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TV初の“ブルース・リーモノマネ”は竹中直人!?

「燃えよドラゴン」40周年BD発売で爆笑トーク

ヌンチャクを手にポーズを決める竹中直人さん

 ワーナー・ホーム・ビデオから17日に発売されたBlu-ray「燃えよドラゴン 製作40周年記念リマスター版 ブルーレイ Tシャツ付」。その発売を記念し、都内で特別上映会が開催され、ブルース・リーファンを代表し、俳優・映画監督の竹中直人も参加。ブルース・リーや作品の魅力について熱く語った。

 今回発売されたBD(品番:1000411125/価格:6,980円)は、ワーナー・スタジオ創立90周年、および「燃えよドラゴン」製作40周年、ブルース・リー没後40周年を記念してリリースされたもので、ディレクターズ・カット版の全編をリマスターした本編を収録。音声面では、テレビ朝日「日曜洋画劇場」放映版の故・富山敬氏による日本語吹替と、製作ポール・ヘラーによるオーディオコメンタリを初収録。

 それ以外にも、メイキングやドキュメンタリーなどの特典映像も収録。フォトカード8枚セットや、日本オリジナル特典として、パッケージデザインがプリントされたオリジナルTシャツも同梱するなど、内容豊富なBDとなっている。詳細は既報の通り。

燃えよドラゴン 製作40周年記念リマスター版 ブルーレイ
パッケージ内容

TVで初のブルース・リーモノマネをしたのは……

 '73年製作の「燃えよドラゴン」は、武術を悪用し、香港の裏社会に君臨する実力者・ハン(シー・キエン)が主催する武術トーナメントに、秘密情報局からの密命と、ハンの部下に妹を殺された復讐心を胸に抱いた青年・リー(ブルース・リー)が乗り込む……という物語。世界中で大ヒットを記録し、日本でも73年12月に公開。ブルース・リーは既に亡くなっていたが、日本でも大きなブームを巻き起こした。

特別ゲストの竹中直人さん

 当時、多摩美術大学の大学生だった竹中直人さんも、劇場で衝撃を受けた1人。「ぎんざNOW!というテレビ番組の、素人コメディアン道場というコーナーに出て、自慢じゃないんですけど、テレビ界で初めてブルース・リーの真似をしたんです。他にやっている人がいなかったのでウケたんです。あの頃は髪の毛もいっぱいありましたし(笑)」。

 テレビだけでなく、竹中さんは大学の先輩らと「燃えよドラゴン」を真似た映画も製作。「燃えよタマゴン」というシリーズだそうで、「私がブルース・リーを演じて、多摩美の屋上で空手のトーナメントに出て、対戦相手を殺してしまい、刑事に追われるという内容でした。刑事から逃げる中で、多摩美のある八王子の美しい風景が織り込まれ、多摩美の紹介カットも含まれているという、なかなかおもしろい映画でした」と当時を振り返る。

会話の合間にブルース・リーのモノマネを挟む竹中さん

 竹中さんは映画館で、「とにかくブルース・リーの存在、表情、全てに圧倒されました。今だに観ると高揚する映画ですね。当時、この凄さを友達に伝えないとと思い、劇場で何度も観て、セリフや動き、表情を覚え、何度も友達の前で披露したんです。そうしたら皆“凄そうだな”と言ってくれて、10人くらい引き連れて観に行ったんです。でも、劇場でブルース・リーが、あの特有の動きをするシーンになると、皆、僕の動きを思い出して笑うんですよ、映画館で。感動するシーンでなんで皆笑うんだよと(笑)、それがショックでした」と、作品に対する愛情が空回りしてしまった爆笑エピソードも披露した。

フォトセッション中も、カメラマンからの要望に合わせ、様々なポーズを披露。実はノリノリ!?
公開当時に宣伝担当をしていたワーナー・ブラザース映画の渡辺完ニさん

 もう1人のゲストとして、当時、この作品の宣伝担当をしていたワーナー・ブラザース映画の渡辺完ニさんも登壇。当時の貴重なエピソードも語られた。

 当時は宣伝部の若手として活躍していた渡辺さんは、「営業部のオジサン達からは“当たらないのでは?”言われましたが、宣伝部の若手達には“これは当たる”という確信がありました。しかし、公開当時、既にブルース・リーは亡くなっていたので、来日キャンペーンなどもできない。それならば、若い人達に作品の面白さを直接伝えようと、当時としては破格の1万人の試写会を実施しました。すると、上映後の試写会場から若い人達が、竹中さんのようにブルース・リーの真似をしながら出て来るんですよ(笑)、アチョー!とか言いながら。凄く熱気を感じましたね」。

 その結果、配給収入は20億円を突破。現在の物価では80億から90億にあたるが、当時は上映システムも、現在のシネコンのようなものではなく、個人が経営するの映画館に1作品幾らかで最初に売ってしまい、上映してもらうシステムであり、「実際にどのくらいの人が観たかわかりませんが、おそらく1000万人以上、今のシステムであれば100億円を超えるようなヒット作と言って良いと思います」(渡辺さん)という。

宿敵を倒した後の、哀愁を帯びた表情を再現
トークショーの様子

 竹中さんは作品の魅力について「ブルース・リーの本当の声が楽しめるのが、この映画なんですよね。後の作品は吹き替えなので」と、マニアックな注目ポイントを紹介。さらに、名言も多い作品で、「“考えるな、感じるんだ”という名台詞がありますが、もう自分は、その言葉のまま、何も考えずに生きています(笑)。台本も読まない俳優ですので、現場の雰囲気を、その場のノリを感じて演じています。ブルース・リーは僕にとって、最高の、そして永遠に消えない存在ですね」と熱弁。

 渡辺さんも「ハリウッドに登場した今までにないスターでしたね。その後も、彼のようなスターは現れていない。戦うために研ぎ澄ましたような肉体。シュワルツネッガーやスタローンなども出て来ましたが、やはりブルース・リーのは異質ですよね。アジアのスターとしてハリウッドで大成功したという側面もあり、彼が若くして亡くなっていなければ、どうなっていたのかなと、今でも思いますね」と、早世したスターを惜しんだ。

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(山崎健太郎)