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ソニー、ペア22,680円のブックシェルフなど、ハイレゾ対応低価格スピーカー

左がフロア型の「SS-CS3」、右がブックシェルフの「SS-CS5」

 ソニーは、ペアで22,680円のブックシェルフなど、シアター利用も可能なエントリークラスのスピーカー4モデルを5月20日に発売する。価格は、フロア型の「SS-CS3」が1台17,280円、ブックシェルフの「SS-CS5」がペア22,680円、センターの「SS-CS8」が11,880円、サブウーファの「SA-CS9」が22,680円。

 いずれも低価格なスピーカーだが、ハイレゾ音源の再生にも対応できるクオリティを実現したという新モデル。ハイレゾ対応はフロア型とブックシェルフで、スーパーツイータの搭載により50kHzまでの再生を可能にしている。

 なお、フロア型では「SS-F6000」(ペア27,000円)というモデルが発売されているが、根強い人気を集めているため、新フロア型「SS-CS3」登場後も、販売は継続する。

フロア型「SS-CS3」、ブックシェルフ「SS-CS5」

フロア型「SS-CS3」

 フロア型とブックシェルフ型に共通する特徴は、独自の広指向性「WD(Wide Dispersion)スーパーツイータ」を搭載している事。高域を再生するツイータは指向性が狭いものだが、それを改良、自然な音の広がりを持たせたというもので、ハイレゾ音源再生時のスイートスポットも大幅に拡大できるという。ツイータの弱点である音圧不足も、磁気回路の強化や、ボイスコイルに軽量のCCAW(銅メッキアルミ)線を使う事で解消している。

 ユニット構成はCS3が3ウェイ4スピーカー、CS5が3ウェイ3スピーカー。CS3は130mm径ウーファ×2、25mm径ツイータ×1、19mmスーパーツイータ×1を搭載。CS5は130mm径ウーファ×1、25mm径ツイータ×1、19mmスーパーツイータ×1となる。

ブックシェルフ「SS-CS5」

 ウーファの振動板には独自のMRC(発泡マイカ)を使っている。滑らかさと力強さを両立するため、ベース層に軽量で剛性の高い第1世代MRC、表層にはしなやかで素直な音質を持つという第2世代MRCを使った2層構造としている。

 ツイータとスーパーツイータはフェイスプレート上にマウント。ミリ単位でユニットの配置を最適化でき、各ユニットからの音のタイミングをコントロール。両機種ともバスレフだが、その開口部や、フェイスプレート端の形状などにも、回析現象対策を行ない、クリアな再生を可能にしたという。

左がフロア型の「SS-CS3」、右がブックシェルフの「SS-CS5」
ブックシェルフ「SS-CS5」を上から見たところ
フロア型「SS-CS3」を上から見たところ。スーパーツイータとツータがフェイスプレートにマウントされているのがわかる。厳密な配置ができる事で、各ユニットからの音のタイミングを揃えられる

 エンクロージャはどちらのモデルもバスレフ。ネットワークにはフィルムコンデンサや大型コイルなど、エントリーでは通常使われない高品位なパーツを投入したという。

 再生周波数帯域はCS3が45Hz~50kHz、CS5が53Hz~50kHz。外形寸法と重量は、フロア型のCS3が230×260×922mm(幅×奥行き×高さ)で、約11.5kg。インピーダンスは6Ω。ブックシェルフのCS5は178×220×335mm(幅×奥行き×高さ)で、約4.5kg。インピーダンスは6Ω。

フロア型「SS-CS3」のウーファ部分。エンクロージャはフロントバスレフ
背面のスピーカーターミナル

センター「SS-CS8」、サブウーファ「SA-CS9」

センター「SS-CS8」
サブウーファ「SA-CS9」

 センターのCS8には、25mm径ツイータ1基と、100mm径ウーファを2基搭載。2ウェイ3スピーカーとなる。スーパーツイータは搭載していない。エンクロージャはバスレフ。インピーダンスは6Ω。再生周波数帯域は55Hz~25kHz。外形寸法は430×220×146mmで、重量は約5kg。

 アクティブサブウーファのCS9も、独自のMRC素材を採用したユニットを搭載している。口径は250mm。エンクロージャはバスレフ。アンプの最大出力は115W。外形寸法は295×400×345mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は11.5kg。消費電力は70W。

センタースピーカーの「SS-CS8」
左がサブウーファ「SA-CS9」、右はフロア型「SS-CS3」
このように内部で補強されている

 これら4機種は、いずれもエンクロージャの素材に厚みのあるMDF材を使用。強度を高めるために、内部に様々な補強を行なっており、不要振動を低減。「立ち上がりの良いクリアでタイトなベースサウンド」を実現したという。

音を聴いてみる

 試作機ではあるが、試聴した。

 ブックシェルフ、フロア型のどちらも、付帯音が少なく、クリアな再生音が印象的だ。エンクロージャ内部で要所要所を補強し、強度を高める事で、低価格な製品ではあるが、より剛性の高い上位モデルにも負けない、クリアでタイトな再生を可能にしている。

 どちらもツイータとスーパーツイータを搭載しているが、ウーファとの音の繋がりも良く、帯域による音色の変化も感じられない。高精細ではあるが、まとまりの良い音で、ギターに注目しても、弦が揺れる音がバラけて聴こえると共に、その背後のボディで増幅される中低域の響きの豊かさも表現される。

 ブックシェルフとフロア型を比較すると、低域は当然フロア型の方が上手だが、その代わりに中高域の繊細な音の描写がブックシェルフではわかりやすい。比較的薄型なスピーカーでもあるため、シアター利用だけでなく、PCオーディオなどと組み合わせて、デスクトップに配置しても良さそうだ。

(山崎健太郎)