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TOP WING、“オーディオ専用”ルータと無線アクセスポイント。「音楽のための静かなネットワーク空間」
2025年5月22日 18:00
トップウイングサイバーサウンドグループは、TOP WINGの新製品として、オーディオ専用ルーター「DATA ISO BOX」(市場想定価格55,000円)、オーディオ専用無線アクセスポイント「OPT AP」(同33,000円)を5月30日に発売する。
DATA ISO BOX
ネットワークオーディオに特化したというオーディオ専用ルーター。家庭内のネットワークに混在するモバイル端末や家電などの通信を遮断し、オーディオ機器のためだけの純粋なネットワーク空間を構築。ネットワーク負荷によってネットワークオーディオ機器が発する電気的ノイズを抑制し、音質の向上と安定した動作を実現するという。
同社は「ネットワークオーディオの世界では、“通信の静けさ”も音質に直結する。例えば、ネットワークオーディオ機器が“静かな図書館”で音楽を再生しているとした場合、まわりにスマホでゲームする人、テレビを見ている人、家電を使っている人などがいれば、音楽への集中は乱されてしまう」と説明。
実際の宅内ネットワークでは、端末のネットワーク初回認識など(DHCP、ARP)のブロードキャスト通信、IoT家電が近くに対応した機器はあるかという呼びかけ(UPnP/SSDP)を行なうマルチキャスト通信、IoT家電がデータを送受信する際に定期的な情報のやり取りするユニキャスト通信が常に行なわれているという。
「これらの通信は、同じネットワーク上にあるオーディオ機器にも相互に届いてしまう。実際に処理は行わないにしても機器はそれを一度受信し、自身が対象か判別するため、処理の変動が発生してしまう。また、基幹のルーターに負荷がかかるため、その配下にあるネットワークオーディオ機器も影響を受けてしまう」とのこと。
DATA ISO BOX は、こうした余計な通信からオーディオ機器を隔離し、音楽のための“静かなネットワーク空間”を提供。IoT家電が発する「呼びかけ(マルチキャスト)」を届かないようにし、不要な通知や探索信号もシャットアウト。
「分離を実現するための“土台”も非常に重要」とし、業務用ルーター等にも採用される信頼性の高いCPUをベースに設計。メモリにはSK hynix製の高品質DRAMを採用している。
ネットワークオーディオ機器はハードウェアとソフトウェアの調和が音質に大きく影響するとし、ソフトウェアをオーディオ専用ルーターとして、徹底的に最適化。DATA ISO BOX を追加したことで新たなノイズ源になることや、動作の不安定さが起きないよう、「何も足さない、何も引かない」を目指したという。
Roon ARC対応も可能(上位ルーターの設定変更が必要)。また、DATA ISO BOXは電気的なノイズに対しては効果がないため、「必要に応じてOPT ISO BOXなどの従来のノイズ対策アクセサリーの併用が有用」とのこと。
また、DATA ISO BOXだけを導入すると、同一ネットワークではなくなってしまうため、モバイル端末とネットワークオーディオ機器が相互にやり取りできなくなってしまう。
そこで、ネットワークオーディオ専用Wi-Fi親機(無線アクセスポイント)が必要となるため、後述する「OPT AP」も開発された。
なお、オーディオ専用無線アクセスポイントであるOPT APをDATA ISO BOXに追加すると、スマホやタブレットもオーディオ専用ネットワーク側に参加でき、操作が可能になる。また、OPT APとのバンドルセットも用意しており、セットで購入すると約1万円お得になっている。
DATA ISO BOXには、LAN(RJ45)端子を5ポート搭載。内訳は、オーディオ用3ポート、無線AP用1ポート、上位ルーター用1ポート。通信規格はAuto-negotiation 1000Mbps/100Mbps/10Mbps Full。入力電源は12V/1A、2.1mm/5.5mmセンタープラス(ACアダプター付属)。外形寸法は128×86×34mm(幅×奥行き×高さ)。重量は243g。
OPT AP
ネットワークオーディオ専用のWi-Fi親機(無線アクセスポイント)。DATA ISO BOXと組み合わせることで、オーディオ機器への通信負荷を最小限に抑えながら、操作性の自由度も両立できるという。
複数台のアクセスポイントを切り替えるローミング機能、複雑な集中管理システム、PoE(Power over Ethernet)給電対応などの機能をあえて搭載せず、オーディオ用途に必要な最小限の構成に徹しているのが特徴。複雑な設定は必要なく、シンプルかつ安定した無線環境が実現できるという。
一般的なLAN(RJ45)ポートに加え、SFPポートも搭載。SFPポートは、DDM(Digital Diagnostic Monitoring)対応で、SFPモジュールの動作状態や温度・電圧・信号レベルなどの情報をリアルタイムに読み取ることが可能。オーディオネットワークにおける光伝送の状態確認やトラブルシューティングにも役立つという。
光メディアコンバーターや光LANケーブルとの併用を検討する場合、あるいは将来的に拡張する場合にも、SFPポート搭載のシンプルな単体アクセスポイントは貴重な存在になるとのこと。
OPT APをDATA ISO BOXの専用ポートに接続することで、スマートフォンやタブレットなどの操作端末が「オーディオ専用ネットワーク側」にアクセス可能になる。ネットワークの分離はそのままに、アプリによる操作性を取り戻せる。
また、OPT APは基本設定済みで出荷されるため、DATA ISO BOXに接続するだけでそのまま使い始められるという。
入力電源は12V/1.5A、2.1mm/5.5mmセンタープラス(ACアダプター付属)。外形寸法は192×192×38mm(幅×奥行き×高さ)。重量は502g。