JCN、KDDI「Smart TV Box」利用のCATVサービスを開始
タブレットへダビングも。アンドロイドマツケンが応援
中央がゲストのアンドロイドマツケン(松平健さん)。その左がKDDIの高橋誠専務、右側がJCNの藤本勇治社長 |
ジャパンケーブルネット(JCN)は、CATVサービス向けに、KDDIのAndroid 4.0搭載STB「Smart TV Box」の提供を11月28日より開始。対応する新サービスの申し込み受付をJCNグループ局で開始した。
28日に都内でサービス開始発表会が行なわれ、「Smart TV Box」の概要や、これを利用したサービスの内容、料金などを明らかにした。また、ゲストとして松平健さんが登場。新たなキャラクター「アンドロイドマツケン」としてステージに現れ、「アンドロイドガールズ」とともにサービス開始を盛り上げた。
■ テレビ視聴やネット動画、auサービスをシームレスに利用。タブレット付きプランも
Smart TV Boxと、JCNサービスのメニュートップ画面。中央がテレビ放送画面 |
Smart TV Boxは、OSにAndroid 4.0を搭載したパナソニック製のSTB。地上/BSデジタルのトリプルチューナを搭載し、別売のUSB HDDへ2番組同時録画が可能。新ユーザーインターフェイスにより、地上/BSデジタル放送、CATVのほか、auのビデオ配信サービス「ビデオパス」や、YouTube、niconicoなどのWebサービスをシームレスに扱える点が特徴。
外付けのUSB HDDへの録画に対応し、2番組の同時録画が可能。DR録画のほか、長時間録画(画質は2段階)にも対応する。USB HDDは同時に4台まで接続可能(登録は最大8台)。デジオンのDiXiMアプリケーションのVer.3.3を搭載し、対応タブレット/スマートフォンへの放送転送や録画番組のLAN視聴、ダビングなどが行なえる。niconicoやradikoなどのWebサービスや、auのビデオ配信「ビデオパス」などのコンテンツも楽しめる。そのほか、auスマートパスやGoogle PlayのAndroidアプリをダウンロードして利用することもできる。
Smart TV Boxと付属リモコン | Androidアプリやauサービスが利用可能 | niconicoやYouTubeなどの動画再生も |
「スマートマックス」の料金 |
このSTBを利用したJCNのサービス名称は「スマートマックス」で、CATVとインターネット(最大下り100Mbps/上り10Mbps)を月額9,450円で利用可能。これに「ケーブルプラス電話」を加えると月額9,975円になる。録画用のUSB HDDとしてアイ・オー・データ機器製のUSB HDDをJCNからも発売。価格は1TBモデルが6,930円、2TBモデルが9,345円。購入者に3,000円キャッシュバックするキャンペーンも実施する。
また、Smart TV BoxにAndroidタブレットを加えた「スマートマックスwithタブレット」の契約では、4,935円でタブレットを買い切り、月額料金は11,025円となる。タブレットは、専用アプリ「Smart TV Remote」によりSTBのリモコンとして利用でき、番組表の閲覧や、放送中/録画済み番組の家庭内遠隔視聴、録画番組のダビングなどが行なえる。このプランへの契約は2年間の継続が必須で、2年経過後は前述のスマートマックス(月額9,450円)へ自動移行する。なお、このタブレット以外にも、11月にauが発売した京セラ製/シャープ製スマートフォンや、12月に発売するシャープ製Androidタブレット「AQUOS PAD」でも同様の機能が利用できる。
「スマートマックスwithタブレット」で購入するタブレットは、NEC製のLifeTouch Lをカスタマイズしたモデル「D000-000023-001」で、OSはAndroid 4.0、CPUは1.5GHz/デュアルコアのOMAP4460 HS、ディスプレイは10.1型IPS液晶/1,280×800ドット、カメラは120万画素インカメラと500万画素アウトカメラを装備。HDMIマイクロ出力やステレオスピーカーなども備える。バッテリは7,710mAhで、連続使用時間はホームページ閲覧が約13時間、動画再生が約10時間。外形寸法は約181×257×7.99mm(縦×横×厚さ)、重量は約540g。
USB HDDに録画可能。写真はJCNから販売されるHDD | 対応タブレットで、録画済み番組を視聴。同時にテレビでも再生できる | タブレットへのダビングも可能 |
auの動画配信サービス「ビデオパス」や音楽配信の「うたパス」、FMラジオストリーミングの「LISMO WAVE」といったauスマートフォンの会員向けサービスに契約していれば、同じIDを使うことで追加料金無しで利用可能(ビデオパス/うたパスは'13年1月から対応)。YouTubeやニコニコ動画も視聴できる。そのほか、Webブラウザも搭載。リモコンのタッチパッドでマウスカーソルを操作できる。さらに、Smart TV Boxを宅内の無線LANアクセスポイントとしても利用できる。
動画関連では、放送中の番組や録画済みの番組、ネット配信動画やビデオパスなどを横断検索する「映像まとめて検索」機能も搭載。また、視聴した動画の出演者などの情報を元に、関連する動画をレコメンドする「ビデオラッシュ」機能も採用している。
CATVならではのサービスとして、コミュニティチャンネルの放送番組を動画で配信する「地元情報 じーもっと」も展開。地域の情報番組や、当日放送のニュースを同日から視聴できる。そのほか、料理のレシピや健康、ショッピング、天気などの情報もテレビに表示可能。
コミュニティチャンネルの番組を観られる「じーもっと」 | JCNオリジナルアプリも用意 | レシピやショッピングなどのサービスも |
■ JCN「お茶の間を変える」。KDDIはiOSへのDTCP対応も前向き
JCNの藤本勇治社長 |
JCNの藤本勇治社長は、「スマートテレビ」の現状について、「アメリカでブレイクし、日本にも必ずやってくる。『スマートフォンが来る』と思っていた数年前のデジャブのようだ」と期待を寄せる一方で、「日本でも各社からスマートテレビが発売されているが、(流行するための)阻害要因があるとすれば、テレビを買い替えないといけない点があり、これが唯一のネックになるかもしれない」とした。
「インターネットの世界をお茶の間のテレビに、というのは言葉では簡単だが、実際は難しい。『テレビを変えて、お茶の間を変える』というのが私たちの決意。家族が集まるテレビライフをもう一度、という意気込みで取り組んでいく」と力強く語る。前述したCATVならではの地元情報配信や、「CATVでは当たり前」という訪問サービスなど手厚いサポートも特徴としてアピールした。
KDDIの高橋誠氏 |
KDDIの高橋誠専務は、「CATVとauで、今までのライフスタイルを変えたい」とし、映像や音楽、ショッピングといったサービスを、Smart TV Boxを中心に据えてスマートフォン/タブレットなどで利用できることにより「お客様に一番近いサービスを、ケーブルテレビと通信で実現したい」との意向を示した。
また、JCN以外のCATV事業者への導入については、J:COMを含む複数の事業者と話し合いを持っているとのことで、「おそらく、年度内にはいくつか対応できる」と明かした。
そのほか、iOS端末へのDLNA/DTCP-IP対応について質問が出ると、「今までは、DLNAにちゃんと対応するためにはハードに手を入れないといけなかったが、著作権管理をソフトウェアで対応できる道筋が見つかっている。それに対応すれば、特にハードに手を入れなくても、全てのDLNA機器で対応できるので、それを目指して開発を進めている」と前向きな姿勢を示した。
「一番近い」サービスの提供を目指す | 家族がスマートフォンを契約すれば、auスマートバリューの利用で割引になることもアピール |
アンドロイドマツケンが、アンドロイドガールズとともに登壇 |
発表会には、JCNのイメージキャラクターを務める松平健さんが登場。JCNは「JCNスマートテレビ」の訴求を目的に、Android搭載のSmart TV Boxにちなんだ「アンドロイド」に扮したプロモーションビデオを制作。JCNグループテレビ局のコミュニティチャンネルで放送する。
松平さんは「アンドロイドマツケンスーツ」を身にまとい、「アンドロイドガールズ」を従えてステージに登場。今までのマツケンサンバとはうって変わった、エレクトロポップ調の「アンドロイドマツケンサンバ」に合わせて、ロボットダンスを披露。会場を大いに沸かせた。
松平さんは、アンドロイドになった感想について「最先端になって、なんでもできそうな気がします。子供もきっと喜ぶのではないかと思った。進化したマツケンサンバを楽しんでいただければ」とした。JCNの新サービスについては「Smart TV Boxで、未来を感じさせるサービスを、ぜひ利用してほしい」と話した。
頭にマゲのようなものがついたスーツをまとい、アンドロイドマツケンサンバのロボットダンスを披露した松平健さん |
(2012年 11月 28日)
[AV Watch編集部 中林暁]