エソテリック、フルバランスのプリアンプ2機種

デュアルモノ構成のハイエンド。C-02/C-03X


C-02

 エソテリックは、フルバランス・デュアルモノ構成のプリアンプ2機種を発売する。「Master Sound Works」シリーズのリファレンスとなる「C-02」が12月1日発売で、価格は147万円。「C-03X」は12月15日発売で84万円。




■C-02

 電源部から左右チャンネルを独立。チャンネル間の相互干渉を徹底的に排除するデュアルモノ設計とし、左右チャンネルそれぞれに専用の電源トランスも用意。電源ラインを経由したノイズの混入も防いでいる。

 さらに、入力系統ごとに専用の入力バッファアンプを備え、その後は低インピーダンスのフルバランス信号伝送を行なうことで、すべての入力に対してコモンモードノイズを除去。信号経路でノイズの影響を受けにくくしたという。

C-02の内部。左が上段、右が下段

 ボリュームコントロール方式は「ESOTERIC-QVCS」(Quad Volume Control System)を採用。ボリュームノブを回すことで、左右チャンネル、さらに正・負ごとに独立させた合計4回路のゲイン可変式ボリュームが一括連動。左右、正負の独立が保たれ、チャンネルセパレーションと位相特性に優れたクリアな音質を実現するという。さらに、基板からボリューム素子への配線を無くすことで、信号経路を大幅に短縮し、音質の劣化を防止している。

 電源回路では、左右の入出力アンプ、コントロール部それぞれに専用の電源トランスを用意。5トランス構成としているほか、大容量ブロックコンデンサを組み合わせて、低インピーダンス、高応答性の電源回路を設計。電源整流回路には、整流ノイズの少ないSiC(シリコンカーバイド)ショットキーバリアダイオードなどを使っている。

 出力バッファ回路には、電流出力能力が高く、ハイスピードを誇る高性能素子を採用。バッファ回路をRCA出力の場合は端子ごとに用意し、XLR出力の場合はホット/コールドごとに1回路づつ使用している。

 機能面では、ソースごとの音量差を解消するため、入力ごとにゲインを±18dB(0.5dBステップ)の幅広い範囲で調整可能。左右チャンネルの音量バランスを±6dBの範囲で調整する機能も備えている。フェーズインバート機能なども備えている。


背面

 入力端子はRCA×3、AVプリ入力として使えるRCA、XLR×2を搭載。出力はRCA×2、XLR×2。全高調波歪率は0.0006%(RCA)、0.0004%(XLR)。周波数特性は1Hz~200kHz(-3dB)、3Hz~50kHz(-0.2dB)。SN比は116dB(2V入力、A weight)。なお、RCA、XLRに加え、RCA+XLRの同時出力も行なえる。

 筐体内部は5分割のダブルデッキ(2階建て)構造で、各回路ブロックを専用のコンパートメントに収め、立体的に配置する「3Dオプティマイズド・シャーシ」コンストラクションを採用。外装は肉厚アルミ材を使用。5mm厚のスチール製ボトムシャーシを独自のピンポイントフットで4点支持している。外形寸法は445×457×162mm(幅×奥行き×高さ)、重量は32kg。消費電力は21W。




■C-03X

C-03X

 C-02と同様に、電源部から左右チャンネルを独立。チャンネル間の相互干渉を排除するデュアルモノ設計とし、入力系統ごとに専用の入力バッファアンプも用意。低インピーダンスのフルバランス信号伝送を行なうことで、すべての入力に対してコモンモードノイズを除去し、信号経路でノイズの影響を受けにくくしている。

 ボリュームコントロール方式はESOTERIC-QVCSを採用。電源部には、左右のオーディオ回路、コントロール部それぞれを専用の電源トランスから電源供給する3トランス構成(C-02は5トランス構成)としている。

C-03Xの内部。左が上段、右が下段

 出力バッファ回路には、電流出力能力が高く、ハイスピードを誇る高性能素子を採用。バッファ回路をRCA出力の場合は端子ごとに用意し、XLR出力の場合はホット/コールドごとに1回路づつ使用している。

 入力ごとのゲイン設定、左右の音量バランス調整、フェーズインバート機能、RCA+XLRの同時出力も可能。

背面

 シャーシ内部は、後部の入力アンプ/出力アンプ部をダブルデッキ(2階建て)構造とした4分割構造(C-02は5分割構造)を採用。各回路ブロックを専用のコンパートメントに収め、立体的に配置する「3D オプティマイズド シャーシ」コンストラクションにより、回路同士の相互干渉を抑えている。外装は肉厚アルミ材で、5mm厚のスチール製ボトムシャーシを独自のピンポイントフット3点支持している。外形寸法は445×378×131mm(幅×奥行き×高さ)、重量は22kg。消費電力は18W。

 入力端子はRCA×3、AVプリ入力として使えるRCA、XLR×2を搭載。出力はRCA×2、XLR×2。全高調波歪率は0.0006%(RCA)、0.0004%(XLR)。周波数特性は1Hz~200kHz(-3dB)、3Hz~50kHz(-0.2dB)。SN比は116dB(2V入力、A weight)。



(2012年 11月 26日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]