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サエク、DynamicMotion製のカナル型イヤフォン「DM008」
“バランス型ダイナミックドライバ”モデルも投入予定
(2013/10/26 13:00)
サエクコマースは、韓国DynamicMotion(ダイナミックモーション)のカナル型(耳栓型)イヤフォン「DM008」を11月1日に発売する。価格は13,440円。カラーはブラック/ゴールドと、ホワイト/シルバーの2種類を用意する。10月26日、27日に東京・スタジアムプレイス青山で開催されている「秋のヘッドフォン祭 2013」において、同製品を発表した。
DynamicMotionは、1982年に創業し、ダイナミック型ドライバユニットの製造と開発を続けてきたメーカー。現在、世界トップシェアのスマートフォンに同梱されるイヤフォンにも同社ユニットが採用されたという。同社が初の自社ブランド製品として開発したのが「DM008」で、日本での発売にあたり、サエクコマースと共同でサウンドチューニングを行なった。なお、5月に行なわれた「春のヘッドフォン祭」において、「RM-8008(仮)」として参考出展されていた。
オリジナルのユニット「Power Dynamic Drver」を搭載。8mm径の小型ユニットながら、振動板やマグネットなどを独自の方法で配置。マグネットはユニットの中央ではなく外周部に配置しており、「10mm径ユニットと同等のパワーやクオリティを実現した」という。また、一般的なPETフィルムではなく、理想的な音響性能を持つというフィルムを採用。「高解像度と音像の密度感、低域から高域までの帯域バランスに優れたサウンドを提供する」としている。
ハウジングは樹脂製で、カバーにアルミを使用して不要振動の抑制を図っている。ケーブルの引き込みでイヤフォンの「L」と「R」を表したデザインも特徴となっている。
周波数特性は20Hz~20kHz、感度は110±3dB、インピーダンスは32Ω±15%、ケーブル長は1.2m、ケーブルを含む重量は85g。イヤーピースはS/M/Lサイズを同梱する。
“バランス型ダイナミック・ドライバー”のヘッドフォン投入も
26日に行なわれた製品発表会では、来日したDyanmicMotionのYong Jin Park社長兼CEOが登壇。サエクコマースの北澤慶太代表取締役と共に、DyanmicMotionの強みや、今後の展望などを説明した。
DyanmicMotionは、1982年にソウルに設立して、ダイナミック型ドライバユニットを30年以上製造。月産2,000万個のドライバユニット製造能力を持ち、2013年の年間売り上げは2,500万ドルと予測している。
同社のPark社長は、DyanmicMotionとサエクの協力で生まれたDM008について「韓国と日本の技術が、最高の方法で結合した製品。厳しい日本の消費者に合わせてチューニングした」と説明。「今後も技術開発やサービス対応に最善を尽くす」と述べた。
同社の強みとしては、イヤフォンなどの心臓部ともいえる振動板を社内設計しており、精密微細加工技術を持つ点が挙げられるという。DM008に搭載された「パワー・ダイナミック・ドライバー」の他にも、「Balanced Dynamic Driver(バランス型ダイナミック・ドライバー)」、「Ergo Dynamic Driver(人間工学的ダイナミック・ドライバー)」という技術も開発。
Balanced Dynamic Driverは、2種類の異なった素材を使用するフォーミング振動板で、バイアス振動の無い、“バランスド・アーマチュアのような”音質を可能にするというもの。Ergo Dynamic Driverは、装着感の良いタマゴ型の振動板で、縦を大きくすることで、大口径に匹敵する音質を実現するという。
サエクコマースの北澤慶太代表取締役は、今後の製品として、「フルメタルボディの上位モデルを予定している」と説明。さらに、「来年のヘッドフォン祭には、Balanced Dynamic Driverと、Ergo Dynamic Driverの搭載モデルを発表したい」と開発に強い意欲を示した。
オーディオ評論家・ライターの岩井喬氏も登壇。「ダイナミックドライバによる駆動能力の高さと、BAのような解像感の良さを持っている。最近はBAとダイナミックのハイブリッド型もトレンドだが、DM008のシングルドライバの素直さ、つながりの良さは他に代えがたいものがある」と評価した。