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'12年の世界市場で、液晶TV出荷台数が初の前年割れ

中国が5,200万台で世界最大市場。日本勢シェア低下

 米NPD DisplaySearchは現地時間の21日、2012年の世界市場における液晶テレビの出荷台数が、前年比マイナス1%の2億320万台となり、年間で初めて前年割れしたと発表した。第4四半期では前年比0.6%の増加だったが、第1~第3四半期までの減少を相殺できず、年間ではマイナスとなった。

 液晶テレビの世界需要は、先進国地域では前年比18%減少しており、そのマイナスを新興国市場の成長でカバーする形になっているが、「マイナスを相殺するほどの成長率ではなかった」(DisplaySearch)という。

 テレビ全体の出荷台数も、前年比6%のマイナスとなる2億3,266万台となった。北米は横ばいだったが、日本と西欧の出荷台数はそれぞれ68%、15%と急激に減少した。アジア太平洋地域は、中東・アフリカ、ラテンアメリカなどの振興地域が成長が鈍化したという。

 一方、中国では前年比6%の増加となる5,200万台で、世界最大の市場に成長。その他に力強い成長を見せたのは、アナログ放送からデジタル放送へ移行した東欧で、前年比17%の上昇となっている。

 プラズマテレビの出荷台数は、前年比23%のマイナスで、1,335万台。テレビ全体に占める割合は、液晶が87.3%、プラズマが5.7%となっている。

 メーカー別のシェアでは、Samsungが前年比6%プラス成長の27.7%で、2011年に続いて首位。2位は4%のプラス成長でシェア15%のLG。3位はソニーで、前年比34%マイナス成長でシェアは7.8%、パナソニックはマイナス26%成長のシェア6%、シャープはマイナス22%成長のシェア5.4%と、日本メーカーはいずれもシェアを落としている。

 DisplaySearchは、日本メーカーについて、「彼らの焦点は、ボリュームから利益にシフトしている。また、日本のテレビ市場での大規模な減少の影響も受けている」と分析。一方で、国内の成長が強い中国のテレビブランドは、2012年にも力強く成長し、「中国の外でもシェアを拡大した。中国のテレビブランドはグローバルなフラットパネルテレビの売上高の20%以上を占めており、積極的に海外展開を目指している」と分析している。

(山崎健太郎)