ニュース

VIERA/DIGA向け「niconico」アプリがニコ生に対応

Wii U向けはGamePadの画面で動画表示が可能に

VIERAでアプリ「niconico」を立ち上げたところ。生放送されている番組が優先的に右側に表示されている

 ドワンゴとキテラスは21日、パナソニックの薄型テレビVIERAや、レコーダのDIGA向けに提供しているアプリ「niconico」と、任天堂のゲーム機Wii U向けアプリ「ニコニコ」をアップデート。両アプリで、ニコニコ生放送の視聴を可能にした。

 また、Wii U向け「ニコニコ」では、テレビ画面だけでなく、コントローラの「Wii U GamePad」に搭載したディスプレイでも、新たにニコニコ動画/生放送が視聴できるようになる。

VIERA/DIGA向け「niconico」

 VIERAとDIGAで採用されているプラットフォーム、ビエラ・コネクト向けアプリ「niconico」では、これまでニコニコ動画の視聴には対応していたが、ニコニコ生放送には対応していなかった。アプリの対応機種は、専用サイトに掲載されている。

 21日のアップデートにより、ニコニコ生放送の視聴も可能になる。対応するのは、公式生放送番組、チャンネル放送番組、ユーザー生放送番組。そのほかの有料番組やNSEN、ニコ生クルーズなど、一部のコンテンツは非対応となる。また、ニコニコ動画と同様に、ニコニコ生放送でもコメントの投稿には対応しない。

 利用にはniconicoの会員登録が必要だが、無料会員でもニコニコ生放送を視聴できる。ただし、月額525円のプレミアム会員は、対応する一部のコンテンツ(サムネイルに高画質マークが入っているコンテンツ)を、高画質で視聴可能。解像度やビットレートは公表されていないが、通常のものよりも、高解像度/高ビットレートの映像が楽しめる。また、回線が混雑している時でも、優先して視聴する事が可能。

 なお、ニコニコ生放送の全ての番組が視聴できるわけではなく、映画やアニメなど、テレビ向けの配信が許可されていないコンテンツは視聴できない。「コンテンツプロバイダさんと交渉をしているところで、今後増減する可能性はある」(キテラス コンシューマーエレクトロニクス事業部 事業企画セクションの高橋大樹氏)という。

 テレビは、見たい番組が決まっていなくても、とりあえず電源をONにして眺めるような使い方もあるため、niconicoアプリでは、トップ画面にピックアップされた話題の動画や、公式生放送番組を表示。公式生放送は、現在生放送が行なわれている番組を優先的に表示しており、テレビのチャンネルを切り替えるように、“選択すればすぐに視聴できる”事にこだわったという。

 テレビでニコニコ生放送が楽しめる意義について、コンシューマーエレクトロニクス事業部 事業企画セクション 栗栖到セクションマネージャーは、「テレビ放送に気に入った番組が無い時などに、気軽にニコニコ生放送が楽しめるようになる。また、生放送では国会中継や将棋、麻雀などの放送にも人気があるが、こうした長時間のコンテンツの場合、PCで鑑賞するよりも、テレビの方が適している部分がある」と説明する。

注目度ランキング画面

 公式生放送は、アニメや音楽、スポーツなど、ジャンル別に表示できるほか、お気に入り機能も用意。PC版などで指定したお気に入りとテレビ版のお気に入りは共有される。

 さらに、「注目度ランキング」も用意。PC版における、タイムシフト予約数をもとにした、注目動画のランキングが表示される。ただし、アプリにタイムシフト視聴予約機能は無い。具体的な展開は未定だが、「何らかの形で、ユーザーに向けて、気になる番組の放送開始などを知らせる機能は今後実現していきたい」(栗栖マネージャー)という。

 コメント表示は、映像に重ねて表示する「ニコニコモード」、画面の上部だけに表示する事で映像を見やすくするテロップモードを用意。さらに、新しいモードとして、映像を小さめにして下部に表示し、映像とは重ねず、映像の上にテロップのようにコメントを流す「セパレートモード」も追加。コメントと映像のそれぞれに集中しやすいと共に、映像が縮小されるため、画質の粗が目立ちにくいという。

高画質対応した野球のニコニコ生放送を表示しているところ。動きの激しいシーンではブロックノイズも出るが、離れて視聴すれば、特に見づらいという印象は無い。選手の紹介テロップの文字などもキッチリ解像され、読み取れる
画面上部にコメントを流す「テロップモード」
映像を小さめにして、下部に表示。その上部にコメントを表示する「セパレートモード」

 なお、キテラスでは今後も機能強化を行なっていく一方で、テレビと接続するSTBなど、その他の製品にもniconico視聴用のアプリを広げることで、テレビでniconicoを、より楽しみやすくしていく考えだという。また、ソニーのBRAVIAで採用されているプラットフォーム「アプリキャスト」向けにも、ニコニコ動画視聴用のアプリは提供されているが、こちらでのニコニコ生放送対応は、現在のところ予定されていない。

Wii U向け「ニコニコ」

Wii Uの「ニコニコ」アプリ使用イメージ

 Wii U向けの「ニコニコ」では、6.2型液晶搭載のコントローラ「Wii U GamePad」とテレビ、2つの画面を使って映像が楽しめるのが特徴。従来は、テレビにニコニコ動画を表示し、手元の「Wii U GamePad」で他の動画を探したり、文字入力機能を使ってコメント投稿する事が可能だった。

 今回のバージョンアップにより、VIERA/DIGA向けと同様にニコニコ生放送に対応。さらに、Wii U GamePadでもニコニコ動画、ニコニコ生放送が視聴できるようになった。テレビに映像を表示し、Wii U GamePadにコントローラー画面が表示されている状態で、動画のサムネイル表示に付いている全画面表示マークをタップすると、Wii U GamePadのディスプレイに全画面表示される。

 この状態であれば、例えばテレビを地デジ放送など、外部入力以外のチャンネルに切り替えても、Wii U GamePadでのニコニコ動画/生放送再生はそのまま維持されている。「家族がテレビを使っていて、自分のタブレット端末などを持っていない子供達が、好きなコンテンツを楽しむ、自分のタブレット端末のように活用できる」(高橋氏)という。

アプリを起動したところ
Wii U GamePadのディスプレイでも表示できるようになった

 なお、新たに対応したニコニコ生放送は、公式生放送番組の視聴のみに対応。チャンネル放送番組や、ユーザー生放送番組、有料番組、NSEN、ニコ生クルーズなどには対応していない。また、VIERA/DIGA向けと同様に、プレミアム会員であれば、一部対応コンテンツを高画質で視聴でき、回線混雑時も優先して視聴が可能。高画質モードでのクオリティは、VIERA/DIGAと同等だという。

 マイリスト検索や、他のユーザーのマイリストの閲覧にも対応。さらに、PC版やスマートフォン版での動画視聴履歴が、Wii U版でも反映される「サーバーサイド視聴履歴」にも対応している。

 その他にもWii U版ならではの機能として、Wii Uのソーシャル機能である「Miiverse」投稿ボタンを、動画・生放送コントローラーなどに用意。また、Wiiの各種アプリでは音楽が流れるものがほとんどであるため、「ニコニコ」アプリでもBGMを用意。今回のバージョンアップではBGMのリアレンジ、バージョン変更も行なわれている。

生放送プレイヤー。「Miiverse」投稿ボタンを用意
コンテンツの表示例

 他にも細かい機能として、ランキングやマイリストなどで表示された複数の動画を、ボタン一つで連続再生する機能も用意。「VOCALOIDの音楽をBGMのように再生するなど、リビングでの使用を意識した機能として盛り込んでいる」(高橋氏)という。

 なお、Wii U版では、VIERA/DIGA向けと同じように、話題の動画ランキングを表示する機能も備えているが、子供も利用するゲーム機である事を考慮し、ピックアップするカテゴリを、動物やアニメなどをメインにしているとのこと。

 高橋氏は、Wii U向けアプリの狙いの1つとして、「まず小学生などに使っていただき、一緒に観ていた親御さん達に、niconicoにハマっていただきたい」と説明した。

(山崎健太郎)