「CEATEC JAPAN 2012」開幕。4K大型TV時代の幕開け

ソニーと東芝が84型4K、シャープ新パネル。車系も充実


 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2012」が2日、幕張メッセで開幕した。期間は10月6日まで。2日は特別招待日で、一般公開日は10月3日~6日。最終日となる6日は入場無料。3~5日の入場料は一般1,000円/学生500円だが、事前登録を行なうことで入場無料となる。

 展示ホール1~8を使用。出展者数と小間数は624社/団体(うち海外19カ国/地域から161社/団体)。合計小間数は2,288小間。昨年の586社/団体、2,255小間と比べ、増加している。

 主催は情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、社団法人情報技術産業協会(JEITA)、社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)、CEATEC JAPAN 実施協議会。

 AV関連の最新技術やコンセプトモデルが多数展示されているほか、各社の新製品も一堂に出展されている。



■ソニー

84型の4K対応液晶テレビ・BRAVIA「KD-84X9000」

 ソニーブースでは、84型の4K対応液晶テレビ・BRAVIA「KD-84X9000」を展示。解像度3,840×2,160ドットのパネルと、超解像高画質回路「4K X-Reality PRO」の組み合わせによる高精細な映像を訴求している。

 また、ブランドをXperiaにした新タブレット「Xperia Tablet S」のAV機器との連携をアピール。スマートフォンの「Xperia T」、「Xperia V」、「Xperia J」も参考展示。NFC搭載の「Xperia T」と「Xperia V」では、同じくNFC対応のBluetoothスピーカーやBluetoothヘッドフォンとワンタッチでペアリングできる機能をアピールしている。

 デジタルカメラでは、フルサイズCMOS採用のデジタル一眼最上位「α99」や、コンパクトデジカメながらフルサイズセンサーを搭載したサイバーショット「DSC-RX1」、レンズ交換式ビデオカメラで、Eマウントを採用しながらフルサイズセンサーを備える「NEX-VG900」も展示。年内の国内発売が予定されているNEXシリーズ新モデル「NEX-5R」と「NEX-6」も参考出品されている。

 他にも、Android搭載ウォークマン「Fシリーズ」や、ヘッドマウントディスプレイの新型「HMZ-T2」、BDレコーダの「BDZ-ET2000」、ヘッドフォン新モデル「MDR-1」シリーズなど、多数の新製品を紹介している。


コンパクトデジカメながらフルサイズセンサーを搭載したサイバーショット「DSC-RX1」Eマウントを採用しながらフルサイズセンサーを備えるビデオカメラ「NEX-VG900」新型PS3も展示されている。イジェクトボタンを押すと、上部のパネルがスライドしてドライブが出てくる。パネルを戻す時は手動
nasneをメインとしたタブレットやPCとのネットワーク連携のデモも発表されたばかりの新VAIOシリーズも展示しているNFCを使った、スマートフォンとスピーカー、ヘッドフォンの手軽なBluetoothペアリング機能も体験できる



■東芝

 ブース内の「デジタルプロダクツ」コーナーで、84型4Kテレビを参考展示している。IFA 2012で初公開したもので、9月27日の発表会において、2013年春に84型と、60型台、50型台の4Kテレビ3モデルを発売する事が予告されている。

 同じく、9月27日に発表した、REGZAの新モデル「Z7/J7シリーズ」も展示。Z7シリーズはタイムシフトマシンに対応しつつ、HDDを別売にして価格を抑えているのが特徴。また、どちらのシリーズもクラウドサービスの「TimeOn」と連携。このサービスについて解説するコーナーも設けている。

 ほかにも参考展示として、Windows 8対応のUltrabookも用意。スマート家電を通じた近未来の生活の姿や、未来のスマート家電の参考展示なども行なっている。

REGZA 4Kの第二世代となる84型4KテレビREGZAの新モデル「Z7/J7シリーズ」が対応しているクラウドサービス「TimeOn」の紹介



■パナソニック

 NHKと共同で開発した、145型8Kのプラズマディスプレイパネルを参考展示。NHK技研公開やIFA 2012などでも展示されたもので、解像度は7,680×4,320ドット。スーパーハイビジョンの映像をそのまま表示できる。さらに、20型で4K解像度を持つLCDパネルも参考展示している。

145型8Kのプラズマディスプレイパネル20型で4K解像度を持つLCDパネルも参考展示。右は寄って接写したもの
LUMIX DMC-GH3

 また、海外で既に発表しているマイクロフォーサーズの新モデル「LUMIX DMC-GH3」を国内で参考展示。動画記録はフルHDの60pに対応し、MPEG-4 AVC/H.264での録画に対応。イントラフレームのみを使用する記録方式「ALL-I」にも対応し、その際は72Mbpsという高いビットレートで高画質撮影ができる。日本での発売にも期待したい。




■シャープ

 鮮やかな発色を再現しながら、映り込みが少ない、高コントラスト表示を可能にするという「モスアイパネル」を使った、液晶テレビAQUOSを参考出品している。サイズは80、70、60型で、年内の製品化を目指しているという。

 外光の反射を抑えつつ、映像の発色を拡散することなく、高コントラストな表示ができるというもの。大日本印刷の技術を使っており、パネルの表面にナノ単位の細かな突起を用意。一般的な低反射パネルも突起はあるが、そのサイズが大きいため、光の拡散が起こり、コントラストが低下してしまう。モスアイ構造ではナノ単位の突起により、斜めから入る外光の反射を抑えつつ、真下からの映像の光はストレートに表示できるという利点がある。

「モスアイパネル」を使った、液晶テレビAQUOSを参考出品上がモスアイパネルの断面図上がモスアイパネル。かざした手の映り込みが無くなっているのがわかる

 さらに、専用ブースを設けて「ICC-LED TV」も展示。I3(アイキューブド)研究所が開発したICC(Integrated Cognitive Creation)技術と、シャープの4Kパネル技術を組み合わせたもの。さらに、「IGZO」を採用した液晶ディスプレイも各種サイズを展示。13.3型(2,560×1,440ドット)のタブレットタイプや、32型の4K2K(3,840×2,160ドット)のPCディスプレイタイプなどを用意。「高精細」、「低消費電力」、「高感度タッチパネル」といった特徴を紹介。ロボット家電「COCOROBO」の展示も行なわれている。

IGZOを採用した各種液晶ディスプレイと、その活用イメージを展示している



■パイオニア

 パイオニアブースでは、当日発表された新しいカーナビ製品を展示。電気自動車でのドライブをサポートするAV一体型ナビ「AVIC-MRZ007-EV」、「AVIC-EVZ05」や、ナビに手をかざすことで操作ができる「エアージェスチャー」機能を備えた「楽ナビ」新モデル9機種などを紹介している。

ナビに手をかざすことで操作ができる「エアージェスチャー」機能下部にセンサーを搭載している

 今年のCEATECの特徴は、トヨタ自動車が出展し、会場内に電気自動車などが走るコースも用意されるなど、車をテーマとした展示が増加している事。クラリオンや日立製作所も、このクルマ関係のコーナーに大きなブースを構えている。

会場内に電気自動車などが走行するコーナーもトヨタ自動車も出展しているドコモブースで参考展示されているハンズフリービデオフォン。メガネをかけるだけで、正面から撮影しているようなテレビ電話が可能。メガネフレームに設置された複数の超広角カメラで自分撮りを行ない、手で持たずにビデオ通話を可能にしている。将来のメガネ型ウェアラブル端末実現に向けた研究の一環

(2012年 10月 2日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]