いリアルな音場を実現した」というバージョンアップモデル。「RSA-V1」のユーザー向けに、「RSA-V1 DT」とほぼ同等の音質にチューンナップする有料サービスも52,500円で受け付ける。申し込み方法などの詳細は同社サイトにて。

 「RSA-V1 DT」の特徴は、パワーアンプ部に精度の高いPWM(パルス幅変調)スイッチングのパワーMOS FETを採用している事。ドライバー段には高耐圧で時間軸制御に優れたドライバーICを使用。エネルギーの集中する中低域でも優れたダンピング特性を発揮し、低能率のスピーカーでも鳴らし切れるという。最大出力は50W×2ch(8Ω)、75W×2ch(6Ω)、100W×2ch(4Ω)。周波数特性は10Hz~30kHz±1dB(6Ω、1W)。

 パワー段は、電源の利用効率が最大出力時96%と高能率。さらに、シンプルでノイズ発生が極小のアナログ電源、コンデンサーインプット型のブリッジ整流による±電源を採用。整流器には高耐圧・大電流用「ウルトラファースト・ソフトリカバリー・ダイオード」を使っている。電源部のコンデンサには、異なる音質的な特長を持つ3種類のオーディオ専用電解コンデンサを並列に搭載。整流容量を確保しつつ、全帯域での音色のバランスを取り、また ESR(等価直流抵抗)も改善させている。トランスは大容量のRコアトランス。

 また、「RSA-V1 DT」の改良点として、電源部に特殊な制振対策を施しており、電源部の振動が与える音質への悪影響を最大限排除したという。

 最終段でPWMの搬送波(約400KHz)を除去し、アナログ出力のみを取り出すローパスフィルタを、「RSA-V1 DT」では「試聴で徹底的に吟味し、より押し出し感の強い低域、自然で滑らかな高域の再生を目指した」(スペック)というパーツに変更している。

 電源トランス部、パワーアンプ部、ローパスフィルタ部にそれぞれ特殊な鋼板製のシールドケースを被せることで、電磁的な相互干渉を遮断。RSA-V1 DTではさらに、シールド内部に最上級機「RSA-F1」でも使われた「EMT(電磁波吸収塗料)」コーティング処理を施し、電磁波の悪影響を排除している。

 底面には木製のアンダープレートとインシュレータを装着。アンダープレートは、響きの美しいカナダ産シトカスプルースの無垢材と、しなやかな北海道産シナ材の合板の2種類を使用。不要な振動を抑えるだけでなく、豊かな響きを生み出すという。インシュレータは堅い北海道産のイタヤカエデの無垢材をラウンド形状に加工、最小面積による接地と安定な3点支持としている。

 ロック機構付きの大容量パワースイッチ、通信機用のパーツをつかったセレクタ、高精度のカスタムボリュームも使用。RCA入力ジャックにはロジウムメッキ部品を使っている。背面の切り替えスイッチにより、パワーアンプとしても利用可能。別売のリモコンボリュームコントロール用リモコン「RSR-3」も利用できる。

 入力はRCAアンバランス×3、バランス×1。スピーカーターミナルは1系統。消費電力は最大180W、無信号時15W。外形寸法は440×414×120mm(幅×奥行き×高さ)。重量は14.5kg。


(2012年 7月 24日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]