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エイベックス決算、映像配信が前年比87%増。dビデオ + BeeTV会員数は減少

 エイベックス・グループ・ホールディングスは7日、2014年3月期の第2四半期決算を発表。映像事業やライブ事業などの拡大により売上が増加した一方で、映像配信の投資費用により営業利益が減少したことや、NTTドコモ向け映像配信「dビデオ」と「BeeTV」を合わせた会員数が、サービス開始以来初めて減少したことなどを明らかにした。

セグメント別の売上高の増減

 第2四半期の連結業績は、累計(4~9月)が778億5,800万円で過去最高を記録。「映像事業」と「マネジメント/ライヴ事業」の牽引により、前年比で約115億円の増加となった。営業利益は、映像配信の投資費用発生などにより、前年同期比24.9%減の52億8,900万円となった。保有投資有価証券の一部売却などにより、当期純利益は過去最高益となる同66.4%増の53億2,500万円。

 セグメント別の売上高構成比は、映像が26%、マネジメント/ライヴ事業が41%、音楽が31%で、前年同期(映像19%、マネジメント/ライヴ37%、音楽41%)から音楽が減少、他の2事業が増加した。

 映像事業のうち、配信の売上は167億円で前年同期87.1%増、パッケージは45億円で同7.9%減となった。音楽は配信が57億円(同12.9%減)、パッケージが164億円(同9.4%減)で下降トレンドが続いている。第2四半期累計のアルバムCD売上で最も多かったのは安室奈美恵「FEEL」の49万枚、シングルCDはEXILE「EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~」の87万2,000枚。

dビデオとBeeTVの会員数の推移

 NTTドコモのスマートフォンなどで利用できる映像配信サービス「dビデオ」の第2四半期の会員数は446万人で、第1四半期とほぼ同じだが、「BeeTV」を合わせると552万人で、第1四半期の562万人から減少。両サービスを合わせての四半期減少は初となる。ソフトバンクのスマートフォンなどで利用できる「UULA」の会員数は69万9,000人で、第1四半期の53万7,000人から増加した。

 マネジメント/ライヴ事業は、大型会場でのライブが拡大したことにより増収増益となった。観客動員数は193万人で、前年同期比で63万人の増加。チケット単価は8,880円で、前年同期比552円のプラスとなった。

 映像配信(dビデオ/BeeTV/UULA合計)の2014年3月末の目標会員数は、上半期の進捗をふまえ、これまでの1,000万人から800万人に下方修正。音楽事業はパッケージ販売の増加により増収を見込んでいるが、音楽配信関連の先行投資費用などにより営業収益は期首の予想を下回る見込み。

デジタル戦略/アライアンス戦略の取り組み

 通期の業績予想は売上高は1,610億円で変更はないが、営業利益は映像配信の目標会員数の見直しや、音楽配信の投資費用、本社ビルの建て替え費用などにより8月時点から36億円減となる120億円の黒字に下方修正、当期純利益は同15億円減の85億円とした。

 今後の取り組みについては、ドコモやソフトバンク、サムスンらのパートナーとともに、「デジタルが持つ情報発信力を最大限活用したデジタルプラットフォームを積極的に展開する」としている。具体策としては、dビデオなどのコンテンツ数拡大や、UULA限定のミュージックビデオ、ドラマなどオリジナルコンテンツの充実などを挙げている。

(中林暁)