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OPPO、同社初ヘッドフォンとDSD対応ヘッドフォンアンプ

平面駆動の7層振動板。'13年末発売へ

ヘッドフォン「PM-1」とDAC内蔵ヘッドフォンアンプ「HA-1」

 OPPO Digital Japanは、OPPO DigitalのUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「HA-1」と平面駆動型ヘッドフォン「PM-1」を発表した。発売日・価格は未定だが、PM-1は13年末、HA-1は14年中の発売を目指すという。

 BDプレーヤーなどで知られるOPPO Digitalが、初めて手掛けたヘッドフォンアンプとヘッドフォン。USB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「HA-1」は、DACチップにESS 9018を採用。24bit/192kHzまでのPCMと、DoP方式での5.6MHzまでのDSD再生に対応する。アナログオーディオ回路はフルバランス設計で、DAC以降のアナログ領域で忠実な信号伝送を実現するという。ディスクリート設計のパワーアンプ回路を搭載。トロイダルコアトランスや、リニアパワーレギュレーターや特注仕様のコンデンサを使用したフィルター回路も搭載する。

 入力は同軸デジタル、光デジタル、AES/EBU、USB、RCA、XLRを搭載。USB再生時はアシンクロナス伝送に対応する。出力はステレオ標準とバランス接続用4ピン端子、アナログ出力用のRCA、XLR端子を搭載。Bluetoothにも対応し、専用アプリを使ってポータブルオーディオなどから音楽を伝送できる。コーデックはaptXをサポートする。

ヘッドフォンアンプ「HA-1」
PM-1の正面
背面
シルバーモデルも展示されていたが、発売されるかは未定とのこと
入力ソースの選択画面
iPhone 5をUSB接続して聴くことができた

 「PM-1」は密閉型のヘッドフォンで、平面型駆動方式を採用していることが特徴。一般的なヘッドフォンは振動板を点で振動させているが、平面型では面で振動板を振動させている。FEMオプティマイズドマグネットシステムと呼ばれるネオジウムマグネットを搭載。振動板は楕円形で、両端が薄くなったポリマーフィルムでエッチングしたフラット導体のらせん状パターンを採用し、極薄素材の7層構成となっている。ケーブルは着脱式で、入力プラグはステレオ標準端子。ステレオミニの変換ケーブルが付属する。ヘッドフォンアンプのHA-1がバランス接続に対応しているが、PM-1にバランス接続用ケーブルが用意されるかは未定としている。

ヘッドフォン「PM-1」

BDプレーヤー「BDP-105」の好評を受け開発を決意

米OPPO DigitalのChristopher Vick氏

 10月26日に「秋のヘッドフォン祭り2013」会場と同じビル内で新製品発表会が行なわれ、米OPPO Digitalのプロダクトマネージャーを務めるChristopher Vick氏が製品について説明した。

 Vick氏は、同社がヘッドフォンやヘッドフォンアンプを開発するに至った経緯について、BDプレーヤー「BDP-105」に搭載されたヘッドフォンアンプ部が高い評価を受けたことを理由に挙げた。また、ヘッドフォンの開発については、約2年という期間を要しており、OPPO Digital Japanのほか、世界各地のチームが開発に加わったという。会場に用意された機体はいずれも試作機で、発売時期・価格は未定だが、PM-1は2013年末までには発売したいとの意向を示した。

通訳を務めたエミライ代表取締役/OPPO Digital Japanの河野謙三氏
発表会で説明されたPM-1の概要
HA-1の概要
オーディオライターの佐々木喜洋氏

 発表会にはオーディオライターの佐々木喜洋氏が登壇し、製品についての補足説明と試聴のインプレションを述べた。佐々木氏は、ヘッドフォンのPM-1に使用されている平面駆動式について、「ヘッドフォンの振動板を、点ではなく面で動かす技術。繊細な音を表現できるメリットがあり、1960年代ごろまでは、ヘッドフォンやスピーカーなどに一般的に使われていた技術だが、扱いが難しくコストがかかるため、今では数えるほどのメーカーしか採用していない」と説明。また、ヘッドフォンアンプのHA-1については、「ESSの9018を搭載していることが特徴で、繊細ながら聴きやすい音楽性」と感想を述べた。

(一條徹)