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オリンパス、10倍ズーム/F2.8レンズとEVF搭載の最上位コンパクト「STYLUS 1」

OLYMPUS STYLUS 1

 オリンパスは、コンパクトデジタルカメラの新モデルとして、F2.8の高倍率ズームレンズや電子ビューファインダ(EVF)を搭載した最高峰モデル「OLYMPUS STYLUS 1」を11月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は7万円前後。

 光学10.8倍ズーム/全域F2.8の新開発「i.ZUIKO DIGITALレンズ」と大型EVFを備え、同社ミラーレス一眼のフラッグシップ機「OM-D」の撮影スタイルを融合したという、コンパクトデジカメ・STYLUSの最高峰モデル。「同等スペックの一眼では大きく重たく、価格も高くなるこだわりの機能を、小型・薄型のボディに凝縮した」としている。外形寸法は116.2×56.5×87mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約402g(電池/SDカード含む)。

 1/1.7型、1,200万画素の裏面照射型CMOSセンサーと、画像処理エンジン「TruePic」を搭載。同社ラーレス「PEN」シリーズの「FAST AF」も継承し、タッチAFシャッターにも対応する。

一眼のようなスタイルで撮影
背面側

 新開発のi.ZUIKO DIGITALレンズは、35mm判換算の焦点距離が28~300mmで、開放F値は全域F2.8。一眼デジカメ用の交換レンズであるZUIKO DIGITALと同等の画質基準で開発され、中心から周辺まで均一でシャープな描写を実現。DSA(大偏肉両面非球面)レンズなど非球面レンズに、一眼レフ用交換レンズで培った成形技術を投入しており、10群12枚構成のうち非球面レンズは9面使用。ズーム全域で収差を補正しつつ、沈胴時は奥行き52mmのボディに収まるようにコンパクト化した。

 また、ゴーストやフレアを防ぐため、独自のZERO(Zuiko Extra-low Reflection Optical)コーティングを行ない、逆光などの悪条件下でもクリアな描写性能を確保したという。最短撮影距離は80cmで、「スーパーマクロ」時は5cm。レンズシフト式の手ブレ補正も備える。付属のレンズキャップ「LC-51A」は、電源ON/OFFに連動して自動で開閉する。

電源OFF時の側面
ワイド端の状態
テレ端の状態
“ペンタプリズム型”の部分にEVFとフラッシュを内蔵

 本体上部にペンタプリズム型のシルエットを採用し、その部分に同社ミラーレスの「OM-D E-M5」と同等のEVFと、フラッシュを内蔵。EVFは144万画素液晶で、視野率は約100%。電子水準器やハイライト/シャドウ表示も可能。別売アイカップ「EP-11」への交換にも対応する。液晶モニタは3型/約104万画素で、可動式/タッチ操作対応。記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード。

 動画撮影は1,920×1,080ドット/30pの「フルHD」と1,280×720ドット/30pの「HD」モードを用意するほか、ハイスピード撮影も可能。120fps記録「HS120」の解像度は640×480ドット、240fps「HS240」は320×240ドットとなる。フルHD/HDの記録フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264、HS120/240はMotion JPEG。音声は16bit/48kHzのWAVで記録する。フルHD撮影時の最長記録時間は約29分。

 長時間握っても疲れないというグリップを右側に備える。また、絞りや露出補正など、よく使う機能を割り当てられる「ハイブリッドコントロールリング」を採用。右手親指で操作できるサブダイヤルを、同社コンパクトデジカメで初めて搭載した。ズームレバーはレンズ左横に配置したことで、右手人差し指をレリーズボタンに集中できるデザインとした。ズームレバーは、ズーム速度を低速にすることも可能。Fn1ボタンと動画ボタンにも機能を割り当てられる。モードダイヤルには2種釣りのカスタムモードを用意する。

 無線LANを内蔵し、Wi-Fiアイコンをタッチしてスマートフォンとワイヤレスで接続可能。スマートフォンアプリ「OLYMPUS Image Share(OI.Share)」で、撮影画像スマートフォンに転送できるほか、スマホをビューファインダとしてリモート撮影も可能。OI.Shareで記録したGPSログをカメラに転送して、カメラ本体で撮影した写真にジオタグも追加できる。OI.Shareには簡単接続機能も備え、カメラのモニターに表示されるQRコードをスマホで読み取るだけで初期設定が行なえる。

 様々な視点からの瞬間を切り取って1つの作品のように仕上げられる「フォトストーリー」や、11種類のアートフィルター、5種類のアートエフェクトも利用可能。アートフィルターは静止画だけでなくフルHD動画にも適用できる。写真の中央部を2倍に拡大して望遠効果が得られるデジタルテレコン機能も利用可能。最大600mm F2.8相当で撮影できるほか、別売テレコンバージョンレンズ「TCON-17X」使用時は1,020mm F2.8相当まで対応する。

 感度は最大ISO 12800。被写体を自動的に判別して、最適な色やコントラストで再現する仕上がりモードの「i-Finish」を、コンパクトカメラで初めて搭載した。最大30分の撮影が可能なバルブ機能や、3段分の露出コントロールが可能なNDフィルターも備える。付属バッテリ「BLS-5」での撮影枚数は410枚。

液晶モニタは可動式
自動開閉する付属レンズキャップ「LC-51A」装着時
別売のテレコンバージョンレンズ「TCON-17X」装着時

(中林暁)