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パイオニアへ、ドコモと三菱電機が出資。カーエレ強化へ
ホームAV再編、光ディスク事業の縮小も
(2013/5/13 19:23)
パイオニアは13日、NTTドコモと三菱電機の2社から、第三者割当増資を引き受けることを発表。新たにNTTドコモとの資本業務提携を開始するほか、現在の三菱電機との資本業務提携を強化することで、パイオニアはカーナビ関連技術の強化などを図る。
また、パイオニアは同日付で中期事業計画を発表。ホームAV事業を分社化して子会社のパイオニアマーケティングに統合することや、光ディスク事業のスリム化といった再編を行なうことを明らかにした。
カーナビ事業強化に向け、ドコモ50億円/三菱40億円の出資
NTTドコモは、6月28日に第三者割当増資によってパイオニアへ約50億円を出資。出資比率は6.92%となる。
既に「ドコモドライブネット」などで業務提携している両社の関係をさらに強化することで、スマートフォン/車載機器などへのシームレスなサービス提供や、自動車と通信システムを組み合わせてリアルタイムに情報を提供するテレマティックス分野の事業拡大などを進めていく。
三菱電機も同日より第三者割当で約40億円を出資。出資比率は7.49%となる。
両社は既にカーナビゲーション開発を中心に協業を進めており、2010年より資本提携も開始している。パイオニアがコア事業と位置づけているカーエレクトロニクス事業の競争力強化などを目的に、業務提携の強化を推進。次世代車載機器の共同開発体制を構築するという。
これまで両社の業務提携で進められてきたカーナビゲーションプラットフォーム開発力を強化するため、パイオニアの商品開発力と、三菱電機の車両情報(車両制御情報)連携技術などを融合。将来の車載マルチメディア技術基盤の確立などを目指す。
再編でホームAVを分社化。光ディスク事業のスリム化も
パイオニアは同日付で、中期事業計画を発表。前述のNTTドコモ/三菱電機との資本業務提携によりカーナビ事業を強化していくことに加え、新興国におけるAV一体型カーナビなどの新規需要獲得や、スマートフォンとの連携による顧客層拡大などを図る。
ホームエレクトロニクス事業については、DJ機器を主軸とし、幅広い製品展開などで同事業の牽引役として成長させていくという。
また、同社のホームAV事業に関する部門を分社化して、現在のホームエレクトロニクス製品販売会社であるパイオニアマーケティングへ統合。7月1日より、パイオニアマーケティングは商号をパイオニアホームエレクトロニクスへ変更する予定。さらに、10月には同販売会社に電話機の製造販売会社も合併する。光ディスク事業についてはさらなるスリム化を行ない、7月を目処に、人員を含めた事業体制を前期比で約40%削減する。
同日に発表された通期決算では、2013年3月期は売上高4,518億円(前年比3.5%増)、営業利益59億円(同52%減)で、当期純損益は195億円のマイナスを計上。このうち、カーエレクトロニクスは売上高3,126億円で営業利益98億円の黒字、ホームエレクトロニクスは売上高959億円、営業損失28億円の赤字となった。