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355型4K自発光ビジョン使用、ソニーPCL「4K VIEWING」を体験。写真祭で上映も
(2014/4/10 20:16)
既報の通り、ソニーピーシーエル(ソニーPCL)が4K映像を使った企業のプロモーション向けサービス「4KVIEWING」を開始した。同社は4K映像の表示機器として、355型の自発光型4Kビジョンを導入。これを報道関係者向けに披露する発表会を9日に開催した。
「4KVIEWING」は、4K制作技術をベースとして、ソニーPCLが提案するイベントクリエーションサービス。355型、解像度4,160×2,184ドットの自発光・可変型の大型ビジョンで、4Kの高精細映像を活かしたイベント会場での上映や、ショールームへの設置などを想定している。同社が制作した映像を355型4Kビジョンで上映するほか、4Kビジョンのみのレンタルも行なう。
4KVIEWINGに使う355型ビジョンは、1mmのSMD(チップ型にした表面実装型LED)を1.9mmピッチに配置した上映デバイス(メーカー名非公表)に、40×30cm(幅×高さ)、重量5kgのキャビネットを組み合わせて構成。組み合わせにより、超ワイドや、左右側面と天面に映像を表示する“門”のような形など、16:9以外の多彩な設置/表示が可能。さらに、並べるパネル同士の境目に最大2度の角度を付けることで、見る人の周りを囲むようなカーブド(湾曲)ディスプレイにすることもできる。レンタルする際の料金は、「既存の4mmピッチ(のデバイス)と同程度」としている。
16:9表示時は、8×4.2m(幅×高さ)で、明るさは1,200nit、視野角は上下/左右160度。消費電力は33.60kW。リフレッシュレートは1,200Hzで、パネル撮影時のフリッカーフリーも実現。重量は1,344kg。前述の上映デバイスを配置した40×30cmのパネルを、縦に14個、横に20個並べている。高さは、自立させた場合は約6mまで対応でき、背面に骨組みなどを付けることで、さらに高くすることも可能だという。
355型の大画面でも高精細/高輝度。19日開幕の「京都国際写真祭」で体験可能
発表会では、ソニーのCineAlta F65とカール・ツァイスのMaster Primeレンズを組み合わせて撮影した2つの4K/60p映像「Lovely SWISS」と「The quiet beauty Czech ~静かなる美 チェコ~」のデモ上映を実施。スイス・マッターホルンの山並みや街を撮影した映像では、例えば山の斜面に立ち並ぶ家々を“引き”で撮った画でも、それぞれの家の輪郭がハッキリと見える。制作者の意図通りだけではなく、自分が気になった部分のディテールまでしっかり見ることもできて面白い。一方、手前に草花、奥に遠くの山々が見えるシーンでは、2Dながら立体感を味わえた。
自発光型のため、全面が白になったシーンではまぶしくて目を細めるほどの明るさだったが、明るいシーンでも細部の描写が鮮明。例えば山肌に積もった雪が、降ったばかりのものではなく、一度積もってひび割れたり、一部が崩れた跡があるといった情報がはっきりと分かり、一般的な「ドットの荒いLEDビジョン」のイメージとは全く異なる。視界を覆う355型の高精細画面では、単に“美しい自然映像”というだけではなく“目の前に存在するもの”として圧倒する力を持つことを実感できた。
この大型ビジョンで4K映像を体感できるイベントが、4月19日~5月11日に行なわれる「第二回京都国際写真祭(KYOTO GRAPHIE)」。会場で、4Kの写真展示に、6×4.4m(3,120×2,288ドット)の縦長にした大型ビジョンを使用する予定。KYOTO GRAPHIEの入場パスポートは大人2,000円(前売1,800円)、中高生1,200円(同1,000円)。
【訂正】記事初出時、写真展示は「4K/ドットバイドット」としていましたが、正しくはドットバイドットではありませんでした。お詫びして訂正します(5月20日)
ソニーPCLの鉄屋浩三社長は、同社の4K映像制作への取り組みと今回の4K VIEWINGについて説明。「これまで50以上の4K映像を制作してきた。4K VIEWINGは、高精細映像を能力いっぱいに表現できる大型ディスプレイを使って、イベントなどの企画、演出、運営を提供する“総合的なイベントクリエーションサービス”と考えている。イベント会場など明るい場所でも十分に威力を発揮する。大画面で良質な映像は、“観る”というより“体で感じる”もの」とし、インパクトの大きさをアピールした。