ニュース

J:COMとJCNが'14年4月に経営統合へ。CATV強化やスマートTVサービス連携など

 国内CATV業界第1位のジュピターテレコム(J:COM)は、19日に行なわれた取締役会において、同第2位であるジャパンケーブルネット(JCN)の全株式をKDDIから取得することを決議。J:COMとKDDIとの間で、JCNの株式譲渡契約が締結された。これにより、J:COMとJCNは経営統合する。

 今回の株式譲渡を通じ、J:COMとJCNは事業統合による規模の拡大と、サービス向上による競争力の強化を図る。また、「ケーブルテレビ業界の最大手として業界全体の発展に寄与する」としている。

 J:COMの株主であるKDDIと住友商事は、J:COMを共同経営することに関して'12年10月に株主間契約を締結。J:COM株式の公開買付けや、両株主のJ:COMに対する議決権保有比率を各50%とするための手続きを行ない、J:COMとJCNの統合を予定していることを公表していた。共同経営体制に移行後のステップとしていたJ:COMとJCNの統合については、J:COMがJCN株式の全てを取得し、経営統合することに合意。株式譲受けの実行は12月2日を予定しており、2014年4月を目標に、J:COMとJCNを合併する準備を進める。

 経営統合にあたり、J:COMとJCN、KDDI、住友商事の4社は統合準備委員会を設置。分野別(事業戦略、商品・メディア、営業、技術、人事・組織、管理)の準備部会などを通じて経営統合に向けた協議や準備作業を進めている。

 また、J:COMが現在推進している地域密着サービス強化による「コミュニティサービス・パートナー」への進化や、メディア・コンテンツ事業強化による「総合メディア事業グループへの転換」という中期的な方針を維持しつつ、JCNのCATV事業における地域密着サービスや、スマートテレビサービスに関するノウハウなどの経営資源を活用。そのほか、KDDIが持つauの商材や販売チャネル、移動通信・固定通信における技術開発力を、住友商事が持つ多様な事業領域と連携し、サービス品質や競争力の向上を図る。

(中林暁)