【CEATEC 2012】ソニー、4K TVを3D/ゲーム/写真に活用

年内発売NEX-5R/NEX-6も披露。VAIOやウォークマンも


初日のソニーブースには、平井一夫CEOも訪れた

 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2012」が2日、幕張メッセで開幕した。期間は10月6日まで。2日は特別招待日で、一般公開日は10月3日~6日。最終日となる6日は入場無料。3~5日の入場料は一般1,000円/学生500円だが、事前登録を行なうことで入場無料となる。

 ここではソニーブースをレポートする。




■BRAVIA「KD-84X9000」をアピール

84型の4K対応液晶テレビ・BRAVIA「KD-84X9000」

 ソニーブースでは、84型の4K対応液晶テレビ・BRAVIA「KD-84X9000」(11月23日発売/168万円/受注対応)を複数展示。その能力を様々な側面からアピールしている。

 1つは画質。フルHD映像を表示したものと、フルHDを超解像高画質回路「4K X-Reality PRO」を用いて4Kにアップスケーリングして表示したものを比較展示し、高画質回路の性能と、4K映像のクオリティをアピール。さらに、新聞を撮影した2K映像と4K映像で比較する展示も用意。解像度の高さを訴求している。


2K映像と4Kアップスケーリング映像の比較新聞を表示して解像度の違いをアピール。近づいて撮影したもので、左が2K、右が4K。4Kでは楽に文字が読める

 また、「KD-84X9000」は3D映像の表示にも対応。3D映像を3,840×2,160ドットにアップコンバートした上で、偏光シートで左右それぞれ4K1K(3,840×1,080ドットの)の映像として、水平に1ラインずつ振り分けて表示し、新開発のパッシブ3Dメガネで視聴する。フルHDの3Dパネルより高精細な3D映像が得られる事や、軽量なメガネが使える事を利点としてアピールしている。

 同様の技術を使い、PlayStation 3を用いて、2人用のゲームをする場合、1つの画面に異なる2D映像を表示できる「SimulView」機能も用意。会場では実際に対戦プレイをしてている様子が、メガネを付け替えて体験できる。

3D表示にも対応軽量のパッシブ3Dメガネが使用できる1つの画面に異なる2D映像を表示できる「SimulView」機能。メガネを通して右と左、違う映像が見えている

 PS3向けアプリとして、年度内に提供予定の「PlayMemories Studio 4K対応版」(試作品)も参考展示。写真や動画の管理・表示ができるアプリだが、4Kに対応するバージョン。4K静止画表示でも快適に操作でき、撮影した場所の地図から写真を選ぶなどの機能も利用できる。

「PlayMemories Studio 4K対応版」(試作品)の参考展示



■NEX-5R/NEX-6を参考展示

 NEXシリーズの新モデルとして、年内の国内発売が予定されている2機種が参考展示された。NEX-5RとNEX-6の2モデルで、これらの追加により、NEXのデジタルカメラはNEX-F3、NEX-5R、NEX-6、NEX-7という4モデルのラインナップとなる。

 どちらもAPS-C相当の撮像素子を搭載。NEX-5Rは有効1,610万画素CMOSセンサーを搭載。最大1,920×1,080ドットのAVCHD動画撮影にも対応。「Fast Hybrid AF」と呼ばれるAF機構を採用し、位相差検出で高速に測距、コントラスト検出でピントを追い込む。

 「NEX-6」も1,610万画素Exmor APS HD CMOSセンサーを搭載。NEX-5Rとの違いとして、NEX-7のような有機ELファインダー(0.5型/約236万画素)を内蔵しているのが特徴。位相差AFとコントラストAFを併用する「Fast Hybrid AF」も備えている。NEX-7の背面に備えた操作ダイヤルが1つに減っているなど、操作面でも違いがある。

NEX-5RNEX-6NEX-6の背面

 これら、「NEX-5R」と「NEX-6」に共通する特長として、カメラ本体に無線LAN機能を内蔵。「PlayMemories Camera App」というサービスに対応している。これは、スマートフォンのようにアプリを「PlayMemories Camera App」からダウンロードし、カメラにインストールする事で、機能拡張ができるもの。必要なアプリを入れていく事で、ユーザーの好みに合わせたカメラに仕立てる事ができる。

 具体的には、カメラの無線LAN、もしくはUSBでカメラとPCを接続してアプリをダウンロード/インストールする。利用にはSony Entertainment Network(SEN)のアカウントが必要。アプリは「Picture Effect+」、「Bracket Pro」、「Multi-Frame NR」、スマートフォンからの操作を可能にする「Smart Remote Control」、「Direct Upload」などを用意。順次追加していくという。

メニューからアプリケーションを選ぶと撮影用機能アプリがズラッと表示され、好きなものを選ぶ「PlayMemories Mobile」アプリをインストールしたタブレットから制御しているところ

 デジタルカメラ系では、フルサイズCMOS採用のデジタル一眼最上位「α99」や、コンパクトデジカメながらフルサイズセンサーを搭載したサイバーショット「DSC-RX1」、レンズ交換式ビデオカメラで、Eマウントを採用しながらフルサイズセンサーを備える「NEX-VG900」も展示。

コンパクトデジカメながらフルサイズセンサーを搭載したサイバーショット「DSC-RX1」レンズ交換式ビデオカメラで、Eマウントを採用しながらフルサイズセンサーを備える「NEX-VG900」フルサイズCMOS採用のデジタル一眼最上位「α99

 また、防水仕様でスポーツやアウトドア環境で利用できる“アクションカム”「HDR-AS15」(10月12日発売/実売3万円前後)も展示。豊富な取り付け用アクセサリや、防水機能もアピールしている。

“アクションカム”「HDR-AS15」自転車用ヘルメットに取り付けたところ様々なスポーツシーンで活用できるという



■その他

 1日に発表された、VAIOの2012年秋モデルも展示。「Duo 11」は、11.6型、1,920×1,080ドットのIPS液晶を備えたモバイルPCで、タッチパネル操作の「タブレットモード」と、ハードウェアキーを使う「キーボードモード」に対応。ディスプレイ部がスライドして、これらのモードがスムーズに切り替わる「Surf Slider」デザインを採用。

VAIOの2012年秋モデルから「Duo 11」

 「Tap 20」は、リビングなどで利用する「テーブルトップPC」として提案するモデル。20型ディスプレイの背面にスタンドを備え、通常のデスクトップのように画面を立てるほか、自由な姿勢でタッチ操作できるように画面をやや上に向けたスタイルや、画面を平らにして複数の人で楽しむスタイルにも対応する。

「Tap 20」も平らにできる

 スマートフォンでは、「Xperia T」、「Xperia V」、 「Xperia J」を参考展示。1,300万画素のカメラを内蔵し、4.6型液晶を備えた「Xperia T」と、LTEに対応し、防水・防塵機能を備えた「Xperia V」、スタイリッシュなデザインが特徴の「Xperia J」と、それぞれに特徴がある。

 なお、NFCに対応するモデルは「Xperia T」と「Xperia V」。会場では、「NFC簡単接続アプリ」を用いて、対応スピーカー「SRS-BTM8」、「SRS-BTV5」や、対応ヘッドホン「MDR-1RBT」にスマートフォンをかざすだけで、Bluetooth機器とのペアリングができ、誰でも簡単にワイヤレスで音楽が楽しめる簡便さをアピールしている。

参考展示されている「Xperia J」NFC対応スマートフォンと、対応Bluetoothヘッドフォン、Bluetoothスピーカーを用いて、タッチするだけでペアリングできる簡単さをアピール
プレミアムクラスに位置付けられる新しいヘッドフォン「MDR-1R」(10月27日/30,975円)同社初のポータブルヘッドフォンアンプ参入第一弾「PHA-1」(10月10日/49,350円)。iPodとのデジタル接続にも対応。DACはWolfsonのWM8740で、24bit/96kHzまで対応している10月20日にウォークマンの最上位モデルとして発売される「NW-F800シリーズ」。3.5型液晶やAndroid 4.0を搭載し、FLAC再生にも対応してる
nasneをメインに、VAIOやXperia Tabletで録画番組を共用するデモコーナーnasne展示コーナーには、新型PlayStation 3も展示。光学ドライブが従来のスロットインタイプではなく上部に移動。イジェクトボタンを押すと、上部のパネルが向かって左に自動でスライドし、ディスクの入れ替えが可能。閉じる時は手動で戻す
Xperia Tablet紹介コーナーでは、豊富な周辺機器を展示有機EL採用で720p/3D表示対応の新ヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T2」も体験できる

(2012年 10月 2日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]