J:COMとKDDI、Android搭載STBやVODの調達で協力へ
-電話サービスの集約などアライアンスの覚書を締結
6月10日発表
CATV事業を展開するジュピターテレコム(J:COM)と、同社の株主である住友商事、KDDIは、3社間のアライアンス関係構築に関する覚書を締結。通信、メディア、CATV、技術/インフラの各領域において協力していくことで合意した。
3社間のシナジー創出による効率化や、企業価値の最大化を目標としており、具体的な施策の内容や時期については今後の協議で決定する。
メディア事業においては、KDDIグループと、J:COMのそれぞれが行なっているビデオ・オン・デマンド(VOD)において、コンテンツ調達の一元化に向けて検討。これにより、調達交渉力を高め、大幅な費用削減を見込むとする。さらに、将来的には両社のVODシステムの統合も視野に入れていくという。
J:COM、KDDIの各グループ保有コンテンツの相互配信なども計画。また、広告事業におけるJ:COM、auのメディアを横断した広告クライアント獲得などにも取り組むとする。
CATV事業においては、J:COMとKDDIの子会社であるジャパンケーブルネット(JCN)との資本関係の構築を含めた提携を目指し、シナジーの創出を図る。
技術やインフラについても、次世代セットトップボックスの開発においてJ:COMとKDDIの両社が協力。J:COMのRFの経験と、KDDIの映像伝送やIP技術を取り入れて、STBを開発。STBやサービスプラットフォームについては、Androidなどのオープンな技術を採用し、試作機の作成などで協力するという。また、J:COMの電話ネットワークはKDDIに集約する方針。
通信事業については、J:COMの固定電話、J:COM PHONEをKDDIのケーブルプラス電話と同等のサービスに移行。新規獲得ユーザーには新サービスを販売すると共に、同サービス加入者とauの携帯電話ユーザーとの優遇通話(auまとめトーク)などの施策により、J:COMとKDDI双方の顧客満足度向上や解約防止を目指すとする。
また、固定と携帯電話の各サービスの請求一本化なども検討。さらに、高速無線データ通信においては、KDDI子会社のUQコミュニケーションズとの協議を開始。J:COM NETの加入者に対し、オプションとしてUQのWiMAXサービスを訴求するなどの展開を検討するという。
(2010年 6月 10日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]