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キヤノン、カラーフォーマットなど「HEVC」の新拡張規格標準化に貢献

 キヤノンは1日、映像符号化国際標準のHEVC標準化共同チーム「Joint Collaborative Team on Video Coding(JCT-VC)」が2014年4月4日に完了した「HEVCの新規拡張規格」(HEVCレンジ拡張)の標準化に、自社の技術力を生かして貢献したと発表した。

 標準化団体であるISOとIEC、ITUは、2010年にHEVC標準化の共同チームJCT-VCを設立し、4Kや8Kなどの高精細映像を効率的に伝送/蓄積するため情報量を圧縮する「HEVC」の標準化を2013年1月に完了した。その後、「HEVCレンジ拡張」の標準化が進められ、'14年4月4日にISOおよびIECの下部組織であるMPEGにより「ISO/IEC 23008-2 High Efficiency Video Coding第2版 最終国際規格案」として正式に承認された。

 HEVCレンジ拡張では、忠実な色再現を可能にする10bitを超える色深度や、細やかな色表現が可能な4:2:2/4:4:4のカラーフォーマットをサポート。これにより、4K/8Kなどの高精細な映像素材の撮影/編集/出力において、高い画質を維持したままの作業が可能になるため、今後、映画などの映像制作や放送用コンテンツ制作など幅広い分野での利用が期待される。

 キヤノンは、HEVCレンジ拡張における4:2:2/4:4:4のカラーフォーマットを実現させるために、拡張部分での圧縮率のさらなる向上と技術の実現しやすさを両立した複数の新技術を開発/提案。その一部が最終的なHEVCレンジ拡張に採用された。また、HEVCレンジ拡張標準化の提案された技術の検証評価に関する議論の場において、検討グループの議長などを務め、検討の促進や議論の取りまとめを行ない、同社の研究開発者が標準規格書の編集の取りまとめを行なう「エディタ」の一人として選出された。キヤノンは、今後も映像技術の研究開発を進め、標準化活動に貢献するとしている。

(臼田勤哉)