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AZLA、2200円の“スーパーエントリー有線イヤフォン”「TRINITY」。「クラス最高音質目指した」
2025年7月9日 11:00
アユートは、AZLAブランドと共同企画した2,200円の有線イヤフォン“スーパーエントリーモデル”「TRINITY」(トリニティ)を、7月12日に発売する。ステレオミニ接続タイプに加え、USB-C接続タイプもラインナップするが、価格は同額。カラーは各モデルにBlack、Blue、Champagne Goldの3色を用意する。
なお、製品のパッケージは輸送時の本体保護用のため、箱の軽微な潰れや破損等のパッケージを理由とした製品交換や返品は受け付けないという。
「より多くの方に高価なHi-Fi有線イヤフォンの世界と音質の片鱗を体感して頂きたいという思いからクラス最高音質を目指して新規開発した、スーパーエントリーとなるコンセプトモデル」という。「A game Changer for All Music Lovers」をスローガンに掲げ、フィッティング、サウンドクオリティ、コストパフォーマンスの三位一体のコンセプトを体現する新世代の有線イヤフォンを目的として名付けられた。
音質の要となるドライバーには、8mm径の「発展型ARDドライバー」を搭載。発展型ARDは、極薄のPU+PEEK複合膜振動板を2枚の樹脂層でサンドした46μ厚3層レイヤー構造振動板と、ボイスコイルの外にドーナツ型マグネットを入れて磁力を効率的に得られる外磁型マグネットを採用した特別なダイナミックドライバー。一般的な1層構造振動板では難しい分割振動を抑制することで、超低域から超高域までほぼ歪みのない音質を可能にしたという。
PU+PEEK複合膜振動板により均一性と軽量化を実現し、高周波を拡張、ディテールの強化、非線形歪みを軽減し、優れた音質を提供。さらに振動板を2枚の樹脂層でサンドした3層構造により、イヤフォンの振動板として最適な内部損失と剛性を実現。磁気回路から伝達された振動を、核となる薄型軽量PU+PEEK層が限りなくロス無く受け止め、前後の樹脂層によるダンピング効果と相まって、全帯域に渡りフラットな特性を実現した。
分割振動の排除により歪みを抑制することで、シングルドライバーで超高音域まで広帯域に渡りクリアな再生を実現。周波数特性の乱れや位相歪みなどのない、ワイドレンジ再生を可能にしたという。
ドライバーの性能を引き出すために、トライアンドエラーを繰り返しながら細やかなチューニングを施した。超低域から超高域まで徹底的に歪み感を排除し、付帯音が少なくSN比の高いクリアサウンドを実現。「一つの素材の持ち味を最大限引き出すことに注力することで得られる、繊細で奥行きあるサウンドに仕上げた」という。
低音域は、ドライバーの特徴を活かし「見える低音」を目標として内部損失の最適化を行ない、高い低域解像度と体感できるサブベース(超重低音域)を実現。ボリュームを上げてもピークや歪みが出ず破綻しないサウンドになっているという。筐体はアルミで共振を抑制している。
付属のイヤーピースは、専用形状で開発し、素材にプレミアムシリコンを使った「SednaEarfit T」 。耳掛けイヤモニ型ではないTRINITYのフィッティング向上と、遮音によるSN比を最大化するために、KCC SILICONE製プレミアムシリコンを採用し、専用形状で開発している。4サイズ(S/MS/M/L)を同梱。
傘部分を曲線形状にし、先端に向かって傘部が薄くなる独自のテーパードフィット構造を採用することで、耳への圧迫を抑えつつ的確に遮音し、内部ホーン形状にてイヤフォン本体から出る音をストレートに耳に伝達する。
持ち運び用にキャリングポーチも付属。
入力プラグはモデルによって異なり、3.5mm 3極L字プラグ採用120cmのStandardタイプと、USB Type-Cプラグ採用で高感度マイク搭載150cmのUSB-Cタイプを用意。USB-CタイプはUAC1.0仕様で、最大48kHz/16bit再生、Switch/Switch 2やPS5にも対応する。
【記事訂正のお知らせ】記事初掲時、「最大96KHz/24bitのハイレゾ再生」と記載していましたが、メーカーの仕様訂正に合わせ、表記を修正しました。(7月18日11時56分)
ファーストインプレッション
ステレオミニ接続タイプもUSB-Cタイプも、どちらも2,200円という、AZLAブランドとしては衝撃的な価格の有線イヤフォンだ。気になるサウンドを、短時間だが試聴した。なお、詳しいレビュー記事は近日掲載予定だ。
TRINITYが衝撃的なのは、この価格であっても“ナチュラルにこだわり、真面目に作られたサウンド”である事。
一般的に、低価格なイヤフォンは低音を膨らませて迫力のある音を演出したり、高域を強調して綺羅びやかさを出すような、いわゆる“ドンシャリ”傾向である事が多いが、TRINITYは、良い意味でそのタイプではない。
全体の傾向としては、わずかに低域が強めだが、低域から高域までバランスは良く、低重心でクリアな音に仕上がっている。
ドライバーの歪みが非常に少なく、アルミ筐体の響きも抑えられているので、音色はナチュラル。付帯音が少ないので、人の声が生々しい。この価格でも、Hi-Fiなサウンドを目指して真面目に作られたイヤフォンである事が音で伝わってくる。
もちろん、高価イヤフォンと比べると、何か凄い特徴があるわけではない。だが、それが逆にTRINITYの特徴とも言える。聴いてみると、誰しも「これが2,200円のイヤフォン?」と驚き、「この値段なら1個買っておくか」という気になるだろう。