NOTTVで8月27日から、“踊る”の新ドラマが放送

-9月公開の劇場完結作と連携。シフトタイム配信も


左から長瀬国博監督、織田裕二さん、夏帆さん

 NOTTVは3日、8月27日から放送するオリジナルドラマ「係長 青島俊作2 事件はまたまた取調室で起きている!」の完成記念試写会を開催。出演している織田裕二さん、夏帆さんと長瀬国博監督も参加し、作品の見所を語った。

  NOTTVは携帯端末向けのマルチメディア放送「モバキャス」の放送局の1つで、月額420円の有料サービス。ワンセグよりもクオリティの高い画質/音質で番組視聴でき、リアルタイム視聴のほか、端末蓄積型の放送「シフトタイム視聴」にも対応しているのが特徴。4月1日のサービス開始から約4カ月となる7月28日に、契約件数が10万件を突破している。
 現在はロンドンオリンピックの番組も放送しているが、オリジナル番組にも力を入れていく方針で、「係長 青島俊作2 事件はまたまた取調室で起きている!」は、その目玉作品の1つとなる。

劇場版公開までの流れ

 ドラマ「踊る大捜査線シリーズ」は、これまで何度も映画化されているが、9月7日から全国公開される最新作「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」で、シリーズ完結になるという。NOTTVの「係長 青島俊作2」は、その「踊る大捜査線 THE FINAL」のサイドストーリーという位置付け。

 9月1日オンエア予定のテレビドラマスペシャル「踊る大捜査線 THE TV SPECIAL」の1カ月前、「踊る大捜査線 THE FINAL」の2カ月前の出来事が描かれており、テレビ、NOTTV、映画で公開される3つの作品の時間軸が繋がっているのが特徴。2作品を楽しんでから映画館に迎えば、さらに映画が楽しめるという趣向になっている。

 NOTTVのドラマは1話15分の作品で、全10話構成。最終話は20分となる。8月27日から9月7日まで、平日深夜0時~0時15分にかけて放送するほか、土日には、1週間分をまとめて再放送。さらに、シフトタイムでも配信され、期間中はいつでも視聴できるという。なお、一度に全話が放送/配信されるのではなく、8月27日からは1~5話、9月3日からは6話~10話が提供される。

 また、2010年にドコモ動画で配信された、係長シリーズの第1弾「係長 青島俊作 THE MOBILE 事件は取調室で起きている!」(全12話)も、8月20日から25日にかけ、NOTTVで6日間特別放送されるという(放送時間は深夜0時~0時15分)」。

 記念したSNSキャンペーンも実施。Twitterのハッシュタグ「#事件はツイッターでも起きている」を検索すると、そこからロールプレイングゲームがスタート。次々とクリックしていけば捜査に参加できる……という内容。Facebook、Google+向けにも別のゲームが用意される。詳細は特設サイトにて。


試写会の会場には、対応端末や撮影で使われた小道具などが展示された



■映画公開まで“踊るざんまい”

mmbiの小牧次郎常務取締役

 mmbiの小牧次郎常務取締役は、フジテレビの映画部時代を振り返り、「“踊る”の映画化の際、企画書に“これが当たらなければ、当たる映画は無い”と書いた。その結果、少し暗くて、頭でっかちで、我慢するような作品が多かった日本映画を“踊る”が変えた。明るくて、デートや大人数で楽しめるような面白い映画。観客数3,000万人、興行収入400億円以上を記録。日本のエンターテイメントの歴史に燦然と輝くフランチャイズになった。そして、NOTTVが、“踊るがまたがる”最後のメディアになった」と説明した。


織田裕二さん

 「係長 青島俊作2」は、取調室をメインとした会話劇の作品。青島係長役の織田裕二さんは、分厚い台本を見て「まず、セリフ覚えるの大変だなと思いました」と笑う。ドラマの中で青島は、徹夜明けにもかかわらず、謎多き被疑者達への取り調べを重ねていく事になるが、「撮影も徹夜が続いて、途中から演技ではなく、本当に徹夜明けになっています」とのこと。

 事件の目撃者となる商店街のアイドルを演じたのは夏帆さん。「小さい頃から“踊る”を観ていたので、まさか自分が関われると思っておらず、撮影はとても刺激的でした。台本に“青島”と書いてあるだけで感動して、織田さんを観て“本物だ!”と思いました」と場内を沸かせた。


夏帆さん長瀬国博監督

 NOTTVでの放送とのことで、スマートフォンで映像を観た織田さんは、「映像のカクつきがなくなって、とても綺麗。シフトタイムで保存されるので、電波が届かない場所でも楽しめると聞き、アウトドアが好きなので、外で楽しみたいですね」と、画質・機能どちらも気に入った様子。

 長瀬国博監督は、“NOTTV活用シチュエーション”として、「放送が夜中の12時なので、例えば女性が“係長観なきゃいけないから、もう帰るね”と言った時に、近くの公園などでサッとスマホを取り出して“ここで観られるよ”と。全国の公園があなたのソファーになると、そういった女性をナンパするシチュエーションはどうでしょうか」とユニークな提案。これには隣の織田さんも苦笑いしていた。


司会はフジテレビの笠井信輔アナウンサーが担当

 そんな長瀬監督は、「15年前のテレビから携わらせていただいて、完走させていただいた。織田さん、スタッフの皆さんに感謝したいです。映画やテレビスペシャルと共に、NOTTVのドラマもよろしくお願いします。私のファンの一人として楽しみにしています」とアピール。

 夏帆さんも「どちらかというとファンの方と同じ目線で参加しています。NOTTVのドラマもすごく面白い展開になりますので、お楽しみにいただければと思います」と頭を下げる。

 最後に織田さんは、「(この作品は)長く続いたことにより、お客様との一体感が得られ、踊るフリーク、踊るマニアが出てくるような作品になれた。一緒に育てていただいたような15年間でした。夏帆ちゃんは、新しく入ってきたメンバー達には、よく“本物だ”と言われます(笑)。不思議な感情なのですが、そうした感情も、なかなか持てないんじゃないかと思います。まだ、踊るの世界を知らない人もいると思いますが、ぜひ一度味わっていただきたい。まだ知らない人がいたら、引きずり込んでいただいて、これから劇場公開まで、ずっと“踊るざんまい”で、浸かっていただければと思います」と、映画公開に向けた一連のムーブメント全体をアピール。集まったファンから大きな拍手を浴びた。


スケジュール的にNOTTVのドラマが、映画よりも後の収録になり、青島俊作を演じる最後になったとのこと。現場には、NOTTVのドラマとは直接関係はないものの、歴代作品の監督やスタッフが集結して織田さんの労をねぎらったという。「涙は出さなかったですが、心のなかではドゥアーって涙出てました(笑)。皆がこの作品に愛情を持っていたというのを改めて感じました」と感激した様子子供の頃から“踊る”を楽しんでいたという夏帆さん

(2012年 8月 3日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]